子ども名義の銀行口座をつくり、お金を体感させる お金に強い子どもに育てる方法(7)【連載】
子ども名義の銀行口座をつくる
アメリカではだいぶ前から、銀行の通帳はありません。取引はオンランでチェックするのが一般的で、必要とする人には月1回ステートメント(明細書)が郵送され、ペーパーで確認することもできます。
店舗のないネットバンクが今では当たり前ですし、スマホやパソコンさえあれば、通帳がなくても困ることはありません。逆に、オンラインならば時間も場所も選ばずお金の出入りをチェックできるので便利なくらいです。しかし、これは大人の話。日々のお金の出入りをチェックする機会のない子どもにとっては、いつでも自分で明細を確認できる通帳というシステムはとても役立ちます。日本にはせっかく通帳があるのですから、ぜひ活用したいところです。
自分が子どもの頃を思い出せばわかりますが、自分宛の手紙が届くだけでとてもうれしかったですよね。やはり、子どもも一個人として認められたいという思いがありますから、表紙に自分の名前が印刷された通帳を持てば、それだけで気持ちが前向きになります。
そして、キャッシュレス化していく世の中で、お金を体感する機会がどんどん減っている中、〝自分の〟通帳でお金の出入りを確認できることは、お金を身近に感じられるいい機会になります。
子ども名義の通帳にどんなお金を入れていくかは各家庭で決めればいいことですが、たとえば、毎年お正月にいただくお年玉。千円でも1万円でも、毎年、少しずつ積み立てていくことで大きなお金になることを、小さなうちに実感を持って知ることで、金銭感覚の土台は築かれます。
結局のところ、お金は使えばなくなるし、少額でもコツコツ積み立てれば蓄えになります。この基本は、永遠に変わりません。
バンク・オブ・アメリカに勤務していた頃、18~20歳くらいの少年や少女が日本でいう国債(こくさい)を換金しにくる、という場面に何度も遭遇しました。気になって同僚に聞いてみると、アメリカでは子どもが生まれたときに国債を購入し、子どもが18歳や20歳になったときに渡す家庭が少なくないそうです。これも、自分が生まれて成長する間に、利子がいくらついたかということを肌で知ることができ、また、親の気持ちを受け取ってこのお金を何に活用するかを考えるいい経験になります。
高学年にもなれば、子ども名義の通帳にある程度お金が貯まっているはずです。そうなったら、それを資金にして投資を始めてみるのもいいでしょう。銀行預金の金利はすずめの涙ほどですが、投資には自分の資産を大きく増やす可能性があります。投資といっても短期で売り買いを繰り返すのではなく、長期的に保有することでお金の動きを見ることが重要です。値の動きに一喜一憂するのではなく、大局的なお金の流れを見る、いわばレッスンのようなものですから、大きな額を費やす必要はありません。
子どもの好きな分野の企業の株を購入すれば、より興味を持ちやすいでしょう。貯め込み体質の日本人だからこそ、アクティブなお金の運用方法に小さい頃から慣れ親しんでおくことをおすすめします。
著=酒井レオ
Information
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著者:酒井レオ(さかい・れお)
ニューヨーク生まれ、ニューヨーク育ちのバイリンガル日系アメリカ人。ワシントン大学卒業後、JPモルガン、コマース銀行(現TD銀行)を経て、バンク・オブ・アメリカに入社。史上最年少で「全米No.1」の営業成績を達成し、30代前半でヴァイスプレジデントに。その後、NPO法人「Pursue Your Dream Foundation(PYD)」、「PYD Japan」を設立し、グローバルビジネス教育の世界へ転身を果たす。
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