梨花さんもInstagramで大絶賛の子育て本「頭のいい子の親がやっている『見守る』子育て」の著者、小川大介先生が、悩める親たちにアドバイス。「うちの子のこんなところが心配」「私の接し方、コレでいいの?」など、子育てに関するありとあらゆる悩みにお答えします。連載第11回目のお悩みはこちら。

幼稚園で家とは別人のようにおとなしい娘が心配です【小川大介先生の子育てよろず相談室】 画像(1/1)  

【お悩み】

幼稚園年中の娘は、人見知りなのか内弁慶なのか、家での態度と幼稚園での態度が全く違います。家ではうるさいくらいによくしゃべり、小5の姉とも対等にケンカをしているのですが、幼稚園に行くと人が変わったようにだんまり。例えば、遊んでいたおもちゃをお友達に取られても、何も言わずに黙っているようです。幼稚園の先生からも「あまり自分の気持ちを言わずに、なんでもガマンしちゃうところがある」と言われています。家では「何がしたい」「これはイヤ」など激しく主張しているので、「幼稚園でも同じように自分の気持ちを言っていいんだよ」と教えているのですが、なかなかできないようです。このまま周りのお友達とコミュニケーションがあまりはかれないようだと、社会の中でやっていけるのか不安です。(AKさん・42歳)


【小川先生の回答】

■言語能力が高い子ほど、同年代の子に戸惑う

幼稚園で話さなくとも、家でしっかり会話ができているのであれば、コミュニケーション能力に関しては、全く心配いりません。それどころか、家庭内で既に言語のコミュニケーションが進んでいるからこそ、幼稚園では静かになってしまうのだという目でも見てあげてください。

というのも、この年代の子どもの世界というのは、正直言葉が通じる世界ではないからです。話はどんどん飛ぶし、今ここで話していたのに、なぜかどこかにプイっと走って行っちゃったりもしますよね。子どもというのは、同じ子どもにとっても、実はよくわからない存在なんです。特に、小5のお姉ちゃんもいて、ちゃんと言葉でのやりとりが成立した環境にいる子であれば、なおさらです。家とは違って幼稚園では言葉による意思疎通がどうもうまくいかない。お友達が何を考えているのかつかめない。それで、どうすればいいのか分からなくなっているだけだと思いますよ。

おもしろいことに、幼児期から言語能力が高い子は、えてして動物や昆虫を怖がるのですね。これも、言葉が通じないという点が影響しているのだと私は考えています。

このようなお子さんの場合、話が通じる大人の方が得意だったりします。でも、小学校に上がる頃には、周りのお友達も追いついてくるので、同年代の子とも自然とコミュニケーションがとれるようになりますよ。


■“できない子”のレッテルを貼らせない

ただ気をつけたほうがいいのは、幼稚園の先生としっかり意思交換しておくのを忘れないことです。先生がお子さんのことを、 “自分から行けない子”、“輪に入れない子”というように捉えて、そのような関わり方をしてしまうと、お子さんは“自分はできない子なんだ”と刷り込まれてしまいかねません。幼稚園の先生というのは、意外とその年代の子たちのことしか知らないので、どうしても輪になって一緒にやりとりできるという子ども像を求めてしまいがちなのです。そのうえ、モンスターペアレンツなどの問題も多い昨今では、親御さんの期待に応えなきゃという使命感から、先生は子ども像から外れた子を修正しようと、がんばってしまう傾向にあります。“行けない”のではなく、あえて“行かない”子だということ、家ではしっかりコミュニケーションをとれているので、親としては心配していないことを伝えておきましょう。そうすれば、先生もゆったり構えてみてくれるようになると思います。


回答者Profile

小川大介

教育専門家。中学受験情報局『かしこい塾の使い方』(https://www.e-juken.jp)主任相談員。

京都大学法学部卒業後、中学受験専門のプロ個別指導教室SS-1を創設。教科指導スキルに、子育てコーチング、学習タイプ別の指導術を組み合わせ、短期間の成績向上ノウハウを確立する。個別面談の実施数は6000回を数え、受験学習はもとより、幼児低学年からの能力育成や親子関係の築き方指導に定評がある。各メディアでも活躍。著書多数。