つくろいもので癒される vol.9-3「考えごとで家事を楽しむ」 山崎ナオコーラのエッセイ

#くらし 

雑誌『レタスクラブ』で連載中の山崎ナオコーラさんのエッセイ「考えごとで家事を楽しむ」をレタスクラブニュースでも特別公開!

家事に仕事に子育てに大忙しの毎日。実体験に基づいた言葉で語られるからこその共感や、生活を楽しむためのヒントが隠されています。

vol.9「つくろいもので癒される」を4回に分けてお届け。今回は第3回目をお送りします。

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 そのあと、流産や、父の死を経験し、うつうつとした日々を過ごした。その時期の助けとなったのが、編み物だ。

「とにかく時間が早く過ぎるようにしたい」と思ってユザワヤで毛糸を買い、たちまち夢中になった。

 手を動かしていると、考えが暗い方向から離れる。スポーツみたいに「前向きに、明るく」という思考までにはならないが、規則的な動きによって、一時間前まで「なんであのとき、ああしてしまったんだろう」「苦しい、つらい」ということで埋め尽くされていた頭が少しずつ整えられて、「俯瞰(ふかん)して見れば、あの行動は結果に関係していない」「苦しいままでも、生きていける」と癒されていく。

(続く)

文=山崎ナオコーラ イラスト=ちえちひろ

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Information

■著者:山崎ナオコーラ
1978年福岡県生まれ。埼玉県育ち。2004年『人のセックスを笑うな』で作家デビュー。エッセイ集に『指先からソーダ』『かわいい夫』『母ではなくて、親になる』などがある。目標は「誰にでもわかる言葉で、誰にも書けない文章を書きたい」。初めての絵本『かわいいおとうさん』(絵ささめやゆき、こぐま社)も刊行。
山崎ナオコーラさんのTwitter

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