親の言葉を「聞かない」「聞けない」子どもにも事情がある/子どもに本当に伝わる言葉がけ(3)

子どもが話を全然聞いてくれない…。そんな悩みを持つ方は多いのではないでしょうか。
教育関連の著書多数、「小川大介先生の子育てよろず相談室」でもおなじみ、過去6000回以上の相談を受けてきた教育家の小川大介さんは、実際に親御さんから「遊び優先で、宿題をなかなかやらない」「注意しても、右の耳から左の耳へ抜けていき、同じことを何度も言っても変わらない…」といった相談を非常によく受けているそうです。
小川先生によると、子どもへの言葉がけのポイントの9割は「子どもを観察すること」で、あと1割が「言い方を変えること」と語ります。
子どもとの関わり方を見直すことで言葉がけのポイントが見えてくる、小川大介著『子どもが笑顔で動き出す 本当に伝わる言葉がけ』(すばる舎)から、「親の言葉を『聞かない』『聞けない』子どもにも事情がある」をお送りします。
※本作品は小川大介著の書籍『子どもが笑顔で動き出す 本当に伝わる言葉がけ』から一部抜粋・編集しました
子どもの事情「聞かない」「聞けない」「聞こえてない」
子どもの事情というのは、その子の性格やその場の状況によってさまざまですから、一概に「こう」と言い切れるものではありません。
ですが、大きく分けると3つの事情があります。
1.聞かない
2.聞けない
3.聞こえてない
まずは1つ目の「聞かない」。言葉からわかるように本人の何らかの意思の表れです。この場合は、何を望んでいるのか、どうしたいのかを聞いてあげればいいですね。
2つ目の「聞けない」というのは、「やり方がわからない」ということです。言われたことはわかっても、何をどうしたらいいのかわからない状態、あるいは、そもそも言われたことが何を意味するのかわかっていない状態です。
それならば何に困っているのかを確認し、動けるように手伝ってあげることです。
たとえば「片付けなさい」というのは幼い子どもにとってハードルの高い言葉です。「片付いた」とは、どういう状態なのかがよくわからないからです。わからないから、その辺りのものをごちゃ混ぜのままガシャンと箱に入れて、また怒られる…。
こういう場合は、「片付けなさい」ではなく「おもちゃはおもちゃ、本は本で分けて、それぞれ決まった場所に戻そうね」と伝え、床の上に転がったものがなくなったら「すっきりしたね、ほら片付いた」と教えます。
「聞けない」ときは、できるだけかみ砕いて伝えるというのが効果的です。
そして、子どもの事情として一番多いのは、3つ目の「聞こえてない」です。
心が別のことに向かっていて、親の言葉が耳から入ってこない状態、言葉が音としては聞こえていても、本人の心の中で意味をなしていない状態です。

Profile
小川大介
(おがわ だいすけ)
教育家。見守る子育て研究所 所長
1973年生まれ。京都大学法学部卒業。学生時代から大手受験予備校、大手進学塾で看板講師として活躍後、社会人プロ講師によるコーチング主体の中学受験専門個別指導塾を創設。子どもそれぞれの持ち味を瞬時に見抜き、本人の強みを生かして短期間の成績向上を実現する独自ノウハウを確立する。塾運営を後進に譲った後は、教育家として講演、人材育成、文筆業と多方面で活動している。6000回の面談で培った洞察力と的確な助言が評判。受験学習はもとより、幼児期からの子どもの能力の伸ばし方や親子関係の築き方に関するアドバイスに定評があり、各メディアで活躍中。『頭がいい子の家のリビングには必ず「辞書」「地図」「図鑑」がある』(すばる舎)、『頭のいい子の親がやっている「見守る」子育て』(KADOKAWA)など著書・監修多数。
著=小川大介 イラスト=内野こめこ/『子どもが笑顔で動き出す 本当に伝わる言葉がけ』(すばる舎)
Information
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