「気持ちに寄り添う」とは?泣き止まない子どもを見かけた友人の言葉に学ぶ/大人になってもできないことだらけです(6)

うまくいかなくても、一緒に笑えたら、それだけで意味があるよね。
学童の支援員(放課後児童支援員)である保育士・きしもとたかひろさんが、日々多くの子どもたちと関わる中で感じた「できる」「できない」の先にある大切なこと。
「できないこと」に目がいきやすい、子どもたちとの生活。口うるさく注意するたびに、できなくて落ち込む子どもの姿。本当はお互い笑顔で過ごしていたいのに…。ふと思い返せば、自分自身が「できない自分」を「ダメな自分」と思い込み、それを子どもにも当てはめてしまっていた。
日々葛藤を続けながら「どうしたらうまくできるか?」ではなく「うまくいかなくてもええんちゃう?」「子どもも大人もしんどくない今を考える」というきしもとさんの視点が、SNSを中心に多くの共感を集めています。
子育てにまつわる身近な悩みや、子どもとの関わりで体験した温かいエピソードの数々。いまあなたが抱えている「しんどさ」をゆっくり手放すためのきっかけが見つかるかもしれません。
※本記事はきしもと たかひろ著の書籍『大人になってもできないことだらけです』から一部抜粋・編集しました。
あなたごとと わたしごと
外食をしていると、少し離れた席で子どもの泣き叫ぶ声が聞こえた。姿は見えないけれど、保護者らしき人がどうにか静かにさせようとしているのが伝わってくる。
なかなか泣き止まない声を聴きながら「周りの目も気になるだろうし大変そうだな」「自分ならどんな風に声をかけるだろうか」と思い見ていた。
僕が泣き声を気にしていることを察したのか、一緒にいた友人が声の聞こえるほうを一瞥して「なんや不満なんやろなあ」と呟いた。
呑気なセリフに笑ってしまう。そりゃなにか不満なことがあるから泣いているのだ。なにを当たり前のことを、と思いながら、当たり前だけれどなにか大事なことを言ったように感じる。
さっき僕は、大人の目線で「泣き止ますのは大変そうだなあ」と思っていた。
当然子どもには子どもの泣いている理由があるけれど、なぜ泣くのかを考えるときに、具体的になにが嫌なんだろうかと想像することはあっても、漠然と「不満なんやなあ」と思うことはあまりない。
「不満なんやろなあ」という言葉は他人ごとに見えながらも(実際に他人のことではあるけれど)、実はその子の気持ちにそのまま寄り添う言葉なのではないか。
子どもが泣いてしまったり癇癪(かんしゃく)を起こしたりしたときに真っ先にそれを鎮めようとする。なにが嫌なんだろう、どうやったら泣き止んでくれるんだろう、と焦ってしまう。
そんなときには一旦、無責任に「不満なんやなあ」と呟いてみるのもいいかもしれない。
それでなにかがわかったり解決の糸口を見つけられたりするわけではないかもしれないけど、その一言で少し肩の力が抜けて向き合い方が変わるかもしれない。
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