【悪口】【マウント口撃】にスカッと! SNSで話題「メンタル強め美女」の名言はどう生まれる?

#くらし   
誰でも笑顔が一番可愛い

女性同士の悪口陰口、マウント合戦、妬みに嫉妬…。ちょっとした一言で心がズーンと沈んでしまうこともありますよね。そんな時、元気をもらえると話題のマンガ・『メンタル強め美女白川さん』をご存知でしょうか?

主人公の白川さんは25歳のOL。その美しい容貌ゆえにあらぬ噂を立てられたり、「ぶりっ子」と陰口を言われたりすることも多いのです。そんな彼女のモットーは「私は私 可愛く強く」。噂や悪口、マウントをものともせず、凛とした姿勢で毎日過ごしています。

メンタル強め美女・白川さんがさらりと放つ言葉には名言しかない!と、作者の獅子さん(@sisi0ccc)のTwitterは現在16.4万フォロワー。白川さんの言葉は説教臭さはゼロなのに、説得力があり、毎日数百~数万いいねがついています。

今回は、その『メンタル強め美女白川さん』の作者である獅子さんに、インタビューさせていただきました。


白川さん誕生秘話、そして登場するキャラクターたち

──「メンタル強め美女」というコンセプトはどこから生まれたのでしょうか? いままでにないヒロイン像だと思いました。

獅子さん:「全く何も考えていませんでした(笑)私は元々商業雑誌で漫画家デビューを夢見ていたのですが、なかなかうまくいきませんでした。そこで、『どうなってもいいから自分の好きなものを詰め込んだ漫画をネットにアップしてみよう』と深く考えずに、読み切りのつもりで第1話の原稿を描きました。主人公の白川さんのように『こんなふうに可愛く強く、他人の目を気にせずに生きていけたら楽しいだろうなあ』という自分の理想像をそのまま自由に形にした感じでした。
第1話のときには『メンタル強め美女白川さん』というタイトルすらありませんでした。漫画を描き進めていくうちに『そういえばタイトルが必要だな』と思い、『白川さんを一言で表すとしたらどんな人かな?メンタルの強さは外せないよね』という感じで、徐々にこの漫画のコンセプトがハッキリしていった感じです」

『メンタル強め美女白川さん』より


──白川さんはどなたかモデルがいるのでしょうか?

獅子さん:「特定のモデルはいないのですが、昔から松田聖子さんの『強くて可愛い』ところが大好きだったので、その憧れの気持ちが白川さん像に反映されていると思います。その他にもアイドルらしい女の子に惹かれてしまうことが多く、菅本裕子さんや渡辺美優紀さん、ももいろクローバーZの佐々木彩夏さんも大好きです。リアルで出会った女の子についても、『素敵だな』と思ったところは白川さん像に反映されていると思うので、様々な女の子の個性、強さ、優しさがギュッとミックスされたようなキャラクターになっているかもしれません」

──町田さんや朝比奈さん、梅本さん…白川さんの職場や周囲のキャラクターがリアルで、共感するポイントがたくさんあります。周囲のキャラクターたちはどうやって生まれたのでしょうか?

【登場人物】白川さんとその仲間たち

獅子さん:「これは初期から、担当編集者さんたちのご協力が一番大きかったと思います。読者さんたちに『わかるわかる』と共感していただけることを第一に考えて、彼女たちの性格や抱えている悩み・コンプレックスなどを細かく話し合って決めていきました。全員のキャラクターを魅力的に描けるよう、今でも担当編集者さんによく相談に乗っていただいています。また、白川さんが読者さんにとって『憧れのキャラクター』だとしたら、『共感できる等身大のキャラクター』たちも絶対に必要だと初期の頃から感じていました。私自身が一番近いキャラクターは町田さんだと思っていますが、林檎ちゃんのようにアタフタすることも多いですし、昔からの友人の前では梅本さんのように率直なところもありますし、作者自身の内面も彼女たちに少しずつ反映されているような気がします」

反響が大きかったエピソード

──特に反響のあったエピソードはどのエピソードでしょうか?また印象に残った反響やコメントについても教えてください。

獅子さん:「一番反響を頂いたのは『だってそんな失礼な人間の美意識とか信用するに値しなくないですか?』(1巻・P67)というセリフだと思います。昔、『白川さんの好きなセリフランキング』企画を行ったときも、このセリフが1位になりました。また、子育て中のお母様から『この漫画は息子にも娘にも将来読んでほしい』というご感想を頂いたときには本当に嬉しかったです。出てくるキャラクターは女性が多いですが、老若男女どなたでもお気軽に読んでいただける漫画でありたいと思っているので、一人の人間としてのフラットな目線を大切に描いていきたいです」

『メンタル強め美女白川さん』より


──親切を装って悪口を言ってきたり、傷つくようなことをわざとしてきたり…「あ~こういう状況あるかも…」「こういう人いるよね…」と共感するエピソードがたくさんでてきます。リアルな描写はどのように生まれるのでしょうか?

ひどい言葉を言われても…

『メンタル強め美女白川さん2』より

獅子さん:「そのままのエピソードを使うことはありませんが、私自身が経験してきたことを大きくアレンジして漫画にすることもあります(笑)。ただその一方で、相手には本当に悪気がなかったパターンもあったんだろうなとも思うようになりました。相手に悪気がある・ないに関わらずですが、誰かからの言動に傷ついてしまったとき『自分で自分の心を癒やせるようになる』ヒントが詰まった漫画を描いていけたらなと思っています」

──作中には『だってそんな失礼な人間の美意識とか信用するに値しなくないですか?』のほかにも、元気になれる名言がたくさん出てきますが、お気に入りのセリフやモノローグはありますか?教えていただけるとうれしいです。

獅子さん
『だってズルさとかサボりとか美しくないから』(2巻・P106)、『『世界一可愛い女の子』が世界中に溢れてるってことだよ!』(3巻・P63) 色々迷いましたがこの2つでしょうか…」

美しくないから…確かに!


──ドラマ化、書籍が40万部突破というのはすごいことですよね。最初投稿した時はこのような状況は想像されていましたでしょうか?

獅子さん:「いえ、全く想像していませんでした。今になって思うのは、すごいのは私自身ではなくて読者の皆さんお一人お一人のほうだということです。そもそも書籍化自体も夢物語…という感じでしたから、『書籍化してほしい』『ドラマになってほしい』という皆さんからの声のお陰で、それらが実現しました。私はこのようなパワーや優しさに支えられ続けていると強く実感しているので、読者の皆さんにご恩返しができるようにこれからも頑張っていきたいです」


強いだけじゃない!共感できるからこそのヒロイン

──白川さんにも「ネガティブオバケがやってくる」回や、叱られて落ち込んでしまった…という描写があり、白川さんにもそんな時が!と、思うのと同時に、メンタルの回復のアイディアになるほど、とマネしたくなる要素が詰め込まれていました。読まれた方からの反響や反応はいかがでしたでしょうか?

獅子さん:「私の親友も『アク取りの話が一番好き!』と言ってくれています(笑)。確かにこの2つのお話は読者さんからも『私にもこういうときがあります』と共感のご感想を多くいただき、嬉しかったです。思い出してみれば2本とも、私の実体験が少し混ざっています。『あなたには絶対無理!』と予言されて落ち込んだり、生理前に何だかザワザワして寝付けないことがあったり。私はネガティブなのでそれをずっと引きずってしまいますが、『白川さんならこういうときどうやって乗り越えるんだろう?』と考えて、生まれたお話でした。

『メンタル強め美女白川さん2』より


──白川さんはメンタル強めでありながら、傷つけようと近寄ってきた人に「徹底抗議する」という方法は全然とっていません。華麗に受け流し、相手が呆気にとられるようなあっけらかんとした対応をしています。攻撃的な対応をしないのはなぜなのでしょうか?

獅子さん:「作者としてはですが、白川さんが無理をして『華麗にスルーしている』という感覚はありません。自分が勝ったとしても負けたとしても、戦うこと自体があまり好きではないんでしょうね。あとは『自分なりの美学を貫く人』だと思います。わりと頭脳派な人だと思っているので、『自分らしくスマートに生きるには』『戦いでエネルギーを消費せず、自分も相手も傷つかないためには』どうすればいいのかということを今までの人生で沢山考えてきた結果なんだと思います。
ただ、私たちみんなが白川さんのようになる必要は全くないと思っていて、それぞれの個性を活かしながら、『ありがとう』『ごめんなさい』を大切に対人関係を築いていけたらそれで充分なのかなと思います」

──「白川さん」のキャラクターには獅子さんご自身の性格が反映されているのでしょうか?一番似ていると思うところ、似ていないと思うところがあれば教えてください。

獅子さん:「似ているところはあまりないですが、強いて言えばアナログ派なところでしょうか。白川さんと同じく、紙の手帳を毎年新調するのが楽しみで、ノートやマスキングテープなどステーショナリーも大好きです。
似ていないところはやはり、ポジティブなところです(笑)。あとは、白川さんは何もしなくても目立ってしまう太陽のような人ですが、私は隅っこにいるのが好きなタイプなので、仮に白川さんのように生まれていたらそれはそれでしんどかったかもしれません(笑)」

『メンタル強め美女白川さん2』より


──獅子さんの作品を見ていると、芯の強さを感じます。沢山の方に支持されている一方、嫌な事もあるのでは…と想像してしまいます。獅子さんご自身も落ち込まれたりすることはあるのでしょうか…?また、そういう時の対処法があれば教えてください。

獅子さん:「漫画のことでもそれ以外でも、落ち込むことはよくあります。そういうときにはひたすら寝るか、紙に自分の考えを書き出して頭の中を整理することが多いです。客観的な図解を用いて『どうしてこの人(自分)はこんなに落ち込んでいるのか』を分析したりすることもあります。それが漫画のネタになることもあります(笑)。私はわりとネガティブなので、自分の漫画についてあれこれ心配したり不安になることもあるのですが…。先日(11月中旬)、Twitterで白川さんの4巻とカレンダー同時発売の告知をさせていただいたんです。それに対して喜んでくださる方が予想以上にいて、こっそり泣いてしまいました。『ああ、こんなふうに言ってくださる方がいるなら、嫌なことや落ち込むことがあってもどうってことないな』とハッキリ思いました。今後、何かに落ち込むことがあればこのときの気持ちを真っ先に思い出そうと思います」


落ち込んだ時どうしたらいい? 白川さんの生みの親・獅子さんからのアドバイスは…

──落ち込んでどうしても立ち直れないことも。傷ついた自分とどう対峙すればいいか、などアドバイスはありますでしょうか?

獅子さん:「まず第一に、『今の自分はこんなに傷ついているんだ』と、その感情をそのまま受け止めてみてほしいです。『こんなことで傷ついてはダメだ』『もっとああすればよかったのに、こうすればよかったのに』という自分自身へのダメ出しは『とりあえずあとで』と一旦置いておいてもいいと思います。悲しい、悔しい、つらいという気持ちも全て、人間に必要な感情だと思うので、必要以上にご自分を責めすぎないでほしいです。時間の経過とともに、きっとフラットな状態で物事を考えやすくなると思うので、『そのときがやってくるのを待つ』というのもひとつの手段だと思います。少しずつ元気が出てきたら、『今度はこんなふうにしてみようかな』だとか『私と同じような思いをした人に寄り添ってあげられるかもしれないな』というようなことを、自然に思える日がきっとやってくると思います。そのときには、『いろんな経験を糧にしてきた私ってすごいな』とご自分のことを褒めてあげてほしいです」

──白川さんのようにポジティブに生きたい!と思いますがいまの時代、なかなか難しいのが現実です…。ストレスの多い現代において白川のようなマインドを持ち、キープするために必要なものはなんでしょうか?

獅子さん:「とにかく、このようなストレス社会で毎日生きているだけで誰もが本当に素晴らしいと思います。ハードルを下げて『今日もひとまず生きぬいた』(3巻・P25『今日もひとまず生きぬきました!』)ことに対してご自分を褒めてあげてほしいなと思います。白川さんのように、『ポジティブじゃない私も人間らしくて可愛い』(1巻・P26『元気ない私も人間らしくて可愛いし…』)というマインドで、どんなときのご自分にもひとまずOKを出してあげてほしいです。ネガティブから脱出するまでの夜明けを待つ時間や、元気が出てくるまでの充電時間も、どちらも大切な時間だと思います」

──自分を肯定できない…という方は多いと思います(私もです…)。白川さんのように自分を好きになるにはどうしたらいいと思いますか?大人になってからもできるのでしょうか。

獅子さん:「きっと、大人になってからでも少しずつ自分のことを好きになっていけると信じています。皆さん、謙虚な方がとても多く、『自分なんて全然頑張ってない』と思われたりするようですが、第三者目線で見てみるとそんなことは全くないんですね。なので、たまには『他の人から見たら私も少しは頑張ってるかも』という視点でご自分の頑張りを認めてほしいなと思います。(私も練習中です)。
あとは昔と違って、SNSで周囲の人と自分をついつい比べてしまいやすい時代背景も関係していると思うので、自分が『いい気持ちになれる』情報を取捨選択して、自分らしい考え方や価値観を磨いてゆく静かな時間も大切なのかなと思います」

『メンタル強め美女白川さん』より


白川さんもとても素敵なのですが、白川さんを生み出した獅子さんもとても優しく魅力的な人柄なのがインタビューから伝わってきました。落ち込んだとき、ホッとしたいとき、スカッとしたいとき…『白川さん』はあらゆる感情に寄り添ってくれるに違いありません。

文=mm

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