好きな子とだけ遊んでるのはやはりマズイ?もっといろんな子と遊ぶよう先生に指摘され…【小川先生の子育てよろず相談室】

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好きな子とだけ遊んでるのはやはりマズイ?もっといろんな子と遊ぶよう先生に指摘され…【小川先生の子育てよろず相談室】

「うちの子のこんなところが心配」「私の接し方、コレでいいの?」子育ての悩みは尽きません。でもそのお悩みも、教育のプロの目を通すと、お子さんの個性や魅力を再発見するきっかけになるかも!?
教育家の小川大介先生が、子育てに関する悩みに対してアドバイス。回答文最後の「大丈夫!フレーズ」が、頑張っているあなたの心をスーッとラクにしてくれますよ。連載第115 回のお悩みはこちら。

【お悩み】

小学2年生の娘がいます。先日、学校の先生との保護者面談があり、「いつも同じ子としか遊ばないのが気になる」と言われました。確かに、1年生の時からすごく仲の良い男の子がいて、いつもその子と二人で遊んでいるようです。ただ、本人からは、学校での放課後預かりでその子がいない時は、女の子の友達や他学年の子たちとも遊んでいると聞いていたので、そのことを先生に伝えると、「放課後は限られた人数の中での関わりになるため、ちょっと違う」とのこと。「通常のクラスの中で、もっといろんな人とコミュニケーションをとれるようにならないと、3年でクラス替えがあった時に心配だし、特に女子は3年くらいになるとグループ化してくるため、それも心配」と言われてしまいました。

娘は、幼稚園の頃も大好きな女の子が1人いて、その子とばかり遊んでいました。もちろん他の子と遊ぶこともあったのですが、その子がいるとやはりその子と遊びたいと思うようで、いつも二人でわちゃわちゃしていた印象です。幼稚園ではほとんど男の子と遊んでいなかったため、小学校に入って男の子とも遊べるようになったことが、私としては嬉しいくらいに思っていました。それに、大好きな友達がいて、その子と遊びたいのに「別の子と遊びなさい」と言うのも何か違う気がして、娘にはまだ何も言わずそのままにしている状況です。

娘はもともと団体で遊ぶのが得意ではないほうで、2人など少人数で遊ぶのが好きな子だとは感じています。ただ、普通に遊ぶ分にはいいけど、学校生活の中で団体で何かしなきゃいけないとなった時のことを考えると、もうちょっといろんな人と交われたほうがいいのではないかとは思っています。また、3年のクラス替えで、その子と離れた時にどうなるかというのも、若干不安要素ではあります。娘に対して、どのような働きかけをしてあげるといいのかアドバイスいただきたいです。(Oさん・35歳)


【小川先生の回答】

「みんなで仲良く」でなくたっていい。多様性を認める時代


そもそも、「団体で動かなきゃいけない」という発想は、もう古いと思います。もちろん、団体が好きな人は好きでいい。でも、限られた人間と深い付き合いをしていく中での生き方だって、なんら問題はありません。全員がリーダーにならなきゃいけないわけじゃないし、全員が社交的でなきゃいけないわけでもなくて、それぞれの生き方があっていいというのが今の時代のはずです。

ところがこの先生をはじめ、学校の価値観は未だに「集団でみんなで仲良く、がいいことだ」という前提に立ち過ぎています。「明るく、元気に、みんな仲良く!」みたいなことばかり謳っていますが、所詮そんなものは一部の価値観に過ぎません。もちろん、それが社会生活上有利なのは間違いないでしょう。でも、それを全員に要求して、本人のスタイルを変えさせるほどの価値があるのかというと、それは違います。多様性を認めるというのはどういうことかを、大人側がもうちょっと考え直したほうがいいと思いますね。

懸念事項は子どもより学校。事前の先生理解を


そして、親子の関係においては、既に「これでいいよね」というコンセンサスがとれているわけだから、そこには何ら問題はないし、もちろん子ども自身にも問題はありません。娘さんは自分の心地よさをよくわかっているだけ。かつ、同じ子とずっと遊べるということは、相手の子にとっても嫌じゃないということなので、その子と好きに遊んでいればいいと思います。

問題があるとすれば、子どもたちを見守る環境面、学級面のほう。お話を伺っていてひとつ気になったのは、「3年になると女の子はグループ化するから心配」という先生の発言です。おそらく先生自身が、以前女の子グループの問題で苦労した経験があるのでしょう。なので、先生にその時の話を聞いておいたほうがいいと思います。「グループができてどう困ることが起きるかというイメージを持っておいたほうが、親としても守り方や受け止め方ができると思うので、どういうことが起きうるか教えてください」とリサーチしておきましょう。それを聞いておくことには、2つの意味があります。ひとつは、子どもの世界で起きうることを知るということ。そしてもうひとつは、この先生の下でそれが起きた場合には、こういう対処と解釈になるんだなという先生理解です。親としてそれだけは想定しておいたほうがいいと思います。

相手に依存し過ぎているかどうかだけ確認を


懸念されているクラス替えについては、まずはお子さんに「どんな感じで楽しいの?」とお友達のことを聞いてあげましょう。そのうえで、「別のクラスになってももちろん遊べるけど、今みたいにいつも一緒という感じにはならなくなるよ。その場合どうする?」とあくまでもライトな感じで聞いてみること。その時にすごく苦しそうだったりすると、相手の存在にちょっと依存している可能性があります。その場合は、「大好きなのはいいけど、その子と一緒でなければやっていけなくなるっていうのは、ちょっと違うよね」ということは伝えておきましょう。放課後は他のお友達とも遊んでいるということなので、そんなに心配はいらないとは思いますが、習い事などで人と接する場を増やして慣れさせてあげるというのもひとつの方法です。

でもおそらく、クラスが離れたら離れたで、その状況に反応できそうな気がします。数日「嫌だな」と思うことがあったとしても、慣れていくと思うので、そんなに心配いらないと思いますよ。

小川先生からの「大丈夫!」フレーズ
『親子間でのコンセンサスがとれているから大丈夫』
本人には何ら問題は見受けられないし、お母さん自身も既に方針をお持ちなので、それに自信を持ってもらって大丈夫。私としても賛同します。ただ、学校の先生との意思疎通はしっかりしておいたほうがよいでしょう。

回答者Profile

小川大介先生
小川大介

教育家。中学受験情報局『かしこい塾の使い方』主任相談員。

京都大学法学部卒業後、コーチング主体の中学受験専門プロ個別塾を創設。子どもそれぞれの持ち味を瞬時に見抜き、本人の強みを生かして短期間の成績向上を実現する独自ノウハウを確立する。個別面談の実施数は6000回を数え、受験学習はもとより、幼児低学年からの能力育成や親子関係の築き方指導に定評がある。各メディアでも活躍。最新刊は『子どもが笑顔で動き出す 本当に伝わる言葉がけ』(すばる舎)。

小川大介の見守る子育て研究所YouTubeチャンネル公式LINEアカウントでも情報発信中。

文=酒詰明子

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