片づけるモノに対しての考え方 モノを元に戻す技術(9)【連載】 画像(1/2) 行動を起こすのに必要な“下地作り”とは

インターネットなどから日々発信される情報に振り回され、いらないモノにも関わらず、整理整頓に、多くの時間を費やしている、現代を生きる女性たちへ。「シンプルライフ」の体現者で、ベストセラー作家のドミニック・ローホーさんが満を持して贈る、豊かな人生を手に入れるための片づけ術のすべて。

片づけをすることによるメリットから、片づけの準備に至るまでの段階を『モノを元に戻す技術 片づいた部屋があれば、大抵のことはうまくいく』から全11回までお届けします。今回は第9回目です。

選別するための具体的な準備

【モノに魂が宿っているとしたら?】

"瞑想とは、12年間洞窟の中でただ座っていることではない。瞑想とは日常生活なのだ。

ヴィッキ・マッケンジー

インタビュー"

それでは、まず腕のいい職人のように、行動するのに格好の下地作りをしていきましょう。最初のステップは、モノをグループごとに集め、キャビネットや整理箱などを準備することでした。第二のステップは、ある種の精神状態に没頭すること。つまり、目の前にある自分が所有しているものそれぞれに、一つももらさず、一つひとつ注意を払うことです。

この方法はいささか「日本的」です。日出ずる国は神道の国です。神道では石の一つひとつ、または雨や水、風などの自然現象の一つひとつ、さらにはありとあらゆるものの一つひとつに魂が宿っていると考えられています。日本人は、自分が気に入っているかどうかにかかわらず、一つひとつのモノに注意を払う価値があると思っているのです。

モノはあなたの暮らしに偶然入ってきたのではありません! そのモノがあなたの家であなたと共に存在し続けるべきかどうかを決断する時です。静寂のなか、手順どおりに集中して行動しましょう。ラジオやテレビ、またはステレオを消してください。あなたの耳に入るものは、あなたの注意をそらしたり、ラグの上以外のどこかへあなたを連れていったりするかもしれません。ですから、この選別をしているあいだじゅうずっと、次の呪文を忘れないでください。

「私は必要不可欠なものと本当に喜びをもたらしてくれるもの以外のすべてを取りのぞく。それ以外のものはゴミでしかなく、私の暮らしの流れを滞らせる邪魔なものでしかない」

また、あなたが処分したいものをピエールだのポールだのにあげようという考えも忘れてください。まわりの人を悩ませることは親切ではありません。あまりにも優しい人や気の弱い人は、差しだしたものを受けとってくれますが、果たして彼らは自分でそのモノやその服を選ぶでしょうか? どこかの団体に寄付するか、捨てるほうがよいのです。

【一つひとつのモノについて考える】

重複して持っている二つのモノのどちらかで迷ったら、いちばん小さく、いちばん軽いものを選びましょう。そして、モノもあなたと話すことができると想像して、一つひとつのモノと対話しましょう。そのモノがあなたの家にいて幸せかどうか、大切にされていると感じるかどうか、手入れされていると感じるかどうか、役立っていると思うか、価値を認めてもらえていると思うかどうか、尋ねてみてください。そのモノはほかのところにいたいと思っているかもしれません。存在するのに疲れて、ただ単に消えたいのかもしれません。

クローゼットや地下室、さらにはトランクルームの奥に押し込まれたものは、どれも不幸かもしれません。あなたがそれらを不幸にしているのです。それに、あなたは大好きなものとだけ生きるという自らの本当の幸せとは逆の行動をしているのです。

あなたがそれに関心がないなら、そのモノたち(ぬいぐるみや手編みのマフラーなど)は、自分たちがいないほうがあなたが今より幸せになれることを理解してくれるはずです。それらのモノを手に入れたとき、またはもらったときや生みだしたときにそれらのモノがあなたにもたらしてくれた幸せに感謝し、別れを告げましょう。

もし本当に処分することができないモノがあるなら、小箱の中にそのモノの場所を用意してください。ただし、入れる箱はあまりかさばらないものにしましょう。限りない集中力を持って、この大がかりな選別がなされたのなら、この先ずっとその経験はあなたの中に刻まれるはずです。その経験は、今後好ましからざるモノに二度と囲まれないために、役立つでしょう。

自分が持っている一つひとつのモノを愛し、尊重してください。袋の中や整理箱の奥に、モノを不幸なものとして寝かせておくことはもうやめましょう。モノはそんなふうに扱われる以上に価値があるはずです。

著=ドミニック・ローホー 翻訳=笹根 由恵