ウルトラマンの妻の憂鬱…妻が夫の弱音に快感を得るワケ 男女のミゾを科学する(8)

#くらし 
ウルトラマンの妻の気持ちを想像してみよう


「ちゃんと言ったのに!」

「悩みを相談したのに冷たい!」

夫と話すとイライラするのは、男女間で脳の使い方に差があるからだった!?

ベストセラー『妻のトリセツ』で話題の人工知能研究者・黒川伊保子さんが、夫婦間で発生しがちな「男女のミゾ」の発生機序をやさしく紐解く『コミュニケーション・ストレス 男女のミゾを科学する』(PHP新書)。

夫婦間、家族間、友人同士や恋人同士、あるいは職場の同僚間でも、今日から使える対話のルールが多数紹介されています。

21世紀随一のコミュニケーションの教科書から、一部抜粋したものを全8回でお届けします。今回は第8回目です。

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【画像を見る】男女のミゾを科学する


ウルトラマンの妻


「ウルトラマンの妻になったことを想像してみて」。私は、よくこの話をする(ほかの本でも語っているので、〝再放送〟の方はごめんなさい)。

ウルトラマンである。何万年も向こうの、知らない星の生物の命を救いに、家族を置いて行ってしまうのである、この男は。妻としてはわけがわからないが、それが夫の使命だとしたら、「いってらっしゃい」である。地球に3か月の単身赴任? 大丈夫。そんなことで女は絶望したりしない。

しかし、ウルトラマンは英雄なので、きっと弱音を吐かない。たまに帰ってきて、黙ってご飯を食べて、また出かける。妻は、それが寂しいのだ。

自分がいなくたって、この人は淡々と生きていける。私なんかいてもいなくても、この人には関係ないんだわ……そんなふうに感じ出す。インタラクティブが生じない相手を、脳は遠く感じ、情が湧かなくなってくるのである。

ウルトラマンは、大切な人には、弱音を吐かなきゃ。

「今日、ここ、ゼットンに蹴られて痛かったんだ」みたいに。

妻が「えー、かわいそう、ふうふうしてあげるね」と言ってくれたら、「きみのおかげで、また戦えるよ」と返す。

たま~にそういうことがあれば、心の絆が結びなおせて、情が湧かなくなるなんてことは起こりにくい。

私がいなくちゃ生きていけない人。それ以上の甘美なコミュニケーションが、この世にあるだろうか。

きずなの中には、きずがある。

どこまでも正しく、どこまでも強い。そんなジュラルミン加工みたいな男に、「話を聞いてやる」なんて思われたって、なんだかマウンティングされたように感じるだけだ。

弱音というテクニックは、職場では多用しにくいが、「完璧な上司」がときにほろっと弱音を見せてくれたりしたら、それが最高の人間的魅力になったりする。

親子の間でだって一緒である。親だから「正しく、強く」いなければいけない、という呪縛から解き放たれよう。

親が見せる弱音は、人生の味わいを見せてくれる。自分の存在が親を支えているという自負は、子の自尊心になり、心の奥行きにもなるのだから。

大切な人にだけ見せる弱音は、コミュニケーションの最高の奥義だと心得よう。

著=黒川伊保子/「コミュニケーション・ストレス 男女のミゾを科学する」(PHP研究所)

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『男女のミゾを科学する』▶掲載話一覧はこちら

『コミュニケーション・ストレス 男女のミゾを科学する』
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