とにかく貯蓄なんてできない!「お金のことを考えるとしんどい」あなたのための処方箋

#くらし   
とにかく貯蓄できない!「お金のことを考えるとしんどい」あなたのための処方箋


「毎月生活を回すのが精いっぱいで貯金ができません」

「子どもが小さくて働けないうえ、住宅ローンもあります。不安に押し潰されそう」。

これらはレタス編集部に寄せられた読者の悲痛な声。

そのうえ私たちは「消費税10%」「老後までに貯蓄2000万円!?」などの厳しい現実とも向き合っていかなくちゃいけないわけで…。

暮らしのさまざまな「しんどい」を救うべく、料理、片づけと続いたこのシリーズ。

今回は〝お金がしんどい〞企画の1回目。

心の専門家・大美賀さんと、お金の専門家・横山さんに、心がラクになるお金とのつきあい方を伺います。

「日々のやりくりがしんどい!」という読者代表のネコ田さん


読者代表で登場するのは、ワンオペ育児に奮闘するパート主婦のネコ田さんです!

今回助けてくれるのはこのお2人▷

助けてくれるのは▷大美賀直子さん/メンタルケア・コンサルタント


◆大美賀直子さん/メンタルケア・コンサルタント

助けてくれるのは▷横山光昭さん/ファイナンシャルプランナー


◆横山光昭さん/ファイナンシャルプランナー

症状1▷貯蓄のやる気が出ない


【症状1】「毎月3万円貯めるのも難しい。やる気もなくなる!」


「毎月3万円貯めるのも難しい。できない月があると一気に貯蓄のやる気がなくなる」


ええ、確かに私「先取り貯金は月3万円」って決めましたよ。

でも今月、急な出費でそれに手をつけちゃったんです!

わーん(涙)。私ってダメネコです。来月6万円貯めるなんて無理です~。(ネコ田)

貯蓄できない月があって当然ですよ!


おいおいネコ田さん、そんなに自分を責めるなって(横山さん)


できない月があるくらいで自分を責めちゃダメ


できない月があるくらいで自分を責めちゃダメ


ゆるゆるで貯蓄ゼロというのはまずいですけど、私たちはロボットじゃないんです。

夏休みや年末年始、ママ友づきあいなど、やむをえない出費で貯蓄がコンスタントにできないのは当然のことですよ。

大事なのは「しょうがない」と貯蓄できなかった自分をまず受け入れること。

そして「3カ月で10万円が目標」「1年で30万円貯めよう」と少し長めの期間で、変動もOKにして緩く設定すればいいのです。

人生(ネコ生)山あり谷あり。

使う月、貯められる月があって当然です。

貯蓄は緩く長いスパンで考えてみて。(横山)

ネコ田さんへの処方箋▷貯金は緩く長いスパンで考えてみて


症状2▷家計管理に劣等感


【症状2】「食費は月2万円とかすごい人を見ると、私ってダメだなって劣等感を感じます」


「食費は月2万円とかすごい人を見ると、私ってダメだなって劣等感を感じます」


告白します。実は私、結婚前まで浪費癖のある散財ネコだったんです。

お金は昔から苦手……。ああ、きっと私は散財する運命なんだわ。貯めるのが上手な

ネコ友の話を聞くと、ますます落ち込みます。この負のループから抜け出したい!(ネコ田)

「お金が苦手」と負の自己暗示をかけないで


「ネコ田さんなりのペースで進めばいいんですからね!」(大美賀さん)


最初は低い目標設定でいい。クリアしたら自分をほめて


最初は低い目標設定でいい。クリアしたら自分をほめて


ネコ田さん、最初にいっときますが、がっつり貯蓄ができるお金優等生って一握り。

ほとんどの人(ネコ)はネコ田さんと同じく、思うように貯蓄できず四苦八苦しています。

◎の必要はなく△でいいんですよ。

また「私は散財ネコだった↓だから今も散財↓今後も散財という運命をたどる」と考えるのは誤りです。

負の自己暗示をかけるのはやめて、まずは自分にできる現実的な目標を決めましょう。

負のループから抜けるには、低めの目標を設定し、クリアしたら自分をほめてあげるのが一番。

「今月は貯蓄目標1000円!」でもいいんです。

よそはよそ、うちはうち。(大美賀)

ネコ田さんへの処方箋▷よそはよそ、うちはうち


症状3▷教育の焦り


【症状3】「子どものお稽古・塾などどのくらいお金をかけていいのか分からない!」


「子どものお稽古・塾などどのくらいお金をかけていいのか分からない!」


お隣のネコ山さんちのネコ太郎くん、どうも塾に行き始めたみたい。

うちもそろそろ塾に行かせたほうがいいのかしら? 今以上に教育費をかけるのは

正直きついけど、うちだけ行かせないと落ちこぼれになっちゃうかもしれないし!(ネコ田)

お金を出す親=いい親ではありません


「教育に焦りは禁物ですよ」(大美賀さん)


子どもにやりたい気持ちがなければ、それってムダ金


子どもにやりたい気持ちがなければ、それってムダ金


教育費の不思議なところって、かけた分だけリターンがあるはず、と思ってしまうこと。

でも、子どもに「やりたい!」という気持ちがなければ、単なるムダなのです。

ネコ田さんの「どのくらいお金をかけていいのか分からない」に回答するならば「必要のない教育費はなるべくかけないのが正解」だと私は思います。

子どもがすごくやりたくて始めた習い事や塾でも漫然と通わせるのではなく、「楽しい? 続けたい?」と折りに触れて子どもに意思確認してみて。

「ノー」ならそれはムダかもです。

教育費って、ある意味バクチです。(大美賀)

ネコ田さんへの処方箋▷教育費ってある意味バクチです


症状4▷お金を使う罪悪感


【症状4】「大した貯蓄もないのに外食。少しのぜいたくで罪悪感にさいなまれます」


「大した貯蓄もないのに外食。少しのぜいたくで罪悪感にさいなまれます」


うちのパパ、単身赴任で地方の工場で頑張っています。

私の使命は子どもたちを守り、節約して少しでも貯蓄を増やすこと!

そう思って日々節約に励んでいますが、昨夜は子どもとファミレスに行っちゃいました。

PTA の役員会とパートで疲れちゃって……。パパへの罪悪感でいっぱいです。(ネコ田)

息抜きとプチぜいたくは主婦の必要経費!


ネコ田さん、充分頑張ってますよ(大美賀さん)


罪悪感は持たなくていい。家計管理は家族みんなでやる


罪悪感は持たなくていい。家計管理は家族みんなでやる


ネコ田さん、あなたはまず「家族のために私がいちばん頑張らないと」という思い込みから、自分を解放してあげてください。

あなたは母であり妻である前に、一人の人間(一匹のネコ)です。

そして一家の家計は、自分一人(一匹)で背負うものではなく、家族みんなで運営していくものなのです。

夫に相談して資金計画を一緒に考えたり、子どもにも遠慮せず家計についてどんどん話しましょう。

自分と家族が前向きになれる出費を前もって予算に組み込んでおくのもありですし、もっといえば、たまのぜいたくは主婦の必要経費ですよ!

自分にやさしくしましょう。(大美賀)

ネコ田さんへの処方箋▷自分にやさしくしましょう


「お金」ということばを聞くだけでしんどいという全国の悩める人へ


大切なのはお金よりも「健康」と「自分軸を持つこと」。この2つがあればなんとかなる!


大切なのはお金よりも「健康」と「自分軸を持つこと」。

この2つがあればなんとかなる!(大美賀)

動けるうちは大丈夫。元気に前を向いて。生活はアイディアだ!


動けるうちは大丈夫。元気に前を向いて。生活はアイディアだ!


私、NHKの朝ドラをよく見るんですが、戦後のヤミ市なんかのシーンで、人がすべてを失ったとき、それでも人はアイディアを頼りにたくましく生きようとしているでしょう?

あれを見ると、人って元気とアイディアさえあれば、何かを生み出す力があるし、生活ってアイディアなんだと思うんです。

「あの人のうちに比べてわが家は……」なんて、しなくてもいい比較をするのはやめましょうよ。

わが家なりの基準や自分軸を持てばいいんです。

そもそも心の豊かさは、お金と関係ありませんから。今は女性が働くことを社会が応援していますし、かつての年齢制限もなくなっています。

フリマで手作り品を売ってみる、超短期のパートから始めてみるのもいいでしょう。

元気があれば、何とでもなりますよ!

まず見直すべきは「固定費」。小さな出費は気にしなくても大丈夫。


まず見直すべきは「固定費」。

小さな出費は気にしなくても大丈夫。(横山)

たまの外食を後悔するなんてナンセンス。大きな出費を見直そう


たまの外食を後悔するなんてナンセンス。大きな出費を見直そう


たまの外食もごほうびのおやつも、全然ありです。見直すべきは、食費などの変動費より、まず固定費ですよ。

率先して見直したい固定費の2トップは、住居費と通信費。

あなたが今賃貸住まいなら、更新の時期にダメもとで値下げ交渉をしてみましょう。

月5000円値下げできれば、1年で6万円もの節約になります。住宅ローンを組んでいるなら、借り換えの検討もぜひ。

また、通信費は家計の支出に占める割合が年々大きくなっている固定費。

家族でまとめて契約内容を見直したり、格安スマホに替えたりすることによる節約効果は、たまの外食やおやつ代とは比べ物にならないくらい大きいですよ。

消費税10%をやみくもに恐るることなかれ!


消費税10%もやみくもに恐るることなかれ!(横山)

キャッシュレス決済を上手に使えば、おトクが増えますよ


キャッシュレス決済を上手に使えば、おトクが増えますよ


10月から消費税が8%↓10%になりましたが、仮に毎月30万円の生活費がかかる家なら、増税による負担増はざっと3000円程度です。

というのも、まず生活費の3分の1に当たる家賃や保険料には消費税がかかりませんから、消費税がかかるのは残り3分の2の20万円。

増税率は2%だから、20万円×0・02で4000円。

ただし多くの食品は消費税8%に据え置きなので、実際には4000円より少ない3000円程度しか負担は増えない、という計算です。 

かつ忘れちゃいけないのがキャッシュレスによる消費者還元。

これは加盟店が対応するキャッシュレス決済を行なうと、基本5%、コンビニや大手量販店などでは2%のポイント還元や値引きが行なわれるもの(ただし2020年6月までの9カ月間限定)。

これを利用すれば増税前より税負担が減る場合もあるので、消費税10%という数字に動揺せず、上手にキャッシュレス決済も取り入れましょう。

お金って「数字」だから他人と比較がしやすくて、悲観的になること……多いですよね。

でも今回の取材で、大美賀さん&横山さんともにいっていたのが「多少緩くても大丈夫」「たまにはごほうびを!」ということば。

一人でがんばり過ぎはNG。

時々は自分をほめないとダメだそうですよ。(編集部 永木)

次回の「あなたのための処方箋」はお金の後編、「老後のお金を貯めるのがしんどい」です!

お楽しみに(^^)

【レタスクラブ編集部】

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Information

イラスト/奥 千晴 取材・文/宇野津暢子 デザイン/monostore

今回助けてくれたお2人▷
◆大美賀直子さん/メンタルケア・コンサルタント
〝心と暮らしと人間関係〟の程よいバランスを提案し、All Aboutではストレスのガイドも務める。
職場や家庭における女性のメンタルケアが得意。
著書に『長女はなぜ「母の呪文」を消せないのか-さびしい母とやさしすぎる娘』(さくら舎)など。
◆横山光昭さん/ファイナンシャルプランナー
2009年に出版した、誰もが取り組みやすい『年収200万円からの貯金生活宣言』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)が100万部超のベストセラーに。
お金が得意で苦労知らずかと思いきや、お金に苦労した過去あり。
6人の子を持つ父でもある。

雑誌情報はこちら『レタスクラブ ’19 11月増刊号』

▼「レタスクラブ ’19 11月増刊号」情報はこちらから▼

■最新号詳細はコチラをチェック:『レタスクラブ』

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