働くママに伝えたい! いやな仕事をプラスに変える3ステップ メンタリストDaiGoが教えるメンタル強化術(4)【連載】

#くらし   
仕事のストレスをプラスに変える方法とは?


「いやな仕事だな」と思って働いていると、余計にストレスになってしまうものですが、その仕事に意義を見出していくことによって、つらい仕事もたちまち自分を成長させる糧となります。そうなるために効果的な考え方と3つのステップとは――。

人間の心理に詳しい『ストレスを操るメンタル強化術』の著者でもあるメンタリスト・DaiGoさんに解説してもらいました。──全4回のうち第3回目をお送りします。

つらい仕事を成長につなげるマインドセットとは?


人間関係と同様、ストレスのもとになりがちなのが仕事でしょう。明らかに健康を害するレベルのブラックな職場なら、誰でも一刻も早くそこを離れることを考えます。問題は、「辞めるしかない」と踏ん切りがつくほどではない、しかし間違いなくつらい、というくらいの仕事でしょう。

「仕事が全然面白くない」「この仕事をすることに意味を見出せない」「自分が成長している実感がない」といった感覚が常態化した状態で働くのは苦痛でしかないはずです。

このようなストレスを味方につけるための方法がマインドセット介入なのです。これについては、スタンフォード大学助教授のアリア・クラムの研究が参考になります。ホテルの客室係に対して行った実験で、とても興味深い結果が出ているのです。

ベッドのシーツを替えたり、リネン類を補充したり、掃除機をかけたり、といったホテルの客室係の仕事は、大変な重労働だそうです。どれぐらいの運動量かというと、1時間におよそ300キロカロリーを消費するほどと言われています。ウエイトリフティングや水中のエアロビクス、あるいは時速5〜6キロ程度のウォーキングなどに匹敵するぐらいだと言われれば、かなりの運動量だとイメージできるでしょう。

実験では、客室係をAとBの2グループに分けています。

・Aに対しては、客室係の仕事がどれぐらいカロリーを消費してどれぐらい体にいいのか、続ければどれだけ健康になれるのかという説明をする。

・Bに対しては、そうした説明は一切なし。

その上で、仕事をこれまでどおり、普通に行ってもらいます。

この、同じ仕事をしていたはずの両グループを4週間後に調べてみると、大きな差が表れていました。Aグループ、つまり、客室係の仕事はハードな運動で、体にいいという説明を受けたグループだけに、体重と体脂肪の減少、血圧の低下といった変化が見られたのです。同じ仕事で、「この仕事は有益なエクササイズ」と説明され、マインドセットを変えられた人だけに、本当にエクササイズとしての効果が生じた、というわけです。

この方法は、つらい仕事をしている人が、仕事のストレスを成長のために役立てる際に幅広く応用ができます。たとえ日々の仕事にやりがいや面白さを感じられないとしても、「こんな仕事、なんの意味もないや」と思うよりは、「今はつらいけれど、自分のプラスになるはず」「この経験はあとで役に立つ」と考えるようにしましょう。

そうすると実際に効果が出てきて、成長につながるのです。もちろん、その仕事の効用、効果は具体的に自分に「説明」しなければいけません。

「単調な事務作業だからこそ、いかに短時間で終わらせられるかに日々チャレンジすることによって集中力が養える」「接客をしながらさまざまなタイプの人とうまくコミュニケーションする練習をしている」というように、仕事が自分を成長させるものであることをしっかりと意識するのです。そのためには、まずは自分の仕事を見直して、自分を成長させる要素、人生に役立つ要素はどこにあるかを見つけるようにしましょう。

強いストレスは3ステップでエネルギーに転換できる


仕事でのストレスを力に変えると言っても、実際にストレスを受ければつらく、苦しいのは当然です。マインドセットを変えればつらく感じなくなると言われても、強いストレスを受けたときにはそんな余裕はない、と感じているかもしれません。

そこで、これまでマインドセット介入を試したことがない人が、強いストレスを受けたときに使える実践的な方法を紹介しましょう。簡単な3ステップでストレスを利用できるようになります。

まず1つ目は、ストレスが自分にかかったことを認識すること。その上で、「自分は今、ストレスを感じて、体がこういう反応をしている」と考えるのです。たとえば、頭にカーッと血が上っている。心拍がドキドキバクバクと激しくなっている。吐き気がする。口の中が渇いている。視線がキョロキョロしているなど、体に表れたストレス反応のすべてを認識してください。

ストレスを感じると、どうしてもその要因だけに気を取られがちです。クレームを受けるときには相手の言葉に注意が集中してしまいますし、締め切りの迫った仕事が積み上がっているときには、さまざまなタスクのことで頭がいっぱいになってしまいます。このステップでは、そこから一歩引いて、「今、自分の体がどういう状態にあるのか」「自分がストレスを感じているときどんな体の反応が起きるのか」に意識を向けてみるのです。

2つ目のステップに進みましょう。ストレスを感じたということは、自分にとって大事なものが脅かされているということです。たとえば生命、身の安全、快適な環境、自由や自尊心、家族や友達などが脅かされる恐怖を感じていているからこそ、ストレスを感じるのです。

ということは、ストレスを感じたときには自分にとって本当に大事なもの、本当に求めているものを見分けられるということになります。そこで、「今、自分の大事な何かを脅かされているんだ。その大事な何かとはなんだろう」と考えてみましょう。

すると、自分にとって重要な価値、達成したい目標、理想としている自分の姿、といったものが見えてくるのです。自分にとっての大事なものはなんなのか、具体的に自身に問いかけてみる――これが2つ目のステップです。

つらい現状を未来への準備にする


私の知り合いの例も紹介しておきましょう。会社員の彼は、いつも残業が終わったあとの帰り道に強いストレスを感じていました。すでに、ストレスがかかっていることの認識はしていて、ステップ1まではできている状態です。そこで、なぜストレスを感じるのか、そこで脅かされる彼にとって大事なものとは何か、を考えてもらいました(ステップ2)。

彼は学生時代から起業に興味があり、クリエイティブなことが大好きなタイプです。本当は、オフの時間には見聞を広めたり、語学力を磨いたり、何かを創り出す準備をしたい。ところが、残業にすることによって、自分自身の夢を追う時間が脅かされている。それが、彼のストレスの原因だとわかりました。

そこまでわかれば、次はステップ3。どうすればストレスの力を利用して、夢を追う時間を作り出せるかを考えればいいのです。彼は、出社時間を変えたり電車の経路を変え、通勤電車で座れるようにしました。電車の中では、今までのように会社の資料を読むことなどはせず、英語の勉強など自分がやりたいことをやる時間にあてました。

この3ステップによって、自分のやるべき行動が見えてきて、実際に行動できるようになります。まずはストレスを認め、受け入れるところから始めるこのマインドセット介入なら無理なく実践できるはずです。

ストレスの反応を確認→自分にとって大事な何かが脅かされている。それは何か?→大事な何かを守るために、このストレスの力をどうやって使えるのか? この流れをいつも頭の中に置いておいて、ストレスを感じるたびに実践してみましょう。

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Information

『ストレスを操るメンタル強化術』

ストレスを操るメンタル強化術


この本は、メンタルが弱い人に、「強くなれ」と要求するような本ではありません。メンタルが弱い人だからこそ抱えているストレスや自分の「弱点」を活かして、無理なく強いメンタルを手に入れるメソッドを提案する本です。

▼単行本情報はこちらから

著者:メンタリスト DaiGo
ジェネシスヘルスケア株式会社顧問。新潟リハビリテーション大学特任教授。慶応義塾大学理工学部物理情報工学科卒。人の心を作ることに興味を持ち、人工知能記憶材料系マテリアルサイエンスを研究。英国発祥のメンタリズムを日本のメディアに初めて紹介し、日本唯一のメンタリストとしてTV番組に出演。現在では、企業を対象にしたコンサルティングやセミナー、プロダクト開発を手がけ、作家、大学教授としても活動している。ビジネスや話術から、恋愛や子育てまで幅広いジャンルで人間心理をテーマにした著書は、累計200万部を超える。

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