作った人がおいしく食べられるのがなにより大事! 毎日の料理をラクにする考え方 〜料理研究家・市瀬悦子先生〜

#食   
作った人がおいしく食べられるのが一番


家事に育児にお仕事に…とにかく忙しい日々の中、食事作りを負担に感じている主婦の皆さん! 料理のプロに、へとへとな心を軽くするヒントを教えてもらいませんか? 第二回目に登場していただくのは、料理研究家の市瀬悦子先生。効率よく料理するコツから愛用の調理器具まで、料理をラクして楽しむ方法を聞きました。

【画像を見る】料理研究家・市瀬悦子先生


母と立った台所が私の原点。「おいしい」の言葉で料理が楽しくなる

「子どもの頃、よく母と一緒に料理を作っていました。母は料理本をたくさん持っていて、『これを作ってみたい!』と言ったらなんでも自由にやらせてくれる人でした。今思えば、子どもに難しい料理を作らせると時間もかかるしキッチンも汚れるし、助かるどころか逆に手間ばかりかかりますよね(笑)。でも母は一度も嫌な顔をすることはありませんでした。私が料理を好きになったのはそんな記憶が原点です。
今でもよく覚えているのは、鶏の煮込み料理を作ったときに『おいしい!』とすごく喜んでもらえたこと。大人になった今でも誰かの『おいしい』という言葉は、料理を楽しくするエッセンスになっています」

大人になった今でも誰かの『おいしい』という言葉は、料理を楽しくするエッセンス


料理は段取りが大事。レシピを読んで全体の流れを把握して

「レタスクラブの料理を考える際には、誰が作っても同じようにおいしくできる『再現性のあるレシピ』であることを大切にしています。そのためには、調味料の割合を同じにしたり材料を入れるタイミングを揃えたりして、できるだけシンプルに、工程が少なくなるように工夫しています。最低限の労力で最大のおいしさを狙うバランスですよね。
料理の効率化を考えるなら、『何かをしている間に他のことができないか』段取りを考えることが大事です。そのためには最初にレシピをできあがりまで全部読んで、全体の流れを把握してから取りかかるといいですよ。あとから『あれ、火にかけておけばよかった〜!』なんてことがないように。そうやって頭の中で事前に段取りを決めておくと、2品3品あるときでもうまく時間をやりくりできるようになるんじゃないかと思います」

頭の中で事前に段取りを決めておくと時間をやりくりできるように


道具選びも料理を楽しくする大事なポイント。市瀬先生の愛用している調理器具

・奥田漆器の「あすなろの箸」
「軽くて丈夫なあすなろの木でできたお箸。長く使っていても反らなくて手触りもよく愛用しています」

・TURKの「クラシックフライパン」
「鉄のフライパンなら鶏の皮もパリパリにおいしく焼くことができます。テフロン加工のフライパンと違って、使いはじめの頃は引っ付いてしまうかもしれませんが、使っているうちに油が馴染んで気にならなくなりますよ」

市瀬先生の「揚げないとんカツ」


「料理がつらくなる日がある」という人たちへ

「献立を決めるのが億劫だという人って、自分一人のお昼ご飯なら残り物で十分なのに、家族のための料理となると『手を替え品を替えいろいろなバリエーションの料理を作り続けなくちゃいけない』と思い込んでいる人が多いような気がします。
でももし家族が揚げ物好きだったら、週一で揚げ物でもいいじゃないですか。マンネリだなと感じるときは、味付けやディップを変えてみるだけでも十分に変化をつけられると思います。
やる気のある日は手のこんだ料理を楽しめばいいし、今日はもう無理!へとへとだ!と思ったらお惣菜を買っちゃえばいい。家族に食べたいものをリクエストしてもらうのもいいけど、作った人がおいしく食べられるのが一番だから、その日作る料理は『自分の体調や心』に聞いてみて。家族のためにとがんばりすぎないで、料理はもっとゆる〜く構えていいんですよ」

取材・文=宇都宮薫

この記事に共感したら

Information

市瀬悦子さん
フードコーディネーター、料理研究家。食品メーカーの営業から料理の世界へ転身。「おいしくて作りやすい家庭料理」をテーマに、書籍や雑誌、テレビ、メーカー、イベントなどでメニュー開発を手がけている。
オフィシャルサイト:市瀬悦子オフィシャルサイト
Instagram:@ichise_etsuko

市瀬悦子さん

本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています。

LINEお友だち追加バナー

おすすめ読みもの(PR)