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病院で身元不明のまま死んでしまった弟へ。罪悪感と後悔にまみれた日々を綴ったPV3500万超『16歳で帰らなくなった弟』ダイジェスト
謝罪にきた加害青年にかけた母の言葉
『加害者の青年が来たのは弟の遺体が帰ってきてすぐのことだった』
弟の事故死の原因となった、加害者の青年と父親が謝罪に来たのです。

その後も月命日に欠かさずお参りに来た青年。
3度目のお参りで母が青年にかけたのは
『あなたはあなたの人生を生きてください』
という言葉でした…。
きむらさんは青年に対して、『弟を返して!』と言いくなるのになぜそんなことを?と母に問いますが、母には母の思いがあったのです。
しかし…「彼に過失はありません。僕が全部悪いんです」ときむらさん家族には話していた青年でしたが、警察の事情聴取では驚きの証言をしていたことを後に知ることになります。
傷ついた心を無神経にえぐる人の噂。「女の子が亡くなる時に死にたくないって言ったらしいな?」
そして、家族を失ったきむらさんや母を苦しめたのは「人の噂」でした。道を歩けばほぼいつでも井戸端会議に出逢うような、人と人との距離が近い地域で、弟の事故死は格好の噂のネタとなっていたのです。

きむらかずよ「すごく良くしてくれていた近所のおばちゃんがお葬式で「アホやなあの子、バイクなんか乗って」とか、弟や親のことを悪く言っているのを聞いてしまって、裏切られたような気持ちになりました。裏の顔というか、「大人ってこうなんだ…」と。母に対しても「女の子が亡くなる時に死にたくないって言ったらしいな? 大変やな?」って無神経に心をえぐってくるんですよ。そういう意味では、すごく本来の人間性が見えましたね。本当に優しい人とそうじゃない人がくっきり分かれるリトマス試験紙のようでした」。
嫌な噂が一瞬で広がってしまう小さな地域は、確かに息苦しい面もありますが、その一方でご近所同士何かと助けあう人情深い面もあったのだそう。
しかしそんな環境の中で大人への不信感を募らせていくきむらさん。父と母も小さな行き違いで喧嘩が絶えず、家族の間に会話がなくなっていきます。

弟の死によってバラバラになってしまった家族は再び元の形に戻ることができるのでしょうか?

絶望の淵から救ってくれた人たち
もうこれより下に落ちることはないなー…心無い人たちの噂や言動に苦しむきむらさん一家でしたが、救いの手を差し伸べてくれた人たちもいました。

仲間を集めて事故現場を掃除してくれた弟の友達、自分の知らないところで支えようとしてくれていた先生、興味本位で近づかずいつも通り普通に迎えてくれたクラスメイト、学校に行けなくなってしまったきむらさんに明るく声をかけ続けてくれた友人ー。
作中できむらさんは語っています。
『暗闇から差し伸べられた手が 一人で生きてるんじゃない そう教えてくれた』
どうすればいいかわからず、自分を責め、悲しみ、苦しむきむらさんでしたが、前を向く気持ちが少しずつ、少しずつ芽生えていきます。
『お姉、俺をかけ』弟を亡くした私にできること
弟の死をテーマに漫画を描いたことについて、きむらさんは
きむらかずよ「弟を亡くした悲しみから立ち直るきっかけになったのが、”いつかマンガ家になって弟のことを描こうと思ったから”だったんです。弟は生前、私がマンガ雑誌のマンガスクールに投稿していて、いつも結果が返って来るのを誰よりも楽しみにしてくれていました。封を開けるのも、弟が先に開けていました。そして弟によく『お姉、俺をかけ』と言われていたんです。その時は聞き流していたんですが、亡くした時、自分にできることはそれしかないと思いました」と話しています。
今ある日常が永遠に続くとは限らないと思い知らされる、衝撃のコミックエッセイ『16歳で帰らなくなった弟』。弟を亡くして絶望の淵にいる家族はこのあと一体どうなってしまうのか、ぜひ最後まで見届けてみてください。
文=宇都宮 薫
Information
著者Twitter:https://twitter.com/kmk11161/
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