「お見舞い」に“のし”はNG!? 大人なら知っておきたい慶弔ギフトに関するマナー

#くらし   
紙全体ではなく、右上の飾りが“のし”


大人なら慶弔ギフトのマナーは覚えておきたいもの。祝儀袋の書き方や水引の種類などは知っていても、“のし”については意外と知らない人もいるのでは? 今さら聞けないのしに関するあれこれをおさらいしましょう。

のしをつけるシーンっていつ?


3月6日放送の「この差って何ですか?」(TBS)では、のしをつける時とつけない時の差を取り上げました。マナーデザイナーの岩下宣子さんによると、のしをつけるシーンは「誕生日」や「結婚・出産祝い」などの慶事と「謝罪」の時だそう。のしは本来“相手を敬う気持ち”を表すためにつけるものなので、謝罪の時でも必要になります。

のしが誕生したのは奈良時代。切って伸ばしたアワビの干物を天皇に献上していたことが始まりだといわれています。当時は“伸ばす”ことを“のす”と表現していたため、アワビの干物は「のしアワビ」という名称に。その後、相手への敬意を表す品物として贈り物に添える習慣が根づきました。

江戸時代には紙で装飾され進化を遂げた「のしアワビ」ですが、昭和になると戦後の物不足の影響やアワビの価格高騰により、紙に印刷したものを代用するようになります。よく紙全体をのしだと思っている人がいますが、実はのしの正体は右側に小さく印刷された飾り。のしが印刷された紙は“のし”ではなく、正確には“のし紙”なのです。

しかし、いくら相手を敬っていても「お葬式」や「香典返し」にのしをつけるのはNG。時代の移り変わりにより紙に変化したとはいえ、のしのそもそもはアワビを殺生したもの。“動物を殺生しない”という仏教の教えに反するものなので、お葬式や香典返しにはそぐいません。

また最近では、「病気を延ばす」「入院を延ばす」という意味合いから「お見舞い」の時にも“のし”をつけなくなっているそう。気になる人は、のしがついていない“掛け紙”をつけてくださいね。

MCを務める加藤浩次さんは、「恥ずかしいぐらい知らなかった! のし紙全部でのしだと思ってた」と感嘆しきりのようす。視聴者からも「今回はめっちゃ勉強になったわ」「見ながら『へぇー』を連発だよ」「マジで参考になる!」といった声が上がっています。

“内のし”と“外のし”の違い


【画像】“内のし”と“外のし”の違いってなに?


のしを使うシーンを覚えたら、“内のし”と“外のし”の違いも覚えておきましょう。内のしとは、のしの上から包装紙で包んだ状態。のしが汚れるのを防ぐため、宅配便で送る場合などに利用します。また控えめな印象を与えられることから、内祝いギフトを贈る際にも好まれているよう。

贈り物を直接持参する場合は、包装紙の上からのし紙をかける外のしがベスト。どんな目的で贈ったかが即座に伝わるため、結婚・出産祝いなど華々しい慶事の時にもよく使われます。

「石川県だと昔から内のしを使う」「結婚の内祝いは、和歌山だと朱書きの上で外のしだったことがある」といった声が上がるように、地域によってもどちらを選ぶかには違いがあるとのこと。自分が住む地域の習慣が分からない場合は、目上の方に教わっておくといいかも。

卒入学祝いや就職祝いなど、何かと贈り物をすることが多い今のシーズン。正しいやり方でのしをつけてくださいね。

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