炊飯器とトースターだから、男と女はすれ違う 男女のミゾを科学する(1)

#くらし 


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はじめに~人類最大の謎


人は、なぜわかりあえないのか。

男と女は、なぜすれ違うのか。

――人類最大の謎を解く。

人類の大テーマだが、その答えは、いたってシンプルだ。

脳には、「プロセス指向共感型」という使い方と、「ゴール指向問題解決型」という二種類の使い方がある。

これらは脳神経信号の走り方がまったく違い、同時同質には使えないため、脳は、あらかじめ「とっさに使う側」を決めている。

そして、生存戦略にのっとって、ほとんどの女性は「プロセス指向共感型」に、ほとんどの男性は「ゴール指向問題解決型」に初期設定されている。このため、とっさに別々のものを見て、とっさに別々の答えを出す。

すなわち、男女は、別々のミッションを遂行されるようにデザインされた、ペアの装置なのである。

炊飯器とオーブントースターのように違う。じっくり温度を上げる炊飯器と、いきなり高熱を発するオーブントースターの「正義」は一致しない。どちらが正しいかを言い争うと、一生折り合いはつかない。ふっくらご飯を炊くミッションと、カリカリトーストを焼くミッション……そもそもの使命が違うのだから。

とはいえ、一つの台所に、炊飯器が二つ(あるいはオーブントースターが二つ)あってもしかたない。男女は違っているからこそ、一緒にいる甲斐がある。けれど、やっぱり、どこまで行ってもわかりあえはしない(この理論を知らない限り)。

これが、男女のミゾの正体である。

こう書くと、本当に簡単だ。

ほんの数ページで、語り尽くせる理論なのである。

「はじめに」の立ち読みで済ませてもいいなと思わせるくらいのシンプルさ(微笑)

けれど、ゆめゆめ油断なさるな。

世界中で何千年も男女はすれ違ってきたのに、今の今まで、その謎が解けないできた理由があるのである。今この瞬間も、地球上で天文学的な数の夫婦喧嘩(ふうふげんか)が展開されているはず。

ヒトの脳には「感性の呪縛」があり、どうしたって、自分が正しく、相手が愚かに見えるようにできている。生き残るための大事な脳の基本機能だ。それが、男女理解を阻むのである。

私がたまさか「感性の呪縛」を乗り越えられたのは、人工知能に人間のありようを教える手法を研究していたからだ。「男のありよう」と「女のありよう」、そのどちらにも、人類の生存を維持する大事な機能があることに気づいたから。

そんな私でも、研究室を一歩出て、女心の鏡でこの世を見れば、男の理不尽(本当は濡れ衣だけど)に泣くのである。

「感性の呪縛」を解き、相手にも正しさがあることがじんわり身に染みるまでの道のりに、あくまでも理で寄り添う。それが、この本の使命である。

(情と理で寄り添う黒川伊保子本は、他にたくさん出版しているので、ぜひ、そちらもお楽しみください)

ここに、男女間コミュニケーションの教科書を残そうと思う。

私が言うのもなんだけど、間違いなく、人類必読の書である。だって、本当に生きるのが楽になるもの。多くの方に、あまねく享受していただきたいと、心から願っている。

それでは、「人生を変える扉」を、どうぞ、お開けください。

著=黒川伊保子/「コミュニケーション・ストレス 男女のミゾを科学する」(PHP研究所)

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『コミュニケーション・ストレス 男女のミゾを科学する』
職場での行き違いや夫婦の仲違いが生まれる前に、多く発生しているのが男女のコミュニケーション・ストレス。その発生する仕組みやギャップを乗り越えるヒントをまとめた教科書が登場しました。『妻のトリセツ』が大ベストセラーとなった人工知能研究者が、メーカーで人工知能(AI)開発に携わったキャリアを生かして著した、コミュニケーションテキストの決定版です。

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