実は昨年離婚しました。『離婚してもいいですか?』の著者・野原広子さんがぶっちゃけ初告白!「主人公には自分の感情がにじみ出ているんです」

#くらし 

『レタスクラブ』本誌で連載され大反響を呼んだ衝撃の問題作『離婚してもいいですか?翔子の場合』。夫のことが嫌いでいつも心の片隅に「離婚したい」という気持ちを持っている専業主婦・翔子が主人公の物語です。リアルな心情描写が多くの人の共感を呼ぶ、この物語はどうやって生まれたのでしょうか。著者の野原広子さんにお話をお聞きしました。

『離婚してもいいですか 翔子の場合』


一見幸せそうなのに実は夫が大嫌いな主人公が生まれたワケ


――レタスクラブという主婦向けの雑誌で「離婚」をテーマに書くことになったきっかけを教えてください。

「当時、私自身離婚について考えることが多く、タイミングよく編集さんから『離婚』をテーマに描いてみないかとご提案をいただきました。また同じ頃、ある集まりに参加していた女性のほぼ全員が離婚を考えながらも夫婦として生活を続けていると知りました。でも誰も離婚を実行していなくて、それはなぜだろうと思ったのがきっかけです」

 私は夫が大嫌い


――このお話を書いたあと、読者からはどのような反応がありましたか?

「自分が口に出せなかったことを主人公の翔子が言ってくれたと感想をいたただきました。第一話目からあるように『夫が大嫌い』と思っていても、決して口に出せない人は予想以上に多いようですね」

――一見幸せそうに見えるけど、実は夫が大嫌いという主人公の姿はとても印象的でした。このようなモヤモヤを抱えながら生きている女性は意外と多いように思うのですが、このリアルさはどのように生み出されるのでしょうか?

「ある時、病院の待合室で具合の悪い旦那さんに優しく寄り添う奥さんがいて、微笑ましいな〜なんて、なんとなく見ていたんです。すると、ご夫婦でちょっとした会話のズレがあったんでしょうか、旦那さんが急に奥さんのほっぺを軽く叩いたんですね。あっ!と思いましたが奥さんはいつものことなのか何事もないといった様子で。でも、旦那さんに見えないようわずかに悪態をついたんです。それがすごく印象的で、このおばあちゃんはもうずっと旦那さんのことが嫌いでしょうがないんだろうなって。仲が良さそうに見えるご夫婦からちょっとこぼれ落ちたものって、なんとなく印象に残っているんですよね。それを、拾い集めてみました」

 なんでいつも笑ってるんだろう?


――野原さんご自身は翔子のような主人公をどう思いますか?

「翔子のようなタイプの人間は自分に嫌なことをする相手に対して『怒る』とか『攻撃する』ではなくて『にこにこする』ということで自分を守っているのだと思うんですね。『にこにこする』ことで戦ってきて、でもそれだけじゃ限界がきてしまってそろそろ他のアイテムもなければ戦えないことにやっと気がついたんだと思います。心の中で夫の不満を呟くことしかしなかった翔子が自分と向き合って行動に移していく姿を『がんばれ〜!』って応援していました」

妻も夫もお互いに孤独や不安を抱えている


 妻を見るといじめたくなる


――3章では一家を養うプレッシャーを抱える夫側の不満や苛立ちについても描かれていますね。

「子育てする中でママはふと孤独を感じることがあると思うのですが、じつは一家の大黒柱であるパパも孤独なのではないかと思います。孤独でも不満があっても一家を養うため仕事を一生懸命頑張ってる。でもどんなに頑張っても仕事して当たり前って思われてしまう。パパとママのどちらが大変なのかは横に置いといて、お互いに『ありがとう』と『お疲れ様』だけでも言ってもらえると少しは孤独が癒されるのではないでしょうか」

――最近では小泉大臣の育休取得が話題になったりと、男性の育児参加についてより世間の関心が集まっているように感じます。このような時代の変化についてどう感じていらっしゃいますか?

「最近は男性が育児したり家事をするのが当たり前と言われるのをみて、本当に時代は変わったなと思います。『妻が家事育児をして当たり前』が『夫婦で家事育児をして当たり前』になるといいですね。現実的にはパパたちの仕事が忙しくて実現できなかったりするのかもしれませんが、頭の中に置いておくだけで意識が変わってくれそうです」

親から子へと続いていく呪いを断ち切る物語


――夫婦関係・離婚がテーマでありながら、親から子へと続いていく呪いを断ち切る物語でもあるように感じました。主人公の両親を登場させたのはどのような理由からでしょうか?

 私いつもずっと我慢してきた


「離婚に悩んでいる方のブログなどをいろいろ拝見させていただいたのですが、夫に物を言えないと言う方の多くに『いつもいい子』『人に迷惑をかけないように』『いつもにこににこ』というワードが数多く出てきまして。それと同時に『親に怒られないように生きてきた』というのもあって、小さい頃からそういうふうになるように育てられた方が多いように感じました。それで納得して生きていく人はいいのですが、では本当の自分ってどんな自分?と気がついてしまった人は、本来の自分を探すために親と対峙しなければならないと思ったんですね。親から作られたものを断ち切って、そこから自分を探すことがまず一歩かなと」

実は私も昨年離婚しまして…人生変えました!


――離婚をテーマにした物語を描いて、野原さんご自身の気持ちに何か変化はありましたか?

「私も事なかれ主義でニコニコしてその場を収めるみたいな翔子タイプなんですけど、この話を描いてだいぶ自分の分析にもなりましたね。自分の育ってきた環境や出会った人が自分の行動の根っこに貼り付いているのにも気がつきました。離婚については簡単にポーンってする人なんていないし、『離婚しました(笑)』なんて言ってケロっとしているように見えて、全然そうじゃないっていうのもわかりました。離婚したい人もした人も、みんな想像以上にそれぞれ事情があるし、単純じゃないですね」

だから離婚したいの


――最後に、夫婦関係に悩んでいたり、離婚を考えている人たちにメッセージやアドバイスがあればお願いします。

「実は私、昨年離婚しまして。当たり前ですが、人生変わりました。というか、変えました。翔子の話もセミフィクションと言いながらも、自分自身の体験や感情が滲み出てしまっていると思います」

――えぇっ!?野原さんご自身がこのお話を描いた後に離婚されていたとは…初耳でした…!

「もし、今離婚するか悩んでいる方にはアドバイスするとすれば

1、仕事しましょう。

2、お金貯めましょう。

3、夫(妻)と極限まで仲悪くならないで。(極限まで仲悪くなりすぎて離婚後に子供に会えなくなってしまっている方ってけっこういるので)

逆に長年続いている夫婦の仲良しの秘訣を探ってみたところ、グチグチ言い合っている夫婦は意外と続くんです。嫌なことがあったらグチグチ言う。そして相手のグチグチを聞く(聞いてるフリでいいみたいです)。せっかくなら仲良く暮らしていければいいですよね」

――野原さん自身が離婚されていたというまさかの告白で終わった今回のインタビュー。最後に、「今後は平和でホッとする世界を描いてみたいです(笑)といいつつ、世の中の女性たちの口に出したくても出せない心の叫びを描かずにはいられなくなる気もしてます」とも語ってくれました。今まさに離婚を考えている人にも、夫婦の関係をもっとよくしていきたいと考えている人にも、ぜひ手にとっていただきたい一冊です。

文=宇都宮薫

この記事に共感したら

Information

『離婚してもいいですか』▶掲載話一覧はこちら

Kindle版はこちら『離婚してもいいですか? 翔子の場合』

▼amazon▼

▼楽天ブックス▼

▼楽天ブックス電子▼

私は、夫が大嫌い。

小さな頃から控えめで、自分に自信を持てないでいる主婦・翔子。
いつの間にか、夫の顔色を伺いながら生活するようになってしまった。

夫も子供もいるのに寂しい。
そんな気持ちを抱きながら日々を過ごしている翔子だが、
今の現状を招いたのは幼いころの自分に原因があるのがわかり…?

『レタスクラブ』連載で賛否を呼んだ話題作!

▼Kindle版で読む


おすすめ読みもの(PR)

プレゼント企画

プレゼント応募

\\ メルマガ登録で毎週プレゼント情報が届く //