ゲームで負けるのを嫌がる息子。わざと負けてあげたほうがいいの?【小川大介先生の子育てよろず相談室】

#育児・子育て   

梨花さんもInstagramで大絶賛の子育て本「頭のいい子の親がやっている『見守る』子育て」の著者、小川大介先生が、悩める親たちにアドバイス。「うちの子のこんなところが心配」「私の接し方、コレでいいの?」など、子育てに関するありとあらゆる悩みにお答えします。連載第19回目のお悩みはこちら。

 


【お悩み】


この春に小学生になる息子の相談です。負けず嫌いな性格で、一緒にゲームで遊んでいても、負けるのをとても嫌がります。何時までと時間を決めていても、自分が負けで終わるのを嫌がり、「あと1回」と言ったり、終わった後も「勝ちたかったのに」としつこく言ってきます。子どもなので仕方ないと思いつつも、あまりにしつこいと、「勝負なんだから、勝つときもあれば負けるときもあるんだよ」と、つい強く言ってしまうことも。また、「そんなことを言うならもうやらない」と怒ってしまい、楽しいはずのゲームが後味の悪いものになってしまいます。それが面倒なので、神経衰弱など手加減できるゲームなどは、少し手加減するときもあるのですが、運が勝負を左右するようにものだと、そうもいきません。それに、わざと負けるのもどうなのかなぁと毎回モヤモヤしてしまいます。どうすればいいのでしょうか?(Wさん・43歳)

【小川先生の回答】


■“嫌”という感情には、言葉よりスキンシップ

わざと負けてあげるかどうかというのは、正直どちらでも構いません。わざとされているくらいのことは、子どもだって見抜いています。それでも勝てて「イェーイ!」と喜ぶこともあれば、「バカにされた」とむくれることもあるでしょう。ですから、毎回勝たせてあげる必要はありませんが、たまに負けてあげるのは問題ないと思います。それよりも気になったのは、お子さんが負けて嫌がっているときに、お母さんが言葉で諭そうとしている節がみられるところです。“嫌だ”という感情が出てくるのは、体の反応。そのため、言葉でいくら伝えようとしても入っていきません。言葉よりも、手を握ってあげたり、抱っこしてあげたりなどのスキンシップのほうが伝わりやすいでしょう。ただし、頭をなでるのはNG。子どもは下に扱われたと感じて、逆効果になりかねません。全身で包むようにしながら、「また今度やって勝とうね」と愛を伝えてあげてください。

■負けず嫌いな子の潜在能力を引き出すには?

「負けず嫌い」というのは、本人の成長の力になるので、それ自体はとてもいいことです。「負けたくない」「できるようになりたい」という気持ちが強いため、研究の仕方を教えれば研究熱心にもなります。そのため、勉強もできる子が多いです。ただし一方で、バツがつくことを非常に嫌がるため、できないと「もう嫌だ!」と放り出してしまうリスクもあります。ですから、負けず嫌いの子に対しては、勝たせてあげるよりも、“勝つためには勝ち方というものがある”というのを教えてあげることのほうが重要です。ゲームの前に、どう攻略すれば勝てそうか一緒に作戦を練ってみましょう。例えばサッカーゲームなら、「あのフォーメーションを使ってみよう」というように。それでも負けてしまったら、実際にサッカーの技術書的なものを見て、「プロはこんなことしてるよ」「今度はこうしてみたら?」と改善方法を教えてあげるのです。研究を重ねて練習していけば勝てるようになるということがわかると、負けず嫌いの子はグングン伸びていきます。お子さんの持つ“前に進みたい力”をうまく導いてあげてください。

回答者Profile

小川大介先生
小川大介

教育家。中学受験情報局『かしこい塾の使い方』主任相談員。

京都大学法学部卒業後、コーチング主体の中学受験専門プロ個別塾を創設。子どもそれぞれの持ち味を瞬時に見抜き、本人の強みを生かして短期間の成績向上を実現する独自ノウハウを確立する。個別面談の実施数は6000回を数え、受験学習はもとより、幼児低学年からの能力育成や親子関係の築き方指導に定評がある。各メディアでも活躍。著書多数。YouTubeチャンネル小川大介の「見守る子育て研究所」で情報発信中。


文=酒詰明子

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