最短3日で子どもの生活習慣が整う!? 家庭でできる「トークンシステム」とは/不登校をチャンスに変える一生モノの自信の育て方(7)

やる気アップ

学校に行くことだけが正解じゃない。子どもが「一生モノの自信」を身につけるための親の考え方/不登校をチャンスに変える一生モノの自信の育て方(1)
『不登校をチャンスに変える一生モノの自信の育て方』 7話【全9話】


不登校の児童は増え続け、令和5年度の文科省の調査によると全国で30万人を超えています。
元小学校教諭の福田遼さんは、憧れの教員となったものの「不登校の現状」に直面。その後、よりよい支援の形を模索するため教員を辞め、世界18カ国の教育現場を回りました。
その経験をもとに、不登校支援に特化した無料のオンラインフリースクール「コンコン」を設立。子どもたちが自分の進みたい方向を見つけ、一歩踏み出す自信を育めるように日々活動しています。
本記事では、福田さんが培ってきた知識と経験をもとに、子どもが自信を取り戻し、将来を前向きに生きていくためのヒントをご紹介します。
「学校に行ってほしい」と願う方、「いろいろ試しても再登校が難しい」と感じている方、登校をしぶる朝が増えて心配な方へ、不登校を新しい可能性へとつなげる視点をお伝えします。

※本記事は福田遼(著)の書籍『不登校をチャンスに変える一生モノの自信の育て方』から一部抜粋・編集しました。


「トークンシステム」でやる気アップ!

トークンシステムとは、「トークン」と呼ばれる報酬(ポイント)を活用して、子どもたちの望ましい行動を増やす方法。「30Pで100円オフ!」といったお店のポイントカードのような仕組みを想像してもらえれば、わかりやすいと思います。ポイントカードがあったら、なんとなく他のお店よりもそのお店に通おうと思うでしょうし、「あとすこしでポイントが貯まる」となればちょっと余分に買い物しようと思うかもしれません。それと同じように、トークンシステムを導入することによって、子どもたちの普段の行動を増やしたり、行動のモチベーションを高めることができるんです。

トークン表


「トークン表」のサンプルを掲載しました。こんな表を使って、やったことに応じて、ポイントをつけていくのがトークンシステムです。僕は教師時代も今のフリースクールでも必ず取り入れていて、よく子どもたちが好きなシールやスタンプを使っています。トークンシステム自体はとても簡単なメソッドなのですが、しっかり効果を発揮するためには、いくつか注意点があります。

いちばん肝心なのは、良い行動を「明示する」こと。つまり、どう行動すればポイントがもらえるのかを、具体的に提示するんです。たとえば、「お皿洗いをしたら1P」や「漢字ドリルを1ページしたら1P」などが良い例ですね。

反対に、「もっと勉強する」「弟にやさしくする」なんて抽象的な言い回しは御法度(ごはっと)です。もっとってどれくらい? やさしくってどんなふうに? と曖昧さが残ってしまえば、子どもはどう行動すればいいかがわかりません。

また、「ゲームをしない」といった「〇〇しない」の言い方もNGです。「〇〇しない」とだけ言われても、「じゃあどうすればポイントを獲得できるのか」という達成条件が不明瞭です。それに、やっぱり否定語を使うと、お互いの心がチクチクしてしまいますからね。

なにが良いことなのかが共通認識できていて、それを行うと良いこと(ポイント獲得)が起きる。その仕組みがわかりやすいのが、トークンシステムの要点なんです。

だからこそ、トークンシステムを使うと子どものやる気がグンとアップします。これは良いところに注目すると良い行動が増える「ヨイ出し」と同じ理論ですね。

合わせて、「1Pゲットしよう!」という小さい目標をくり返し達成することになるので、自己効力感がアップするサイクルも自然と回り始めます。もちろん、行動の成果が可視化され、子どもがゲーム感覚で楽しく取り組めるところもやる気アップに貢献してくれると思います。

さて、トークンシステムを実践する際には、まずは生活習慣から始めてみましょう

たとえば、「7時に起きられたら1P」「21時までにベッドに入ったら1P」というルールでスタートするんです。ゴールとなるご褒美も最初はちょっとしたものでかまいません。「10P貯まったら好きなお菓子を買う」とか、「5Pでゲームする時間を15分延長してOK」とか。

僕の経験では、このトークンシステムの導入から早くて3日、遅くとも2週間もあれば、どんな子どもも生活習慣がバチッと整います。昼夜逆転ぎみな中学生でも実証済みですから、そうでない子であれば効果はもっと早いと思います。

生活習慣が整うと、それだけでも不登校の子どもたちにとっては大きな自己効力感や自信につながります


著=福田遼/『不登校をチャンスに変える一生モノの自信の育て方』

この記事に共感したら

Information

本ページはアフェリエイトプログラムによる収益を得ています

おすすめ読みもの(PR)

読みものランキング

読みものランキングをもっと見る

レシピランキング

レシピランキングをもっと見る

レタスクラブ最新号

レタスクラブ最新号詳細