着るものはたくさんあるのに、何を着ればいいかわからないから次から次へと新しい服を買ってしまう…。クローゼットに着こなせないままの洋服があふれ返っている…。そんな悩める私たちに人気ファッションエディター磯部安伽(いそべ やすこ)さんが提案するのが、少ないベーシック服でおしゃれを楽しめる、賢くてすっきりしたクローゼット=スマートクローゼットです。手持ちの服をスマートに活用し、ワードローブをスマートに保てるコツが満載!有名モデルやスタイリストから絶大な信頼を集める、磯部安伽さんのスタイルブック「スマートクローゼット ベーシック服で1年を賢く着回す29のメソッド」より連載全10回でお送りします。あなたのクローゼットが賢く、スマートに生まれ変わるためのヒント、第1回目です。


私がベーシック服を好きな理由◆磯部安伽のスマートクローゼット【連載】(1) 画像(1/3) ファッションエディター磯部安伽のスマートクローゼット ベーシック服で1年を賢く着回す29のメソッド

What’s smart closet?ースマートクローゼットって何?ー

スマートは英語で、『賢い、洒落た、気の利いた、こざっぱりした』などを意味します。

私たち日本人にとっては、スマート=すっきりした体型、という印象も強い言葉です。

そこにクローゼットをつけた、〝スマートクローゼット〞という造語は、私のおしゃれや生き方に対しての、理想を表しています。


同じ服でも着る人によって違って見える。それがベーシック服の面白さです


今でこそベーシック好きな私ですが、10代、20代の頃は、派手な服を好んで着ていました。

実年齢よりも5歳くらい上に見える服を着るのが普通で、高校生でボディコンも着ていましたし、大学へはピンクやイエローのスーツで通学(笑)。

学生時代の愛読誌は『JJ』、20代の頃は『109』に週に何度も通う、流行好きな若者だったわけです。

そんな私が30代になった頃、ベーシック服の大ブームが訪れました。

もちろん、すぐに飛びつきます。

それが私にとっての、おしゃれの転機となったのです。

ベーシック服はそれまで着ていた服からすると、〝地味〞とも言えるほど、本当にさりげない服でした。

白シャツもトレンチコートも、服自体には、ほとんど個性はありません。

それがどうでしょう。服に袖を通し、着る人の個性が加わると、途端に生き生きと輝きだすのです。

たちまち、その魅力にとりつかれてしまいました。


私がベーシック服を好きな理由◆磯部安伽のスマートクローゼット【連載】(1) 画像(3/3) 【画像】同じ服でも着る人によって違って見える。 それがベーシック服の面白さです

30代になり、私自身の個性が固まってきたというのもあったのでしょう。

個性が確立していなかった若い頃より、シンプルな服が似合うようになったのです。

ベーシック服は着る人の個性を受け入れ、生かし、その人だけの魅力を引き出してくれる。

そう、決して服がひとり歩きするのではなく、あくまで着る人が主役になれるおしゃれを楽しめるのです。

私がベーシック服を好きになった理由は、そこにあります。


少ないベーシック服でおしゃれを楽しめる、賢くてすっきりしたクローゼット


ベーシック服を好きになってからしばらくすると、クローゼットの中に、ある変化が起こりました。

それまで好きだった華やかな服は、1枚でサマになるだけに、着回し力という点では劣ります。

人に与える印象も強いので、頻繁に同じ服を着るわけにもいきません。


また、何度か着るうちに、自分自身が一番、その服に飽きてしまい、新しい服がすぐに欲しくなる。

結果、クローゼットが服であふれかえっていました。


一方、ベーシック服は、シンプルゆえに着回し力が高いのが特徴です。

コーディネートによって着こなしの印象が変わるため、同じ服を頻繁に着ても、新鮮な気持ちを保つことができます。

つまり、ベーシック服がベースにあると、必要以上に服を持たなくてもいいのです。

ワードローブがベーシック服にシフトするにつれ、クローゼットがぐんぐん軽やかになっていきました。そう、すっきり=スマートなクローゼットを手にすることができたのです。


私がベーシック服を好きな理由◆磯部安伽のスマートクローゼット【連載】(1) 画像(6/3) 出典:ファッションエディター磯部安伽のスマートクローゼット ベーシック服で1年を賢く着回す29のメソッド

また、物理的なすっきりさだけでなく、心理的な賢さ(=スマート)への理想が、この言葉には込められています。

新しい服やトレンドを次から次へと楽しんでいた若い時代を経て、十分に大人になった今は、一度手にした好きな服をできる限り丁寧に着たい。

そんな想いを、〝スマートクローゼット〞という言葉に託しました。



作=磯部安伽