世界一のろまなサメが世界一長寿の脊椎動物だった ! 眠れないほど面白い地球の雑学(49)【連載】

地球はどうやって生まれたのか。気になりませんか? 人間の身体の知られざる秘密など、思わずだれかに話したくなる理系のウンチクで、あなたの雑談を‟スケールアップ"!
『人類なら知っておきたい 地球の雑学』から、第49回目をお送りします。
◇◇◇
世界一のろまなサメが世界一長寿の脊椎動物だった!
これまで、もっとも長寿であることが確認された脊椎動物は、211歳のホッキョククジラだった。ところが、デンマークのコペンハーゲン大学などの研究チームが、推定392歳の脊椎動物を発見した。
その動物は、ニシオンデンザメ。北極海の深海が生息域なので日本人にはあまりなじみがないが、その特徴は"のろま"の一言に尽きる。体長は4~6メートルあり、一般的には大型の魚ほど泳ぎが速い傾向があるというのに、ニシオンデンザメは時速1キロ程度と人間の歩みより遅い。ふだんは海の底を「泳ぐ」というより「漂っている」のだが、尾びれを左右に1往復振るのに7秒もかかっている。
成長するのも遅く、1年に1センチメートル程度。これで体長4~6メートルにもなるのだから、さぞ長生きしているのだろうとかねてから考えられてはいた。しかし、サメには軟骨しかないため、従来の方法では年齢が測定できなかった。
そこで研究チームは、目の水晶体のタンパク質に含まれる放射性炭素から、28匹のニシオンデンザメの年齢を測定してみた。すると、なんと392歳の個体がいたのである。
ニシオンデンザメの長寿の秘訣は、低温の中であまり動かないため代謝が少ないこと。しかも、大きな体で海の底にいるので天敵がいない。その肉には毒があるといわれ、人間にも狙われることがない。
そんなにのろまでエサが獲れるのだろうかと心配になるが、ニシオンデンザメはエサを求めて浅瀬に上がると、口に入るものなら何でも食べる。のろまさゆえに、アザラシやホッキョクグマの新鮮な死骸をも食べていると思われる。
しかし、のろまさゆえの困ったこともある。メスが成熟するまで150年もかかるため、個体数が増えず、種の存続が危ぶまれているのだ。
長寿の秘密を探るためだけではなく、早急な保護が求められている。
※写真はサメのイメージ画像です。
著=雑学総研/「人類なら知っておきたい 地球の雑学」(KADOKAWA)
Information
人類なら知っておきたい 地球の雑学
思わず誰かに話したくなる「理系のウンチク」が満載! 職場で家庭で、日々の「雑談」に役立つ、動植物・天体(太陽系)・人体・天気・元素・科学史など、「理系ジャンルネタ」が存分に楽しめる必読の一冊です!
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著者:雑学総研
珍談奇談の類から、学術的に検証された知識まで、種々雑多な話題をわかりやすい形で世に発表する集団。江戸時代に編まれた『耳袋』のごとく、はたまた松浦静山の『甲子夜話』のごとく、あらゆるジャンルを網羅すべく、日々情報収集に取り組んでいる。
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