古今東西100人の天才たちが実践していた「習慣」から、その成功法則を導き出せ!芸術家やアスリート、学者に起業家など、歴史に名を残す「超一流」の天才たちが実践していた「習慣」から、彼らの人生哲学やマイルールを読み解きます。すぐに真似できる「習慣」で、今日からあなたも目指せ天才!

※この記事は『すぐに真似できる天才たちの習慣』(KADOKAWA)からの抜粋です。


 「ハードロックをガンガン聴きながら仕事を進める」スティーヴン・キング 天才の習慣(2)【連載】 画像(1/1) 「ハードロックをガンガン聴きながら仕事を進める」スティーヴン・キング 天才の習慣(2)

音楽をガンガン聴きながら仕事を進める


【スティーヴン・キング Stephen King】

(1947 ~ )アメリカの小説家。少年時代より恐怖小説の虜(とりこ)となり、大学1年生の時に初となる作品を発表。1974 年、長編小説『キャリー』を発表し、一躍脚光を浴びた。以降、『シャイニング』『バトルランナー』『ペット・セマタリー』『ミザリー』『グリーンマイル』などのベストセラーを上梓。作品の多くはその後映画化ないしテレビ化されている。彼が描く世界は大きく分けると2つあり、「日常的な事柄から作り出される恐怖」と「巨大化して統制が取れないアメリカの組織」に関することである。


◆この天才の名言◆

「文章はあくまでも血の滲(にじ)むような一語一語の積み重ねである。」

「毎日きちんと書かないと、頭の中で人物が張りをなくす。」

「だいたい、読者は文学的価値で作品を選びはしない。飛行機で読める肩の凝らない小説を買うのである。」


「モダン・ホラーの開拓者」が続けている小説作法とは?

『 キャリー』『シャイニング』『IT』といったホラー作品の他、『スタンド・バイ・ミー』『グリーンマイル』といった感動作も手掛けるモダン・ホラーの開拓者スティーヴン・キング。彼の紡つむぐ物語は世界中で翻訳されており、日本における人気も高い小説家です。


キングのプロの小説家としてのキャリアは長編小説『キャリー』の原稿が1973年に出版社に売れたことではじまるので、およそ半世紀になります。そんな彼は、どのようなルーティンで小説を書いているのでしょうか?


彼自身の手による『小説作法』によると、午前中は取りかかっている作品を進めること、午後は昼寝と手紙の返事を書くこと、夜は読書と家族の団欒(だんらん)に費やしているそうです。そして残りの時間で、メジャーリーグ・レッドソックスのテレビ中継を観て、急ぎの仕事があれば進めます。したがって、キングの執筆時間は午前中に限るということになります。


キングが執筆活動を進めることにおいて重要視しているのは、書斎の在り方です。この点に関して、彼は同書で以下のように述べています。「なるべくなら、書斎に電話はない方がいい。テレビやビデオゲームなど、暇潰しの道具は論外である。窓はカーテンを引き、あるいは、ブラインドを降ろす。(中略)作家すべてに言えることだが、特に新人は気が散るものをいっさい排除すべきである」[※1]

[※1]『スティーヴン・キング 小説作法』スティーヴン・キング著、池央耿訳(アーティストハウス)



執筆の妨げになるようないっさいの物を排除し、気が散る要素を極力なくす。仕事に取りかかる前に、キングはそれらのすべてを机の上から片付けてしまうそうです。


彼が仕事をする上でさらに実践していることが、音楽をガンガン鳴らしながら書くということです。


彼が好きなのはAC/DCやガンズ・アンド・ローゼズといったハードロックで、中でもお気に入りなのはメタリカだそう。メタリカといえば、日本でもファンが多いヘヴィメタル・バンドです。


スティーヴン・キングとハードロックやヘヴィメタルは、一瞬結び付かないイメージがありますが、意外とこれが集中するには有効のようです。実際に音楽をかけながら仕事をすると分かるのですが(特にイヤホンで聴きながら)、程良い大きさで音楽を聴いていると、「聴いているのに聴いていない状態」になることがあります。


仕事がある程度進んで、改めて音楽に意識を立ち戻らせてみると、あっという間にアルバム1枚分が終わっていた、あるいは、なぜか数曲進んでいたということもあるはずです。


このことを当のキングは、「ドアを閉じる手段の一つ」と表現しています。この時彼のいう「ドア」とは実際の建物の扉ではなく、「心の扉」を指していると理解するのが妥当でしょう。


そして彼は、このことについてこう記して、自分の執筆習慣についてまとめています。

「書く時は世界を締め出したい」


小説家になるための2つの大切なこと

スティーヴン・キングは、小説を書く時に絶対に怠(おこた)ってはならないこととして、「よく読み、よく書く」ことを挙げています。


彼は年間で70 ~ 80冊の本(ほとんどが小説)を読むそうですが、それは自作のヒントにするためではなく、純粋に読みたいからだそうです。


しかし、読めば何かしら自作に影響を与えることが当然ながらあるといい、特に「出来の悪い作品に教えられることが多い」といいます。それは、下手な作品は「してはならないこと」を教えてくれるからで、いわば反面教師として彼には捉えられているということでしょう。


一方で、『怒りの葡萄』のような世界的な名作を読んだ時は、「こんな傑作は書けっこない」と打ちひしがれるものの、心を叱咤(しった)し、書く意欲を新たにしてくれる機会にもなるといいます。


スティーヴン・キングのような世界的なベストセラー作家であっても、確固としたルーティンがあるということが分かります。


ちなみに、彼は冬になるとフロリダで過ごしているのですが、休暇中の彼の好みはシンプルで、アメリカやカナダで有名な「モーテル6」に宿泊し、レストランチェーンストアの「ワッフル・ハウス」で食事をするのが好きなのだとか。「僕を喜ばせるのは簡単だよ。州と州の間くらいに、外に座って本を読めるイスがあるモーテルの部屋さえ用意してもらえば、それだけですごく幸せなんだ」


【プラスα】読書を素早く済ませる方法

読書を素早く済ませるコツとしては、(1)言葉を1つずつ読まない、 (2)視線をなるべく速く動かす、 (3)頭の中でも唇を動かさない、といったものがあります。字面ではなく、本が伝えたいことをまとめて捉え(1)、目をいちいち止めずに読み(2)、頭の中で言葉を「口にしない」(3)ことが大切です。そして、1分間でどれだけ読むことができるのか、時間を計ってみて、自分で読書のスピードを客観的に理解しておくのもよいかもしれません。


著=教育総研