これでうまくいく! 片づけ前の下準備2ステップ モノを元に戻す技術(7)【連載】 画像(1/2) モノの選別をする前に、心の準備を整えましょう

インターネットなどから日々発信される情報に振り回され、いらないモノにも関わらず、整理整頓に、多くの時間を費やしている、現代を生きる女性たちへ。「シンプルライフ」の体現者で、ベストセラー作家のドミニック・ローホーさんが満を持して贈る、豊かな人生を手に入れるための片づけ術のすべて。

片づけをすることによるメリットから、片づけの準備に至るまでの段階を『モノを元に戻す技術 片づいた部屋があれば、大抵のことはうまくいく』から全11回までお届けします。今回は第7回目です。

選別するための心の準備

【自分の部屋は第二の肌のようなもの】

"ごてごてした部屋が穏やかな精神状態の表れであることはめったにない。

フレデリック・サルマン博士

『Le Grand Ménage(大掃除)』(未邦訳)"

よりほっそり見せたいからといって、脂肪をゆったりとしたセーターの下に隠すだけでは十分ではありませんね。片づけるためには、役に立たないものや使っていないもの、またはあまり好きではないものを目につかないところに押し込むだけでは、一時しのぎになるだけです。つまり、「大片づけ」は必ずこの鍵となるステップである「処分する」ことから始めなければならないのです。

整理整頓のいちばんの大敵が、役に立たないものや流行遅れのものを溜め込むことだということはおわかりでしょう。矛盾しているようですが、もっとも片づけ上手な人たちが、「マキシマリスト(ミニマリストの反対)」だということもあります。マキシマリストたちはあまりにも溜め込むのが好きなので、その悪い癖を隠すために「まちがった」整理整頓術の名人となるのです。彼らは整理整頓がスペースの節約になることを誰よりもよく知っています。そして彼らにとってスペースとは、より詰め込むことのできる場所の一つなのです。たしかに彼らの室内は一見片づいているようですが、うず高く積み重ねたお皿の奥に追いやられているクリスタルグラスを使いたいときには何が起こるでしょうか? しかもそのお皿の山は、たくさんのナプキンリングや2本のピッチャー、それに小鉢をいっぱい載せたトレイを取りだしてからでないと手が届かないのです。

「整頓」できる人の中には、実は「捨てる」ことのできない人もいます。彼らがモノを積み上げる術を身につけているとしたら、それは彼らがそれらのモノを使っていないからなのです! 出しっぱなしになっているものは何もないけれども、戸棚を開けたらガラクタの山がどっさりとあるこうした部屋よりも、一見散らかっていそうな場所のほうが実は片づいているということさえあるのです。

【片づけの下準備 第一ステップ― 理想の部屋を視覚化する】

"人間は膨大な数のものを溜め込むことができたが、世界の喜びは小さくなったのだ、とゾシマは指摘した。

ドストエフスキー

『カラマーゾフの兄弟』"

さあ、整理し直すのです。これを最後に、あなたの部屋を、さらにおそらくあなたの人生をも、整理することになるかもしれません。けれどもそのためには、行動を起こす前の最初のステップが不可欠。あなたが暮らしたいと思う理想的な部屋を視覚化するのです。そのために、あなたが今住んでいる家を最初に訪れたときのことを思いだしてみてください。まだ空っぽで、あらゆる可能性があったときのことを。

あるインテリアアドバイザーは、次のようなことがあったと報告しています。あるお年を召した女性が、汚くて散らかり放題の部屋に住むことにもう耐えられなくなり、彼女に助けを求めました。アドバイザーがその女性に自身の理想の暮らしはどのようなものかを尋ねたとき、お年を召した女性の顔が輝きました。「バラ色のベッドカバーと白いランプシェードのあるお部屋で、少女のように楽しく暮らしたいわ。お部屋に植物のいい香りが漂っていて、ほんのりと優しい香りが立ちのぼるハーブティーをいただきながら、クラシック音楽を聴くの。絨毯の上にヨガをするスペースがあって、そうやって体重を落とし、かつてのボディラインを取り戻したい。幸せになりたいのよ」

では、あなたにとって、実現可能な範囲での理想の暮らしはどのようなものでしょうか? もしまだぼんやりとしかわからないなら、インテリアなどの雑誌をめくってみてください。じっくりと考え、想像してください。大切なのは、自分が望むものを正確に知ることです。もちろんスタイルや欲望を混ぜ合わせたりせず、たしかで完璧な好みを持つ必要があります。タジン料理と中国のお椀、それに銀製のフォークを組み合わせるのはあまりにちぐはぐですね。

つまりこの片づけ作業では、まず、自分の頭のなか、またはノートに作ったリストのなかに答えを見つけなければなりません。そうすれば、まるで魔法のように、すべてが容易で、幸せに楽しく運ぶことでしょう。

【片づけの下準備 第二ステップ― 自分の時間を確保し、一人で行動する】

"幸せは行動によって生まれる。つまり、行動するために幸せになるのを待っていてはいけないのだ。行動することによってのみ、幸せになれるのだから。

シルヴァン・テッソン"

まず、この大がかりな片づけのための正確な日付をスケジュール帳に書き込みましょう。短い期間、ここで1時間、あそこで1時間と取り組むよりも「真の片づけ作業」に取りかかったほうが、より効果的です。そして、自分で決めたその期間は、一人で落ち着ける状態で、この作業を唯一の仕事として(ただの優先順位の一つとしてではなく)取り組むようにしておかなければなりません。たとえ配偶者や子どもたちを義母に預けなければならないとしても、半日か1日、さらにはもしそうすることができて必要なら丸3日ほどを見積もっておきましょう。その間、夕食会や通院、その他の予定された外出がないようにしてください。

もう一つ重要な点があります。「処分する」というこの段階では、取っておくか捨てるかを決めるときに誰かの影響を受けないために、一人で行動できることが望ましいです。ほかの人のものだけは、その人の同意が必要かもしれません。ただし、彼らがあなたにそれらのものの片づけやクリーニング、維持管理などを託すなら、その運命を決めるのはあなたです。あるいは、事前にそれらのものの所有者にあなたの計画の意図を伝え、彼らによく考える時間を取ってもらいましょう。

【捨てることは情熱にもなりうる】

"しかし別れは突然やってくる。

(中略)

―死にたい…

ああ…、見える…

私のお葬式…

さようなら皆さん

私はいつ泡になって消えてしまってもいいようにします

そのためにも見られちゃマズいものは捨てよう……

17歳にして生前整理を始める。

もくもくと捨てるものを探す。

かきかけのマンガ

写りの悪い写真

友達とのイタイ手紙

古びた下着…etc

やっとの思いで処分。

すると心に変化が…

なんでだろ? 悲しいはずなのに

気持ち良い

!!

(中略)

捨ての快感を知った記念すべき失恋だった。

ゆるりまい

『わたしのウチには、なんにもない。

「物を捨てたい病」を発症し、今現在に至ります』"

もし過去のものを溜め込んで今を生きる場所がなくなるなら、過去のものを取っておいて何になるでしょう? モノが山積みの環境で成長した人は、必然的にいつもモノをなくしています。それでも、モノの数は減りません。もし本当に捨てることができないなら、最初はトランクルームを借りて、もう使わないものを数ヶ月間しまってください。のちに取りだしたとき、持っていたいと思う可能性はほとんどないことでしょう。トランクルームを借りることは、たしかにお金のかかることかもしれませんが、利用することでよく考える時間ができます。それに、数週間、または数ヶ月経って忘れてしまったものには、別れを告げることもできるようになります。

次に、「捨てることはむだ遣いだ」という考えを乗り越える訓練をしてください。真のむだ遣いは、なくなったものや役に立たないもの、不幸なものについて考えることで頭をいっぱいにすることです。カビが生えないように、ネズミに食べられないように、または盗まれないようにと気をつけなければならないということです。また、ご存じのとおり、必要以上に経費を支払わなければならないということでもあります(家賃、地方税、不動産税、保険、盗難システムなど)。

必要最小限のものだけで生きるということは、軽やかに幸せに自由に生きるということ。これを理解したとき、少しずつ捨てることができるようになるでしょう。そしてそれは魔法のようなことです。

最後に、あるものが必要かどうかを知るための究極の試金石をご紹介しましょう。それは、そのものの有用性について迷いがあるなら、それは必要なものではないということです。もし本当に有用なものなら、自問することすらないでしょうから!

著=ドミニック・ローホー 翻訳=笹根 由恵