料理はパズル vol.3-1「考えごとで家事を楽しむ」 山崎ナオコーラのエッセイ

#くらし 

雑誌『レタスクラブ』で連載中の山崎ナオコーラさんのエッセイ「考えごとで家事を楽しむ」をレタスクラブニュースでも特別公開!

家事に仕事に子育てに大忙しの毎日。実体験に基づいた言葉で語られるからこその共感や、生活を楽しむためのヒントが隠されています。

vol.3「料理はパズル」を4回に分けてお届け。今回は第1回目をお送りします。

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 電車に乗って、ふと、周りを見渡してみると、多くの乗客がパズルをしている。スマートフォン、あるいはガラケー、または雑誌や新聞を握りしめ、何かに集中しながら、細かく手を動かす。

 同じキャラクターを積み上げて消していくもの。上から落ちてくる奇妙な形を下の凹みに上手くはめるもの。空いているマスに数字を入れていくもの。空いているマスに文字を入れていくもの。複雑な絵を一筆書きでなぞるもの。

 覗くのは悪いが、自然と目に入ってくるものを気にするだけでも、いろいろな種類のパズルが世にあることがわかる。

 なぜ、パズルは尊ばれるのか? おそらく、人間は考えることを止められない生き物なのだ。そして、ほとんどの人間が悩みを抱えて生きている。その悩みから逃避するために、別の考えごとに手を出す。あるいは、たとえ好きなことでも、仕事や育児などの「人生の主軸」のことばかり考えていると疲れてしまうので、ときにはまったく大事ではない考えごとに時間を費やしてリラックスしたいのかもしれない。

(続く)

文=山崎ナオコーラ イラスト=ちえちひろ

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Information

■著者:山崎ナオコーラ
1978年福岡県生まれ。埼玉県育ち。2004年『人のセックスを笑うな』で作家デビュー。エッセイ集に『指先からソーダ』『かわいい夫』『母ではなくて、親になる』などがある。目標は「誰にでもわかる言葉で、誰にも書けない文章を書きたい」。初めての絵本『かわいいおとうさん』(絵ささめやゆき、こぐま社)も刊行。
山崎ナオコーラさんのTwitter

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