「ビワの種を食べないで」農水省が警告! 種を粉末にした健康食品は回収も

#食   
ビワの種には毒があるって知っていましたか?


私たちが毎日食べている食材の中には、体に有害な毒素を含むものもあります。ジャガイモの芽や皮にある「ソラニン」は、聞いたことがある人も多いのではないでしょうか。このソラニンを多く含むじゃがいもを食べると、吐き気や下痢、おう吐といった症状が出るそうです。

わずかな量や、通常の食べ方なら問題ないものがほとんどですが、中には間違った食べ方をすると、健康に深刻な被害を及ぼすこともあります。農林水産省は昨年12月、ビワなどの種に含まれる有害物質「アミグダリン」について、注意を呼び掛け始めました。

 

海外では死亡例もあるビワ種子


アミグダリンは、ビワの他、ウメやアンズなどに含まれている「シアン化合物」の一種です。果肉のアミグダリンは成熟していく段階でほとんどが分解されるのですが、種には多量に残っています。

「がんに効く」などの間違った情報が出回り、健康食品になっているものもありますが、米国国立がん研究所 (NCI)によって、アミグダリンの抗がん作用は完全に否定されています。むしろ、嘔吐、頭痛、めまいなどの中毒症状を起こす危険があり、海外では死亡例を含む重篤な健康被害も報告されているのです。

アミグダリン摂取によって、激しい腹痛を起こすことも。


 

毒性に注意が必要な食物は他にも


有害物質が含まれる食材は、意外にも身近にたくさんあります。その一つが、サラダや煮込み料理などによく使われる「インゲン豆」。生のインゲンにはレクチンという有毒物質があるので、充分に加熱せずに食べると嘔吐・下痢などの症状を引き起こします。また、春の山菜フキには、肝臓に悪影響をおよぼす成分ピロリジジンアルカロイドが含まれています。食べる前には、しっかりとアク抜きをすることが大事です。

高栄養で注目されるようになったモロヘイヤの種や莢(さや)にも、めまいや嘔吐を起こす強心配糖体が存在します。スーパーで売られている葉の部分に毒性はありませんが、家庭菜園で育てている人は、誤って種や莢を食べないように注意しましょう。

厚生労働省では、ひじきのヒ素を抜く方法として、「水戻し」や「ゆで戻し」「ゆでこぼし」を推奨しています。これを実行することで、乾燥ひじきに含まれるヒ素が5割~9割も減少するんだそうです。

厚生労働省「より安全に食べるために 家庭でできるヒジキの調理法」リーフレットより


昔から行われている野菜の下ゆでやアク抜きやなどは、料理を美味しくするだけでなく、毒を除く意味もあったんですね。思わぬ健康被害を防ぐためにも、下処理はしっかりとするようにし、種や莢、芽などよく食べない部分は必ず取り除くようにしましょう。

 

【関連レシピ】いんげんの梅マヨあえ


梅干しは、漬けることでアミグダリンが分解されるので、安全に食べられます。いんげんはしっかり火を通しましょう。

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<材料>(2人分)

さやいんげん…1/2パック

梅干し…1個

マヨネーズ…大さじ1 1/2~2

・みりん

<作り方>

1.さやいんげんは両端を落とし、たっぷりの熱湯でゆでて3cm長さに切る。梅干しは種を取ってから包丁でたたくように切る。

2.梅干しにマヨネーズ、みりん小さじ1を混ぜ合わせ、いんげんを加えてさっくりと混ぜ、器に盛る。

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