古今東西100人の天才たちが実践していた「習慣」から、その成功法則を導き出せ!芸術家やアスリート、学者に起業家など、歴史に名を残す「超一流」の天才たちが実践していた「習慣」から、彼らの人生哲学やマイルールを読み解きます。すぐに真似できる「習慣」で、今日からあなたも目指せ天才!

※この記事は『すぐに真似できる天才たちの習慣』(KADOKAWA)からの抜粋です。


「超多忙に部下や同僚よりもハードワークをこなす」イーロン・マスク 天才の習慣(4)【連載】 画像(1/1) 「超多忙に部下や同僚よりもハードワークをこなす」イーロン・マスク 天才の習慣(4)

部下や同僚よりもハードワークをこなす

【イーロン・マスク Elon Musk】

(1971 ~ )アメリカの実業家・投資家・エンジニア。宇宙ロケットベンチャー「スペースX」共同設立者兼CEO、電気自動車ベンチャー「テスラモーターズ」共同設立者兼CEO、太陽光発電ベンチャー「ソーラーシティ」会長。スタンフォード大学大学院に入学するも2日で退学し、ウェブサイト運営を支援するベンチャー「Zip 2」を弟と共同で設立、また、同社を売却して得た資金で「Xドットコム」を設立。同社はのちに「ペイパル」となった。世界でもっとも影響力のある人物の1人。


◆この天才の名言◆

「私たちは世界に役立つことをしている。それが一大事。」

「『恐れ』は理にかなったものとして無視する。理にかなっていたとしても、前に進むのが遅くなるからだ。」

「超多忙であれ。」


いつもデスクやテーブルの下で寝ていたイーロン・マスク

イーロン・マスクという人物の名前をご存じでしょうか?


最近、ビジネス誌や書籍などにたびたび取り上げられることはありますが、実際にどういうことをしている人なのか、いまいち分かりにくいと思います。


イーロン・マスクは、アップルの故スティーブ・ジョブズ、アマゾンのジェフ・ベゾス、フェイスブックのマーク・ザッカーバーグなどとともに、世界をリードする企業の設立者の1人に数えられますが、彼のやろうとしていることを一言で表現するならば、「未来をつくること」といえるでしょう。


「人類を火星に移住させる」「打ち上げに使用するロケットは何度も再利用できるようにする」「ガソリン車を地球上からすべてなくす」といった考えは、一度聞いたときには「そんな荒唐無稽(こうとうむけい)なことを……」と思われがちですが、2015年には打ち上げた宇宙ロケット「ファルコン9」の1段目ロケットが歴史上はじめて無事に着陸し(無人船上に垂直に降り立った)、テスラモーターズが開発したEVスポーツカー「ロードスター」は開発第1号からすでに最高速度210キロを記録し、走行距離も一度の充電で394キロという偉業を達成しました。


彼が関わっている企業が成し遂げているのは、まさに「未来をつくること」であることがこれらのことからも分かります。


では、このような世界をリードする企業のトップであるイーロン・マスクという人物はどんな働きぶりなのかというと、実はこれが意外と単純です。


実は彼は、「ハードワーカー」なのです。


アメリカのビジネスや技術ニュースの専門ウェブサイト「ビジネス・インサイダー」によると、テスラモーターズで働く社員は「いつもそこにいるかのように働くCEOのイーロン・マスクほど、長時間働いている人間はいない」と語っています。


しかも彼らは、デスクやテーブルの下で丸まって寝ているCEOの姿をよく見かけるといいます。イーロンは同社において「ほとんど寝ない超人」として捉えられているのです。


製造技術のリーダーであるミゲール・カレラは、こう述べています。「彼はいつも会社にいる。誰もが、彼が机の下で寝ている姿を見たことがある。突然、皆が部屋から出ていくから、見てみると、誰かが机の下に丸まっている。イーロンだ」[※1]


ただし、イーロンももちろん1人の人間です。自身の発言をきっかけにしてテスラモーターズの株価が急落した2018年は特に精神的に疲れていたようで、時々、睡眠導入薬を飲んでいることを認めています。


[※1]「BUSINESS INSIDER JAPAN 」(2018 年9月14 日付)


「超多忙であれ」とスピーチした彼の真意とは?

2014年、イーロン・マスクは南カリフォルニア大学マーシャル経営大学院にて卒業スピーチを行ないました。その際に彼の口から語られた内容は、彼のハードワーカーぶりを証明するものとなっています。


彼はスピーチの冒頭で、卒業生に向かってこう述べています。「まず言いたいことは、『超多忙であれ』ということです。何を仕事にするかにもよりますが、特に最初の職場ではとにかく忙しく働く必要があります」


イーロンが弟とZip 2を起業した時、彼らは小さなオフィス代わりに借りたアパートで寝泊まりし、シャワーはYMCA で済ませていました。イーロンはいいます。「起きている時は常に働く。特に起業する人にはいっておきたいことです。他が週に50時間働くなら自分は100時間働く。そうすると会社としては、本来の2倍仕事量をこなせたことになります」


イーロンが創業した会社のように、世界をあっと驚かせる製品やサービスを構築するには、生半可ではない努力が必要になってきます。「他が週に50時間働くなら自分は100時間働く」という部分は、彼の仕事に対する決意が表れている言葉といえるでしょう。


そして、ハードワーカーであるイーロンの周りには、その熱意に惹(ひ)きつけられた人びとがたくさん集まってきます。「あの人が頑張っているのだから、自分もきっと頑張れるはず」。そのように思える人も少なくないでしょう。


イーロンは続けて、こう述べました。「起業するにしても就職するにしても何より大事なのは、すごい人たちを惹きつけるということです。素晴らしいと思えるグループに参加するにしても、会社をつくるにしても、すごい人たちを集めるというのは必須です。いかなる会社も、商品やサービスを生み出すために集められたグループなのです。グループの仕事を信頼し、正しい方向において結束することが会社に成功をもたらします。ですから起業するのであれば、何がなんでもすごい人たちを集めましょう」


「働き方改革」が声高に唱えられている日本において、「超多忙であれ」というスローガンは時代に逆行しているものに捉えられるでしょう。


しかし現実には、持てる時間を最大限に仕事に費やすことで利益は倍増します。これは明らかなことで、働く時間が少なければ、よほど効率がよくなる仕組みがない限り生産性は落ちます。イーロン・マスクのこの習慣は、働くということに関して1つのヒントを私たちに投げかけているように思えます。


イーロン・マスクとスティーブ・ジョブズの共通点

先述のように、イーロン・マスクはスティーブ・ジョブズやジェフ・ベゾスと肩を並べる人物ですが、イーロンとジョブズのあいだにはある共通点があります。それは、果たしてどんな点でしょうか?


2人に共通するのは、イーロンもジョブズも「妥協を許さない」ということです。さらにいえるのは、2人とも「プロダクト・ピッカー」だということ。プロダクト・ピッカーとは、「製品の細かいところまで口出ししてくる、やかましいタイプ」のことです。


ジョブズはMac(マッキントッシュ)を開発する際、「製品サイズは電話帳の大きさに収めろ」といい、iPodの時は「選曲でのクリック回数は3回以内」など、具体的にやかましい指示を与えていました。


しかし、「そのためにはあの技術が必要か?」といったテクニカルな部分には完全にノータッチでした。


つまり、「大きく見ながら、細部にこだわる」のがイーロンとジョブズの特徴だったのです。[※2]


イーロンは南カリフォルニア大学の卒業スピーチにおいて、「歳をとるにつれてやらなければならないことは増える、家族を持てばなおさらで、難しいことに取り組むことはより困難になる」といっています。そして、「だからこそ、若い時にリスクを負ってでも大胆なことにチャレンジすることを忘れないでほしい」と述べています。「未来をつくる男」イーロン・マスクの真骨頂が表れている言葉といえるでしょう。

[※2]『イーロン・マスク世界をつくり変える男』竹内一正(ダイヤモンド社)



【プラスα】「働き方改革」時代、どうやって働けばいい?

各企業が「働き方改革」に取り組むようになり、「定時に退社できるようになった」、あるいは「有給を消化するように口うるさくいわれる」といった方は少なくないと思います。では今後、私たちはどのような意識で働いていったらいいのか? 働く時間が短くなるということは、社員間のコミュニケーションが薄れるということ。そのため、社内SNS を構築したり、勉強会や研修を増やす会社も出てきました。個人としても、自分の意見をきちんと言語化して伝えることができる能力も必要になってくるでしょう。正確に言葉に出す意識を持ち、簡潔に伝える能力を伸ばすことなどが、今後は一層求められます。