外見や持ち物で客を品定め。相手によって態度をコロリと変える、圧の強いデパコス店員【著者に聞く】

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デパコスの名物店員を描いた『デパコスカウンターは今日も修羅場です ~BA下剋上物語~』

「店員の接客がコワい!」とSNSでたびたび話題になる、百貨店のコスメカウンター。
外見や持ち物によって店員から品定めされることにおびえたり、店員のスキのないメイクや立ち振舞いの威圧感に緊張したり、何か買わないと帰れない雰囲気を感じたり…。様々な理由からデパコスのカウンターに敷居の高さを感じている人も少なくないようです。

そんな「デパコスカウンターの名物店員」を主人公にしたお仕事漫画が、いま注目を集めています。実際に某有名化粧品ブランドで働いていたBA(ビューティーアドバイザー=美容部員)への取材をもとに描かれた『デパコスカウンターは今日も修羅場です ~BA下剋上物語~』。クセの強い名物店員が次々と登場しながら、「鬼が島」と噂される激戦地のデパコスカウンターの裏側のリアルを描いていきます。

今日はこの作品をご紹介し、著者のユキミさんにもお話を伺っていきます。

▶▶BAあるある満載!『デパコスカウンターは今日も修羅場です』を読む

『デパコスカウンターは今日も修羅場です ~BA下剋上物語~』あらすじ


美を求める者たちでにぎわっている

暇じゃないわ

あれは…!!

いい獲物が来たわ

舞台は都内繁華街にある某百貨店のコスメ売り場。
主人公は人気コスメブランド「クレシアン」のカリスマBAの桜城まち子、人呼んで「カウンターのお嬢」。地味な客には一切笑顔を見せず塩対応、その一方で高級アクセサリーを身に着けた客には「いい獲物が来たわ」とすかさず反応します。ゴリ押しで売上を伸ばすそのやり方は、他のBAたちからは「押し売りのお嬢」と言われることも。


『デパコスカウンターは今日も修羅場です ~BA下剋上物語~』より

『デパコスカウンターは今日も修羅場です ~BA下剋上物語~』より

同じカウンターには個性豊かな店員たち。ベテラン社員の洋子(52歳)は中年女性客の心をつかみ、単価の高いスキンケア商品を売ることを得意としています。

『デパコスカウンターは今日も修羅場です ~BA下剋上物語~』より

『デパコスカウンターは今日も修羅場です ~BA下剋上物語~』より

また年齢不詳の男性BA、通称JUNはサバサバとした口調と骨格を変えてみせるほどの高いメイク技術で固定ファンをキープ。

『デパコスカウンターは今日も修羅場です ~BA下剋上物語~』より

そんな店舗にやってきた新人BA・花巻梨帆。お嬢の手荒い洗礼とムチャ振りに翻弄されながらも、花巻は洋子やJUNにサポートされ、少しずつBAとしての経験を積んでいきます。

コミカルに描かれる美容部員のお仕事の現場。この作品を描いた著者のユキミさんにお話を伺いました。


個性豊かなキャラクターたちが自ら動き出した感覚


――登場する美容部員たちが皆、大変個性的で魅力的でしたね。

ユキミさん:ありがとうございます! 今回の作品は自身がデザインしたオリジナルキャラクターも多かったのですが、自分の執筆活動の中で初めて「キャラクターが自ら動き出した」という感覚を味わえました。自分の描いた登場人物たちがこの世のどこかで生きているかもしれない、そんな気持ちでいられる作品は初めてです。

――それぞれのキャラクター造形で意識したことはありますか。また思い入れのある登場人物がいれば教えてください。

ユキミさん:主人公のお嬢以外は「身近にいたら嬉しい人」と「身近にいたら嫌な人」という2点を盛り込みました。

『デパコスカウンターは今日も修羅場です ~BA下剋上物語~』より

特に梨帆の先輩でもある男性BAのJUNは描いていて本当に楽しかったです! 漫画を描き始めた頃から「ジェンダーレスで魅力的なキャラを描いてみたい」というのが夢の1つだったのですが今作でそれが叶い嬉しいです。JUNはここぞで決めてくれるので書き手としてとても頼りになりました。いつかJUN主人公のスピンオフなど描いてみたいです~!

――JUNのキャラクター、素敵ですよね。生き生きとしていて、ユキミさんの筆が乗っていたのがわかります。逆に「身近にいたら嫌な人」というのは誰ですか?

ユキミさん:描いていて「こいつは本当に…!」と終始イライラしたのは、お嬢の回想で登場するお姉ちゃんの梨香子です。最初、自分の中で梨香子のキャラクターデザインはゴージャス美人にしようと思っていました。それをいにしえの少女漫画主人公テンプレである「ストレートロング」「ぱっちり目」「可愛らしい雰囲気」な容姿にしたことによって、嫌~な感じが増した気がしております。

『デパコスカウンターは今日も修羅場です ~BA下剋上物語~』より


とはいえ、妹のお嬢をイライラさせる彼女の一挙一動は梨香子の人格が歪んでいるわけではありません。両親や周りから愛されまくったからこそ「それが当たり前」という残酷さからきているので、梨香子のそんな人格を作中で表現できていたら嬉しいです。


――本作品を描く上で、難しかったことや苦労したことを教えてください。

ユキミさん:カウンターにいるメンバーの個性が強すぎて、ひょっとしたらお嬢と対になるポジションの新人BAの梨帆の顔…覚えてもらえないんじゃないだろうか…?と不安がありました。梨帆の人柄のよさを残してなんとか読者の方の記憶に残ってほしい!と頑張りました。特に前半、梨帆の表情にその頑張りが見られるかなと思います(笑)。

   *     *    *

ユキミさんが「キャラクターが自ら動き出した」と語るとおり、お嬢やJUNといったクセの強い面々が「こんな店員さん、実際にいそう」と思わせるほど生き生きと描かれています。人間味あふれるデパコス群像劇は読み応えたっぷり。「自分なら誰に接客してほしいか」そんな想像を膨らませながら、楽しんでいただきたい作品です。

取材=編集K/文=レタスユキ

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