どうしてこうなっちゃったんだろう。支離滅裂な言動を繰り返す認知症の母を前に、「夢であってほしい」と願った(8)

#くらし   
明らかに変わってしまった母

『48歳で認知症になった母』 8話


65歳未満で発症する認知症を「若年性認知症」といい、全国で4万人近くいると言われています。
長野県御代田町のケアマネジャー、美齊津康弘(みさいづやすひろ)さんのお母さんは、48歳で若年性認知症を発症しました。

美齊津さんはまだ元気だったのお母様のことを「明るくて活発でよく笑う母でした。誰にでも優しくて、私は母から怒られた記憶はありません。」と思い出してくださいました。
「そんな母が、時々、鏡に向かって独り言を言うようになり、次第に周りに人がいても、鏡を見ると話を始めてしまう。そのうち母の独り言はどんどんエスカレートしていきました。」と語ります。
当時、美齊津さんは小学5年生。お母さんの病気の発症が、幸せだった毎日を徐々に変えていったそうです。
学校から帰宅すると、徘徊する母を捜して連れ戻したり、うまくできない排泄の後始末をする日々。「僕がやらなきゃ家族が壊れる」と思い必死にこらえて介護を担っていたということです。

小学5年生から介護が始まった僕のお話

弱冠小学5年生が背負っていた誰にもわかってもらえないという孤独感、人生を変えてしまうほどの壮絶な経験の数々。まず私たちにできることは、そのような「ヤングケアラー」の存在を知ることです。
お母さんの症状が進行し、普段の生活が難しくなってきた美齊津さんの家。
叔母さんの家への引っ越しが、家族の生活を好転させるものであったならば良いのですが…。


居心地が悪かったであろう母

叔母さんからの返事はなし

また昔の家まで行っちゃったのか

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