焦がしバターの香りがたまらない「フィナンシェ」/定番だけど極上の焼き菓子(3)

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焦がしバターの香りがふわっと口に広がるフィナンシェは、フランス語で「金持ち、金融家」を意味します

『ベルギーパティシエがていねいに教える 定番だけど極上の焼き菓子』 3回【全8回】


基本だからこそ奥深い、焼き菓子を美味しく作れるレシピ!

YouTubeの登録者数58万人超え(2022年1月時点)の、ベルギー在住のパティシエ・レソンシエルさんのスイーツレシピ本第2弾『ベルギーパティシエがていねいに教える 定番だけど極上の焼き菓子』。お菓子作りの定番ともいえる人気の焼き菓子を紹介する本書では、マドレーヌ、フィナンシェ、ガレット、クッキーなど馴染みあるものから、伝統菓子メローケーキやアレンジカヌレなどこだわりの焼き菓子も登場!

普段からよく食べる馴染みある焼き菓子も、プロセスカットをていねいに見せてくれるので、初心者でもトライできそう。今回は「フィナンシェ」のレシピをご紹介します。

※本記事はレソンシエル著の書籍『ベルギーパティシエがていねいに教える 定番だけど極上の焼き菓子』から一部抜粋・編集しました

フィナンシェ

焦がしバターの香りがふわっと口に広がるフィナンシェは、フランス語で「金持ち、金融家」を意味します。
その名にちなみ、金塊の形を模したとされる形が特徴のお菓子です。
焼き立ては外はカリッと、中はふっくら。一晩経つと、しっとりとした食感へと変化します。

【所要時間】
1時間50分+3時間寝かせる

【材料】《縦9.5cm×横4.5cmのフィナンシェ型約12個分》
[プレーン]
 無塩バター…110g
 卵白…130g
 グラニュー糖…130g
 アーモンドプードル…50g
 薄力粉…50g
 ベーキングパウダー…2.5g
 無塩バター(型にぬる用)…適量
[紅茶味]
 無塩バター…110g
 卵白…130g
 グラニュー糖…130g
 アーモンドプードル…50g
 薄力粉…50g
 ベーキングパウダー…2.5g
 紅茶の茶葉(アールグレー)…8g
 無塩バター(型にぬる用)…適量

準備

・卵白は室温に戻しておいたほうがよい(冷たすぎるとバターがしまり、生地がもったりとして気泡が入ってしまうため)。
・プレーンも紅茶味もつくり方は同じ。step1〜3はプレーンのつくり方をベースにしている。紅茶の場合は、茶葉をミルでパウダー状に細かく砕き、薄力粉、ベーキングパウダーをふるった後のタイミングで加える。
・茶葉は包丁で刻んでもOKだが、茶葉が大きいと口当たりが悪くなるので、できる限り細かく刻む。
・オーブンを170℃に予熱しておく(工程13でスイッチを入れるとベスト)。

step 1 焦がしバターをつくる

1 鍋に無塩バターを入れて中火にかけ、焦がしバターをつくる。

鍋に無塩バターを入れて中火にかけ、焦がしバターをつくる

◆跳ねるバターに気をつけて
急にバターが跳ねることがあるので、顔を近づけすぎないように注意しましょう。網をかぶせておくと少しは防御になります(完璧な防御ではないので注意)。

跳ねるバターに気をつけて


2 バターがとけて泡がぶくぶくと出てくる。その後、だんだん小さな泡に変わり、落ち着いてくる。

バターがとけて泡がぶくぶくと出てくる


3 泡が完全に落ち着いたら、いい頃合いのサイン。

泡が完全に落ち着いたら、いい頃合いのサイン


4 ボウルに水を入れ、3の鍋底を5秒ほどつける。こうすることでそれ以上焦げが進まないようにする。

ボウルに水を入れ、3の鍋底を5秒ほどつける


5 4をこして焦げを取り除き、布巾をかけて冷ましておく。

4をこして焦げを取り除き、布巾をかけて冷ましておく


step 2 生地を作る

6 卵白をフードプロセッサーに入れて「2秒まわして止める」を5回ほどくり返し、卵白のコシを切る。

卵白をフードプロセッサーに入れて「2秒まわして止める」を5回ほどくり返し、卵白のコシを切る

◆フィナンシェづくりは混ぜすぎに注意!
フィナンシェは、なるべく気泡が入らないように混ぜていくことがうまくつくるポイント。フードプロセッサーで「2秒まわして止める」をくり返すイメージで、混ぜすぎに注意しましょう。フードプロセッサーがない場合はホイッパーでもつくれますが、混ぜすぎに注意してください。

7 6にグラニュー糖、アーモンドプードルを入れて「2秒まわして止める」を5回ほどくり返す。

6にグラニュー糖、アーモンドプードルを入れて「2 秒まわして止める」を5回ほどくり返す


8 7に薄力粉とベーキングパウダーを入れ、「2秒まわして止める」を5回ほどくり返す。紅茶味の場合は、ここで茶葉を入れる。

7に薄力粉とベーキングパウダーを入れ、「2秒まわして止める」を5回ほどくり返す


9 ゴムベラでまわりについた粉を落とし、もう一度「2秒まわして止める」を5回くり返し、写真くらいの状態にする。

ゴムベラでまわりについた粉を落とし、もう一度「2秒まわして止める」を5回くり返し、写真くらいの状態にする


10 5が人肌まで冷めたことを確認する。

5が人肌まで冷めたことを確認する


11 冷めた10を9に入れ、「2 秒まわして止める」を5回ほどくり返す。

冷めた10を9に入れ、「2 秒まわして止める」を5回ほどくり返す


12 11にラップを密着させて約3時間寝かせる。冬場は室温で、夏場は冷蔵庫で寝かせる。

11にラップを密着させて約3時間寝かせる

◆step3に進む前に…
冷蔵庫から出した直後だと、生地が固く型に絞りにくいので、焼く工程の30分〜1時間程度前に室温に置いてください。

step 3 焼く

13 ここでオーブンを170℃に予熱する。型に(鉄のシリコン樹脂加工)無塩バターを薄くぬる。

ここでオーブンを170℃に予熱する


14 12を絞り袋に入れ、型の8分目まで生地を流し込む。一度に焼けない場合は生地を常温で置いておき、1回目を焼き終えたら型を涼しい場所において冷まし、次を焼く。

12を絞り袋に入れ、型の8分目まで生地を流し込む


15 170℃に予熱したオーブンで約20分焼く(約15分焼き、その後向きを反転させて5分焼く)。

170℃に予熱したオーブンで約20分焼く


16 火傷に注意しながら型から外し、冷めたら完成。

火傷に注意しながら型から外し、冷めたら完成


焼き立ては外はカリッと、中はふっくら


著=レソンシエル/『ベルギーパティシエがていねいに教える 定番だけど極上の焼き菓子』(KADOKAWA)

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