目指すは「脱LDK」! 多様化する生活スタイルに合わせられる“ファミリースイート”って?

#くらし   

賃貸でも購入する場合でも、家を探すときに必ず確認する「LDK」。しかしこの「LDK」という機能別の分け方は、本当に現代の生活に即しているでしょうか? 筆者も改めて考えてみると、何となく「部屋が〇個ある感じかな」くらいの認識であるように思います。

そんな「LDK」という考え方を見直そうと、2018年10月3日(水)、茨城県にある積水ハウス(株)関東工場 住まいの夢工場にて、『脱LDK!我が家だけのファミリースイート「幸せ」研究の成果と「先進技術」で実現した大空間リビング「IS ROY+E Family Suite」説明会』が行われました。

執行役員 総合住宅研究所長・石井正義さんによる挨拶


本説明会は、従来の家の形「LDK」という概念を離れ、空間をもっと自在に広々と活用できる新しい形の大空間リビング「IS ROY+E Family Suite(ファミリースイート)」を提案するもの。

挨拶のあと、まずは住生活研究所長・河崎由美子さんが「住めば住むほど幸せ住まい」という、時間軸で見渡し、幸せを創造・提供するというコンセプトについて説明されました。

住生活研究所長 河崎由美子さん


積水ハウスは今、「安心・安全・快適」などの従来からの研究テーマに加え、「すこやか・つながり・私らしさ」など住まいを“我が家だけのファミリースイート”にしていくための研究テーマを加えているそう。

この“ファミリースイート”を実現するには、まず「LDK」からの脱却が必要だと河崎さん。LDKは、元々戦後の公団住宅で寝食分離を目指したDKプランにLが加わったもの。半世紀以上経過した今、家族のあり方も生活スタイルも大きく変化しています。そこで今の時代に合うよう、各家庭で自在に空間をデザインできるように仕切りを少なくし、用途を限定しない大きな広間を設けるという形に至ったそうです。また、“人生100年時代”に適応できる、ライフステージが変わっても快適に住み続けられる住まいにしていく必要もあります。

そして「家族一緒に」というと“一緒に何かをしている”状況を思い浮かべがちですが、“一緒にいながら別々なことをしている”状況の方が実は多いのだとか。つまり、1人の時間も大事なのです。言われてみると、スマホやPCを使う、仮眠する、読書をする、といった思い思いの行動をしている時間も、“家族一緒”の時間。これらすべてを快適に実現するには、広い空間であるということが外せないのだとか。

そしてこの“ファミリースイート”を実現しているのが、標準のはりに比べて約10倍の曲がりにくさを持つ「ダイナミックビーム」、そして高い断熱性を誇る「ぐるりん断熱」と「超高断熱アルミ樹脂複合サッシ」という技術だそうです。

ダイナミックビーム実物


▲10倍の強度をもつという「ダイナミックビーム」

これらの技術によって、構造上必要な柱が減り、安全性を保障しながら広い空間を作ることが可能になったとのこと。

プレゼンテーションのあとは、実際のモデル棟や施設「住まいの夢工場」を見学。

柱や壁の少ないモデル棟の様子


モデル棟の中は、ダイナミックビームのおかげで柱や壁が少ない解放感のある空間になっていて、家具や棚の配置によって部屋を自在に変えられる広々とした住まいが実現されていました。

二階部分から見た光景


▲階段周辺も開放的で、部屋の一部として、デザインとして成立しています。

外気を防ぐ「超高断熱アルミ樹脂複合サッシ」


また、「外の気温が0度」という設定にされた部屋では、一般的な窓と「超高断熱アルミ樹脂複合サッシ」の違いを目で確認。前者は結露し周囲の気温も下がっていましたが、後者はまったく結露せず、冷たい外気を見事に防いでいました。

多様化している今に合った住まいの形を、という積水ハウスの「脱LDK」という取り組みは、高い技術と細やかな研究によって成り立っています。家族の在り方や生活スタイルの変化がめまぐるしい近年、それに対応できるよう、住まいも変化させていく必要があるようです。

取材・文=月乃雫

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