介護離職をどう防ぐ?仕事を辞めずに親の介護と向き合う/安藤なつの「知っトク介護」(3)
安藤:育児も介護も同じ法律で、仕事との両立を目指せるように決まっているなんて知らなかったです。
太田:会社によっては、 法律以上に介護のための制度を充実させているところもあります。一度、自分が働いている会社の制度を確認してみましょう。おトクな制度があるかもしれません。たとえば、会社の福利厚生で介護の補助金を出してくれるところや、遠距離介護の交通費を補助してくれるところもあります。黙っていないで、会社に報告して、可能な限りおトクな情報を入手するようにしてください。
安藤:介護でお休みするのも、出産や育児でお休みすることみたいに普通になるといいですよね。でも、93日間の介護休業って、なんとなく、短いような気がしますが…。
太田:確かに、とても93日で介護が終わるとは考えにくいです。でも、介護休業の本来の使い方は、「自分が介護をするための休暇」というわけではなく、親の介護をマネジメントする期間に使うことが本来の目的です。

安藤:「マネジメント」! 前に出てきたワードですね。たしか、身の回りのお世話をすることではなく、 適切なサービスを受けられるよう環境を整えていくことでした。
太田:そうです! 覚えてくれましたね!たとえば、93日のお休みを3 回に分けて使えるのですから、1回目は、介護サービスに慣れるまで様子を見守るために使って、2回目は、施設介護を検討するときに一緒に施設探しをする。3回目は、看とりのとき、最期のときは、そばにいられるようにするなど、それぞれ1カ月間ずつ休むようにするなどの使い方もあります。介護がはじまった!と慌てて、身の回りのお世話のために93日間がっつりお休みして、つきっきりで介護をしても、親の状態が良くなるわけではありません。長期間の介護を続けられるように、 体制を整えたり、適宜調整したりするときに使うほうが、有効的な使い方だと思います。
安藤:介護休業の使い方でも、使い方を間違えるとせっかくのお休みが無駄になってしまうから、気を付けるようにしないと。はじめに理解しておくってやっぱり大切ですね。
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介護については「自分が何とかしなければ」と孤独になってしまいがち。
でも実はプロに頼ったり、悩みをシェアすることで最新の情報が得られたり、心や金銭的な負担が軽くなることも。ひとりで抱えこまず、できるだけ周りを頼りたいものですね。

安藤なつ(メイプル超合金)
東京都出身。2012年に相方カズレーザーと「メイプル超合金」を結成。ツッコミ担当。
2015年M-1グランプリ決勝進出後、バラエティを中心に女優としても活躍中。介護職に携わっていた年数はボランティアも含めると約20年。
ヘルパー2級(介護職員初任者研修)の資格を持つ。厚生労働省の補助事業『GO!GO!KAI-GOプロジェクト』の副団長。

太田差惠子
介護・暮らしジャーナリスト。京都市生まれ。1993年頃より老親介護の現場を取材。「遠距離介護」「高齢者住宅」「仕事と介護の両立」などの情報を発信。AFP(日本FP協会認定)の資格も持ち、「介護とお金」にも詳しい。一方、1996年遠距離介護の情報交換の場、NPO法人パオッコを立ち上げ、2005年法人化。現理事長。「親が倒れた!親の入院・介護ですぐやること・考えること・お金のこと」(翔泳社)など著書多数。
著=安藤なつ(メイプル超合金)、太田差惠子/『知っトク介護 弱った親と自分を守る お金とおトクなサービス超入門』(KADOKAWA)
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