ペットボトルの置き場所で大惨事に! 冬場に気をつけたい「収れん火災」って何?

#くらし   
“収れん”とは太陽光が屈折・反射で1カ所に集まること


昔から冬場は火事の危険性が高い季節として知られていますが、その原因は様々。最近では“収れん火災”という火事がSNSで注目を集めました。

“収れん”で危うく大惨事に!?


今年2月にとあるTwitterユーザー(@miokonohana)が、危うく“収れん火災”になりかけたビデオデッキの画像を投稿。写真では金属で出来たビデオデッキが、見事に焼け焦げています。

ツイートによるとビデオデッキが焦げた原因は“机の上の鏡”。これに他のTwitterユーザーからは「収れんの力やばいな… 完全にビーム光線じゃん」「鏡1つでここまでの威力になるのか! 大事にならなくてなにより」「こういうのって日差しが強い夏に起こるんじゃないの?」と驚きの声が上がりました。

東京消防庁の報道発表資料によると、“収れん”とは太陽光が凹面鏡やルーペなどにより反射・屈折して1点に集まること。この現象により可燃物に引火して発生する火事のことを「収れん火災」と言います。

この現象は太陽の高度が低くなり、部屋の奥まで太陽光が差し込む冬場に発生する傾向があるとのこと。東京消防庁は収れん火災を防ぐ方法として、「窓際や太陽光が差し込む範囲には、収れんが起きる可能性があるものを置かないように注意してください。カーテンで遮光することも有効です。また、車両のダッシュボード上や屋外についても気を付けることが大切です」と呼び掛けていました。

実験では20分で座布団の焦げが10cm角に拡大


実際に“収れん”であわや大惨事になった人は多いようで、SNSなどでは「俺もこれでリュックサック燃えた。たまたま家にいたから良かったけど…」「帰宅時になんか焦げくさいなって思ったら収納ボックスが焼けてた」「最初に収れんでものが焦げてるのを見たときなんかの呪いかと思ったわ!」といった声が上がっています。

本当に“収れん”でものが燃えるの?


実際に“収れん”の威力はどの程度のものなのでしょうか。2013年に公開された「NHK 生活情報ブログ」の記事では、東京消防庁の協力の下で行われた再現実験の結果について掲載されていました。

これによると主に化粧用で使われている凹面鏡でタオルに光を集めた場合、収束している部分の温度は900℃近くまで上昇。実験開始から13分後に発火して、ものの1分でタオルの上に吊るしてあったシャツに燃え広がったそうです。

また「消防防災科学センター」の公式サイトには、「福岡市消防局」による実験結果が。同局は管内で実際に発生した“ペットボトル”の収れん現象による火災を調査。「虫眼鏡」「ガラス玉」「ペットボトル」の3つによる収れんを比較した結果、「ペットボトル」で一番早く発火が観測されました。

この結果について同局は「球面を持ち、凸レンズに類似する構造を持つ物質の付近に、新聞紙等の着火物があり、そこに太陽光が収束すれば、容易に無炎燃焼を起こす」とコメント。外出する際は火元の確認だけでなく、家具の位置関係や太陽光の遮断などにも注意を配った方がよさそうですね。

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出典元:Twitter(@miokonohana)

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