年金ってホントにもらえるの? 気になる年金の「ホントのところ」

#くらし   
年金ってホントに もらえるんですか?


働き盛りの世代は「将来、年金ってもらえるの?」「もらえるならどれくらい?」「それだけで暮らせるの?」…など、漠然とした年金の不安をずっと抱いていますよね。その答えは…「国がなくなったり、制度が変わらないかぎりはもらえます。」というのが原則。しかしこの回答には次のような続きが「ただし、額は減る方向に。」やはり不安の残る年金について、経済評論家で株式会社マイベンチマーク代表取締役の山崎元さんと、ファイナンシャルプランナーで株式会社生活設計塾クルー取締役の深田晶恵さんに教えていただきました。

年金は、現役世代が払う年金保険料と税金から支給されます


国の年金は企業の年金(厚生年金基金など)とはしくみが違います。企業の年金は企業と社員が分担して払った保険料を積み立てておいて、後でもらうタイプなので、基金の運用がうまくいかないと破綻することもあります。しかし国の年金は、現役で働いている人が払う年金保険料と税金をベースとして払い、そこに、これまでの保険料の一部を給付に充てずに積み立てた、積立金の運用益を取り崩してプラスしていきます。仮に積立金が全くなくなっても、将来の支給額の8割以上を確保できる計算になっています(山崎さん)。

【図を見る】年金システムの仕組み


支給額が減るのは、将来年金保険料を納める人が減るから


 年金は、「年金制度」という「丼どんぶり」にみんなでお金を入れ、それを分けていくようなものです。その時代に働いている人がお金を入れ、年金生活に入った人がそこからお金をもらいます。少子化で将来、丼にお金を入れる人が減るため、もらえる年金の額が減りそうなのです。一部のパート主婦の厚生年金加入などの制度改正は、丼にお金を入れる人を増やすため。子世代にツケを回さないために、制度を支える人を増やすことが大事です(深田さん)。

支給額が減る理由


今の60代はいっぱいもらっているのに、私たちは少ないって、ずるい…。


60代以上は逃げ切り世代のような印象がありますが、そもそも日本の年金制度は、現役時代の収入の1 00%を保障するものではありません。公的年金は生きているかぎりはもらえますから、老後はそれをベースに現役時代に貯めたお金で補塡して暮らしていくという大前提は、今も昔も変わりません。この先、制度自体が見直されるかもしれませんが、自分が受け取れる年金額をできるだけ増やしつつ、貯蓄もしていくことが大切になります(深田さん)。

老後の生活を支えるお金


☆POINT☆そもそも年金は、老後の収入のすべてを保障するものではないんです。

年金額が少ないと暮らしていけない!今、月に30万円以上も支出があるのに。


総務省の家計調査では、老後の生活費は大体現役時代の70%くらいです。老後の支出を今の70%と想定して、今どのくらい貯めておくべきか試算してみましょう。インターネットで「人生設計の基本公式」と入力して検索すると、私が考案した計算式が表示されます。この必要な項目に入力していくと、今しておくべき貯蓄率が計算できます。現役時代の70%で暮らす前提でも、がんばって貯めないと老後資金が足りないことが分かるでしょう(山崎さん)。

現役時代と老後の生活費の比較


☆POINT☆老後は、今の支出の約70%と考えて。

イラスト=村田エリー 取材・文=生島典子 監修=山崎元、深田晶恵

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Information

教えてくれたのは:山崎 元さん
経済評論家、株式会社マイベンチマーク代表取締役、楽天証券経済研究所客員研究員。著書に『お金で損しないシンプルな真実』(朝日新聞出版)など多数。

教えてくれたのは:深田晶恵さん
ファイナンシャルプランナー、株式会社生活設計塾クルー取締役。著書に『サラリーマンのための「手取り」が増えるワザ65』(ダイヤモンド社)など多数。


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