目の前のことに飛びついて、やるべきことを忘れてしまう小4娘【小川大介先生の子育てよろず相談室】

#育児・子育て   

梨花さんもInstagramで大絶賛の子育て本「頭のいい子の親がやっている『見守る』子育て」の著者、小川大介先生が、悩める親たちにアドバイス。「うちの子のこんなところが心配」「私の接し方、コレでいいの?」など、子育てに関するありとあらゆる悩みにお答えします。連載第10回目のお悩みはこちら。

 


【お悩み】


小学4年の娘は、目の前のことにすぐに飛びついてしまうタイプ。例えば、学校から帰ったらまず荷物を部屋に置くように言ってあるのに、部屋に行く途中に本を見つけると、そこで座り込んで読み始めてしまいます。そんな性格なため、優先順位が滅茶苦茶になったり、やらなくてはいけないことを忘れてしまったりなどのミスが多発。先日も、塾の宿題を出し忘れていたので、「今日は絶対に出してくるんだよ」と言い聞かせて送り出したのですが、またもや出し忘れて帰ってきました。理由を聞いたところ、「塾に行ったら机の上にテストが返ってきていて、それが気になって忘れちゃった」とのこと。親の目の届かないところで忘れてしまうので、自分で気づけるようになって欲しいのですが、どのような働きかけをするとよいでしょう?(KSさん・37歳)

【小川先生の回答】


■深呼吸で立ち止まる練習を

親御さんとしては気になって仕方がないでしょうね。やきもきする気持ちが伝わってきます。ですが、子どもの目線に立つと、子どもなりの事情が見えてきます。

このお子さんの場合、目の前のことに次々と反応していってしまい、立ち止まって思い出すことができない状況かと思われます。これは、子どもにはよくあること。子どもは “動き続ける”ことは得意ですが、逆に、“立ち止まる”という行為がとても苦手なんです。

そのため、日常生活の中に立ち止まる練習を取り入れてあげるとよいでしょう。例えば、学校から帰って来たら、靴を脱いですぐに上がるのではなく、玄関で一度深呼吸。4秒で吸いながら、8秒かけてゆっくり吐き出します。そして「何をしようかな?」と考えてから靴を脱ぐようにします。食事の時間になったら今までやっていたことの手を止めて食事に集中する。食べ終わったら、手を合わせて「ごちそうさま」と言ってから立ち上がるなど、1回1回動作を区切るよう心がけます。

これらは、子どもだけでなく、ぜひ大人も一緒にやってください。なぜなら、家庭内の空気が慌ただしいと、素直な子はその空気に乗ってせわしなくなってしまうからです。今までの生活にプラスして2~3個でいいので、立ち止まって呼吸を整える機会を意識的に取り入れるようにしましょう。それだけで、ずいぶん変わってくると思いますよ。

■スケジュールに余裕を持たせる

そして、塾へ行く前にも深呼吸を忘れずに。時間的に余裕を持って送り出してあげることも大切です。家を出る時に、「着いたら宿題を出そう」と思って行くのと、「早く行かなきゃ!」と思って行くのとでは、その後の行動に大きな違いが生じてきます。「早くしなきゃ遅れちゃう!」という緊張感でいっぱいだと、他のことを考える余裕がありません。ギリギリ塾に間に合ったとしても、その安堵の方が大きくて、宿題を出すことなど忘れてしまうでしょう。そして、一息つく間もなく授業がスタート。このような、ミスなくやらないと辿り着けないスケジュールは、子どもにとっては酷過ぎます。家を出る時間を15分早めて、電車を1~2本乗り遅れても大丈夫なくらい、余裕を持ったスケジュールを組んであげましょう。塾に早く着いていれば、間に何かあっても立ち止まって考える時間が生まれます。そうすれば、宿題を出し忘れるなんてことも、減ってくるはずです。

「その15分が難しい」というのもよく分かりますが、お子さんが得られるものは15分の価値をはるかに超えたものになります。お子さんを信じて取り組んでみてください。

回答者Profile

小川大介先生
小川大介

教育家。中学受験情報局『かしこい塾の使い方』主任相談員。

京都大学法学部卒業後、コーチング主体の中学受験専門プロ個別塾を創設。子どもそれぞれの持ち味を瞬時に見抜き、本人の強みを生かして短期間の成績向上を実現する独自ノウハウを確立する。個別面談の実施数は6000回を数え、受験学習はもとより、幼児低学年からの能力育成や親子関係の築き方指導に定評がある。各メディアでも活躍。著書多数。

文=酒詰明子

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