【自分のこと褒めてます?】「朝起きれた!」「ご飯食べた!」も十分立派な「今日できたこと」/がんばらないご自愛(6)

#くらし   
自分がいやになる時ありますよね?

『万年不調から抜けだす がんばらないご自愛』 6回【全8回】


「完全に体調のいい日が1日もない!」という悩み、結構色んな人が抱えているかもしれません。
30代半ばの竹内絢香さんも漠然とした不調に悩まされていた一人でしたが、「ご自愛」のおかげで日々が少しだけラクになったそうです。

ここで言う「ご自愛」とは、自分の心やカラダがちょっとプラスになる行動や考え方のこと。

・どうしても気分が上がらないときは「日光」を浴びてみる
・楽しさや気持ちよさを求めて「運動」してみる
・不安な気持ちに支配されそうなときは、「瞑想」をしてみる
・自分の中にある「固定観念」を整理してみる

など、毎日がほんの少しラクになるかもしれない「誰でもできるご自愛」を、心療内科医の鈴木裕介先生の解説つきでご紹介します。

※本記事は竹内絢香著、鈴木裕介監修の書籍『万年不調から抜けだす がんばらないご自愛』から一部抜粋・編集しました


自分を褒める

自分を褒めるといいとはよく聞くんですが…

人生の基礎配点


「ささいなことでも自分を褒めて、自己肯定感を高めましょう」とよく聞きますが、そもそも自己肯定感が海底2万マイルにある私には至難の業でした。どうしても自分のダメな部分ばかりを見てしまい、「私に褒められるところなどないッ…」と結論づけてしまうのです。

ですが、「ダメなところとできたところは、両方同時にあっていい」と知って変わりました。今日できないことがあっても、できたことも必ずあったはず。そう考えるようになり、今まで切り捨てていたいい部分にも気づき、「こっちはダメでも、こっちはできた!」と自分を認められるようになってきました。

黒か白か二択の考え方を捨てて、グレーの状態も受け入れていこうと意識したことで、物事の見方が大きく変わり、かなり生きやすくなったように感じています。

到達点と改善点の話

・自分を褒めるのが苦手なのは、「99点は0点と同じだ」と思ってしまう完璧主義な人
・自分を褒めるための第一歩は、自分が不完全であることをしっかり認めたうえで、生存基礎配点をつくること

到達点と改善点の話

自分を褒めるのが苦手な人の特徴として 「二分法的認知(100:0思考)」 があります。「99点は0点と同じだ」と思ってしまい、失った1点にとらわれて99点の価値が全くないかのように感じてしまう極端な思考のことです。この思考パターンは、うつや生きづらさと関連が深いことで知られていて、認知行動療法というセラピーの治療対象にもなっています。要は「完璧主義」ってことですね。

なぜ、二分法的認知が生きづらいかというと、それは「世の中のほとんどのことは白か黒かで割り切れないから」です。現実はもっと不完全でグレーなものだし、100%の善人も100%の悪人もいません。みんなどこか善人で、どこか悪人の部分を持っています。

でも、二分法的認知はその現実を受け入れるのを難しくします。他人に関しても自分に関しても、どうしても不寛容になってしまいます。人間なんて自分も含めてみんなどこかポンコツなんだよね、くらいに思っていたほうがラクです。

自分を認められるようになるコツは、まず「自分が不完全であることをしっかり認める」 ことだと思います。そのうえで、「今日を生きのびられたのでひとまず60点は確保」といった生存基礎配点制を提案したいと思います。まずその60点がベースにあったうえで、できたことを加点していく。100点に満たなかった部分が、純然たる改善点です。

当たり前のことですが、「やれたこと(到達点)」と「やれなかったこと(改善点)」は共存します。改善点があったからといって、このビターでスパイシーな世界をあなたがちゃんと生きのびたという「絶対的な偉業」の価値がゼロになることはないのです。

今日のノルマ終わんなかった…

今日も呼吸した!!


●竹内 絢香:イギリス好きな漫画家&イラストレーター。著書に『英語力0(ゼロ)なのに海外営業部です』『がんばらなくても死なない』などがある

●鈴木 裕介:内科医・心療内科医。秋葉原saveクリニック院長。
著書に『我慢して生きるほど人生は長くない』『メンタル・クエスト 心のHPが0になりそうな自分をラクにする本』がある

著=竹内絢香、監修=鈴木裕介/『万年不調から抜けだす がんばらないご自愛』(KADOKAWA)

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