ホテルでも使われた「もったいない」の常備菜「ねぎベーゼ」/夫はホテルオークラ元総料理長、妻は料理家 ふたりのごはん(8)

ホテルオークラ元総料理長の根岸規雄さんと、その妻で人気料理家である石原洋子さんによる、世代を超えた学びが盛りだくさんのレシピ本『夫はホテルオークラ元総料理長、妻は料理家 ふたりのごはん』。
「特別な食材や調味料を使うのではなく、時間をかけて、ひと手間かけることを惜しまないのがおいしさのコツ」というこだわりの詰まったレシピが満載の本書から、編集部厳選レシピをご紹介します。今回は「ホテルでも使われた『もったいない』の常備菜『ねぎベーゼ』」です。料理界のトップを極めたふたりの豊かな普段の食事を、ぜひ作ってみてください!
※本記事は根岸規雄、石原洋子著の書籍『夫はホテルオークラ元総料理長、妻は料理家 ふたりのごはん』から一部抜粋・編集しました
ねぎベーゼ
料理の基本は無駄を出さないことです。私が総料理長のとき、毎朝和食、洋食、中華の厨房を回って挨拶をして歩くのがルーティンのひとつでした。そのときいつも気になるのが、ねぎの青い部分が段ボール箱に入れられて、捨てられていたことです。その量ははなはだしく、なんとももったいないと思うことが常でした。
「青い部分も購入料金に含まれているのだから、それをなんとか再利用できないか」と部下に問いかけましたが、半年待っても開発されません。「それなら自分自身でやるしかない」と、ジェノベーゼをベースにして試作を重ねました。そしてやっとのことで廃棄物だったねぎの青い部分を質の高い魚、肉、バスタに使うことができる多目的なソースに変えることができました。
それが自分自身の名・根岸を冠してネーミングした「ねぎベーゼ」です。ホテルでは婚礼のメニューに取り入れました。器に甘酢漬けにした大根の薄切りをかぶせ、上には赤いエディブルフラワーを置いて、花嫁さんの角隠しをイメージ(下の写真1枚目)。その大根をめくると中からねぎベーゼの鮮やかなグリーンソースが目を引く魚介マリネが現れる(下の写真2枚目)という趣向です。この演出は大変喜ばれました。
ねぎベーゼは、バジル、松の実、オリーブ油等で作るジェノベーゼにヒントを得たソース。長ねぎの青い部分のぬめりを取って、松の実とオリーブ油等を加えフードプロセッサーで攪拌します。うす口しょうゆを加えたところもポイントで、長ねぎの風味とともにほんのり和風テイストのソースです。チキンソテーの上に塗ったり、帆立のムニエルに添えたり、和風素材にも合います。パスタも大人気で、ジェノベーゼをしのぐおいしさではないかと思っています。(規雄)


ホテルオークラの婚礼メニューにも取り入れられた。上の角隠しをイメージした大根の甘酢漬けをめくると、下の魚介のマリネ・ねぎベーゼが現れる。
材料(作りやすい分量)

長ねぎ(青い部分)…200g
松の実…15g
にんにく…少々
オリーブ油…50ml
うす口しょうゆ…大さじ1/2
塩、こしょう…各適量
作り方
1 長ねぎの青い部分を適当な長さに切り、ゆでてざるに上げる。
2 1の長ねぎのぬめりを包丁の背で取り除く。
3 水1Lに対して15gの塩を加えた熱湯でやわらかくなるまで煮る。
4 水にさらして、しっかりと水気をきる。
5 フードプロセッサーに入れてオリーブ油を加える。
6 松の実、にんにくも加える。
7 うす口しょう油を加えて攪拌する。
8 ピュレ状になったら塩、こしょうで味を調える。

著=根岸規雄、石原洋子/『夫はホテルオークラ元総料理長、妻は料理家 ふたりのごはん』(KADOKAWA)
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