たくさん洋服を持っていても、何を着たら良いかわからない…。40歳~50歳の「おしゃれ迷走期」を乗り越えるには?

#くらし   

梅雨を向かえ、これから夏も本格化します。長袖から半袖に衣替えをするこの時期こそ、おしゃれを見直すチャンス。6月に『50歳からのおしゃれを探して』を発売したばかりの、後藤由紀子さんに大人のおしゃれのコツを聞きました。

億劫な気持ちを乗り越える


年齢を重ねると服選びもなんだか面倒な気持ちになるもの。ナチュラルなおしゃれに定評がある後藤さんも、40歳からはファッションに悩みまくりだったといいます。

「それまではボーダーのカットソーを制服のように着ている日々だったのですが、ある日鏡を見たときに、すごく似合ってないってことに気がついてしまって。サイズは変わらなくても、背中やお腹などに脂肪がつくようになり、そういった体の線を拾ってしまうカットソーやTシャツがいつの間にか似合わなくなっていたんです」と後藤さん。

そして、意外にもストレスになったのは、重い洋服やバッグ。

「高級な素材のしっかりした生地のコートや、牛革のしっかりしたバッグって重いですよね。若いときは重さよりも見た目や高級感に惹かれて好んで身に付けていましたが、40歳を過ぎたころから重いものが苦痛に感じるようになりました」

薄くて軽いのに温かいファイバーの生地や、合皮だけどもまるで本革のような質感の生地など、いまや優れた素材がたくさん出ています。後藤さんはそれに目をつけ、次々ファッションも軽量化したのだといいます。

「自分が不快に思っていると、装うことがますます億劫になる。そして装うことが面倒になってしまったら、どんどんかまわなくなってしまう。こうした悪循環にはまらないためにも、自分の苦痛を取り除くことはファッションでも必要だと感じました」

大人こそシックなワンピースを


後藤さんがおしゃれを楽しく感じるようになったのは、ワンピースの存在も大きかったといいます。

「私は152cmと背が低いのですが、できるだけすっきり見せたい。比較的細い首周りや手首、足首は見せるようにし、ふっくらしている背中やお腹を隠したい。それをかなえてくれるのが、開襟でウエストがシェープされたワンピースでした。ワンピースというとハレの日の洋服のように感じるかもしれませんが、いまやファストファッションでも出ています。そして、普段の日こそワンピースを着ることで、ちょっとそこまで出かけるというのが億劫じゃなくなる。フットワークを軽くする作用もあるんです」

【画像を見る】「大人こそシックなワンピースを」。体をすっきり見せ、フットワークを軽くする作用も!


きれい色を身につけよう


さらに大人のファッションでおすすめしたいのが、鮮やかな赤やピンクなどのきれいな色の洋服。装う楽しさを再確認できる点でも大人のおしゃれにぴったりなのだとか。ただし、そういうきれい色の服こそ、気をつけて選ぶ必要がある、と後藤さん。

「鮮やかな色の洋服を選ぶときの注意点としては、ちゃんと試着をすることです。赤は赤でもちょっとの違いで、気持ちが落ち着かなかったりします。似合うかどうかも大切ですが、着ていて落ち着けるかはもっと大事。もう我慢しなくていいお年頃なので、快適さを大事にしましょう。そうじゃないと結局たんすの肥やしになってしまいます」

後藤由紀子さんが5つのおしゃれテクニックを教えてくれました


自分の基準を持つ


「お茶に誘われたときに、さっと出かけられる服」こそが、日常着の基準になる、と後藤さん。よれよれのトレーナーではなく、普段着こそこだわることで、どんどん装うのが楽しくなり、自分に似合うものがわかってくるそう。

「お出かけやハレの日にはおしゃれするけれど、普段はそのへんにあるものを着ている、という方も多いと思います。でも普通の人にとって、1年のほとんどは普段の日です。となると、1年のほとんどはおしゃれをしない日になってしまうでしょう。自分を大切にするためにも、普段こそおしゃれをする。その積み重ねで毎日がもっと楽しくなると思うんです」

おしゃれの先輩を見つけよう


『50歳からのおしゃれを探して』では、後藤さんは少し年上のおしゃれの先輩方にインタビューをしています。

「いつも素敵な装いで、ファッションを楽しんでいる。幸運なことに、私の周りには、そんな先輩方がたくさんいました。そういう人でもおしゃれにつまずいたり、億劫になったりすることはなかったのかを今回インタビューしています」

インタビューすることで、さらに装う楽しさを思い出し、何歳になってもおしゃれをもっと楽しいんでいいんだ、という気付きにもなったそう。

「おしゃれが面倒と感じるなら、周りの素敵な年上の方を観察してみて。なんであの人はおしゃれなんだろう?って分析することで、自分にもそれが生かせるようになりますよ」

撮影/白川青史

著=後藤由紀子/「50歳からのおしゃれを探して」(KADOKAWA)

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Information

単行本情報はこちら


『50歳からのおしゃれを探して』
「去年まで着ていた服がしっくりこない」「重い洋服を着たくなくなった」、50歳を迎えた後藤さんがここ10年ほどぶち当たっているおしゃれの壁。自分のスタイルを持つ10人の先輩たちに、おしゃれ迷走期の乗り越え方を聞きました。
また、後藤さん自身のおしゃれの変化や問題点、そしていまの自分にフィットするおしゃれについて、素直な言葉で綴っています。年齢を重ねることで生まれるおしゃれの問題点を、前向きに考えられる1冊になっています。
▶単行本情報Kindle版

■著者:後藤由紀子
静岡・沼津で器と雑貨の店「hal」を営む。暮らしの中で自分が心から「いい」と思ったもののみを店に並べる。二人の子供は、大学生と短大生となり、子育てもひと段落。暮らしの工夫や気づきを綴った飾らないエッセイも好評で著書多数。


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