買い物に行っても何を買えばいいかわからない…からの少しずつの成長/大久保嘉人 現役Jリーガー主夫(5)

#くらし   
同じレシピは作らない。料理作りも日々成長

『俺は主夫。職業現役Jリーガー』5回【全6回】


2021年11月に引退を発表したサッカー界のレジェンド大久保嘉人さん。サッカー人生に終止符を打つ場所として選んだのは、プロとして一番最初に所属したチーム・セレッソ大阪でした。
2021年1月にセレッソ大阪に移籍が決まり、単身赴任での大阪入りをすぐさま決意。 「パパは大阪で一人で暮らすからね」と話をすると、三男の橙利君(9歳)がまさかの「パパについていきたい」と宣言する予想外の展開! 家族全員が仰天したものの、三男の決意は揺らがず、本当に息子を連れてのプロサッカー選手&主夫という二足のわらじ生活がスタートして――。

大久保嘉人著『俺は主夫。職業、現役Jリーガー』(講談社)から、「買い物に行っても何を買えばいいかわからない…からの少しずつの成長」を紹介します。

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セレッソ大阪に所属が決まり、単身・大阪へ行くつもりだった大久保選手。三男の橙利くんが「俺も行く」と言い出し家族は驚きます。最初は「やっぱりやめる」と言い出すのではと思っていた大久保夫妻ですが、三男の意志が固かったこともあり、その意志を受け入れることに。橙利くんは学校の年度も途中だった3月14日に大阪へー。
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※本作品は大久保嘉人著の書籍『俺は主夫。職業、現役Jリーガー』から一部抜粋・編集しました

同じレシピは作らない。料理作りも日々成長

同じレシピは作らない。料理作りも日々成長

俺ね、同じ料理はほぼ作らない。
やっぱり同じものを作ってもおもしろくないし、これも作れるんや、あれも作れるんやって、いろいろレパートリーを広げていかないと成長しないからね。俺も。

料理はね、実際に作るまでのハードルが高かった。

横浜の家におったとき、ほんの数回やけど、何回か作ったことはある。けど、材料は莉瑛が買ってきたやつやし、後片づけも自分ではしない。作りたいときに作るだけやから、まあ気楽な感じやったな。

橙利と二人暮らしで飯作るってなったら、まずは材料そろえるところから始めなきゃいけんからね。

最初は何を作ればいいかもわからんし、買い物に行っても、何を買えばいいかもわからん。いろいろ考えると先に進めなくて、なかなか「作る」までいかなかったんやけど、いざ作ったら「意外と楽しいやん」っていう。

好きではないよ。
けど、できあがったら、やっぱり自分が作ったものってうまく感じるし、次々とやりたいことが出てくる。

「魚さばけるようになりたいな」とか。昔からそれは言ってたんやけど、実際に料理するようになったら本気でそう思うようになった。自分が上達してるって感じるのもうれしいな。橙利が「うまい!」って言ってくれるのもめっちゃうれしいな。

あとは俺、煮付けが好きでいろいろ作るんやけど、煮付けってむずかしいと思ってたのに、時間もそんなにかからないし、意外とラク。それも新しい発見やね。

疲れてるとき、作りたくないときは外食もしたりする。目玉焼きと冷や奴だけで済ませるときもある。無理しても続かんし。だけど、楽しんでやってる。なかなかできないしね。「今だ!」って感じやね。

食材の宅配とか、そういうサービスは利用してない。買い物はだいたい橙利と二人で行って、そのとき食べたいもんを買って帰る。

世の中には時短のための料理セットとか、便利なサービスがいろいろあるっていうのも知っとるよ。でも、そもそもそのサービスの使い方もわからんし、宅配で持ってきてもらっても、遠征でいないときとかも多いし、毎回はできない。

あとね、冷蔵庫の中に食材をいっぱい入れたくないんよ。管理するのが大変やから。こんなこと考えたこともなかったんやけど、わかります?賞味期限ってすぐ切れるやつと、ちょっと長いやつがあるやろ?今まで、見たことも気にしたこともなかったんやけどね、見だしたら気になるようになって。

「これはすぐ賞味期限切れる。もったいないな。ちょっと長いのにするか。でも長いのだといっぱい入ってるな。こんなに使い切れんな。ああ、もう違う材料にするか」とか。
腐らせるのもイヤやし、1回食べたら同じのをもう1回なんて絶対食べんし、もったいないからって理由でメニュー変えたりする。
だから食材の宅配を使いこなすとか、そんなん絶対無理やろなぁ。

横浜の家で。コロナ禍で初めてカレーを作った


著=大久保嘉人/『俺は主夫。職業、現役Jリーガー』(講談社)

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