【実録ルポ】私を“料理の呪縛”というしんどさから解放した「料理デトックス」のすすめ
始まりは思いつきだった!?
料理デトックスの始まりは思いつきだったものの、「いざ実行したら想像以上の効果が得られて、みんなにすすめたくなった」と語る本多さん。どうやってこの策に踏み切り、またどう復帰したのかをまずはマンガでリポートします。


「料理を休んでみる」ことのすすめ
何事も「やめる」のは勇気がいりますが、一時期「休む」だけならハードルは下がるはず。なぜ「料理」を休むのか、本多さんが語ってくれました。
「こんな職業(編集部注:カフェオーナー)でありながら、実は料理が嫌いです。仕事として楽しく取り組む方法を考えた結果、料理の苦痛を和らげるには思い切って料理から離れるべきだと気づきました。そうすればやがて、『料理したくなる心境』が生まれるものです。『微熱だから大丈夫』と動き続けると体調は悪化するもの。しんどいときは早めに寝るのが肝心ですが、料理も同様。嫌なら早めに休むべきです。これは後ろ向きな放棄とは違い、前へ進むための休息。まさに〝デトックス〟です」

料理デトックスならではの効果
・宅配や総菜の利用、外食は「イベント的」と家族が喜ぶ
・今の時代、料理をしなくても 困ることはないと気づける
・体が楽になる!
・買い物に行かないので、むだづかいが激減
・買いおき食材が減り、キッチンが きれいになって気分がUP
・自分が作ったほうがおいしいかも? と自信が芽生える
・罪悪感はさほどなく、「やる気」の充電と割り切れる
料理デトックスには準備が大事!
【1 家族への宣言】
料理を休む際見過ごせないのが、食生活を共にする家族の存在。声高に宣言して協力を仰ぐなど、賛同を得る必要が。
【2 休む間の対策を練る】
料理は休んでも食事は休めないから、その間の戦略は抜かりなく。外食、総菜、デリバリー……お金の計画もマストです。
【3 家にある食材の整理】
休むからと食材をむだにするのはNG。期限切れを一掃し、残りも使い切りましょう。スッキリしたらいざ休息期間に突入。
脳科学で考える「休む」ことの効能
専門家である精神科医・ゆうきゆう先生に「休む」ことの効能をこう語ってくれました。
【ストレスは心身への影響が大】
苦痛に耐えてやりたくないことを続けると、強いストレスから適応障害やうつになる可能性があります。それにより、意欲の低下など気持ちの面での不調や、不眠、食欲不振、どうき、頭痛、腹痛など身体面への影響が表われる場合も。
真面目な人ほど手を抜くことに罪悪感を持ち、がんばる傾向にありますが、疲弊して心身に不調を来す危険も伴います。家事や仕事のクオリティを下げることも大事。また業務量を減らさなくても、時間に追われないよう心がけるだけで、ストレス
が弱まるといわれています。
【うまく休んで英気を養おう】
うつも適応障害も、あらゆる病気の最大の治療は「休養」。心身を休めずして、完治は期待できません。家事が負担なら、休む」のも手。疲れている金曜日は総菜を買って帰る、平日は掃除しない、など飲酒でいう「休肝日」のように「休家事日」を設定するのもおすすめ。
また、人には「禁止するとやりたくなる」という「カリギュラ効果」があります。料理をしないと決めた日においしそうなレシピを発見すると、「今度作ろう」とやる気が出るのがそれ。嫌々続けるより、メリハリをつけて意欲を高めましょう。
「やめる」のではなく、「休んでみる」。なるほど、そういう発想があったとは! ちゃんと準備を整えて「休息」すれば、いろいろな効果も得られて〝いいこと尽くし〟。今、料理が苦痛だ…と感じているあなた、思い切って「料理デトックス」してみませんか?
監修=本多理恵子 イラスト=松元まり子 取材・文=長田由香
Information
一般企業に11年勤めた後、鎌倉でカフェ「Rietta」を開業。同時に料理サロンも主宰し、参加人数べ1万1000人を超える。自称料理嫌い。だからこそという視点のテクで多くのサロン参加者を救いる。野菜ソムリエでもある。
教えてくれたのは:ゆうきゆう先生
精神科医。マンガ原作者。東京大学医学部卒業。『マンガで分かる心療内科』(少年画報社)など著書多数。ゆうメンタルクリニック・ゆうスキンクリニックグループ総院長。
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