なるべくこねずに、ふんわりもっちり! ラクして美味しい「フォカッチャ」/パン作りが楽しくなる本(3)

2018年からYouTubeで活動を始め、なぜこの材料が入るのか、なぜこねるのか、なぜ発酵が必要なのか、なぜこの温度で焼くのか…という「意味を知ってもらうこと」を大切に、わかりやすいパン作りの動画を配信している完全感覚ベイカーさん。
完全感覚ベイカーさんのレシピなら、パン作り初心者も安心! 今まで作ったことがある人も、パン作りの「どうして?」が作りながら学べるので、パン作りがより楽しくなること間違いなしです。
ふんわり、もっちり、バリバリなど、でき上がりの食感(ゴール)をイメージしながら、お家でおいしいパンを作りましょう!
※本記事は完全感覚ベイカー著の書籍『はじめてでもコツがわかるから失敗しない パン作りが楽しくなる本』から一部抜粋・編集しました。
ラクして美味しい フォカッチャ

歯切れがよくてもちもちのフォカッチャをなるべくこねずに作れるレシピを考えました。マッシュポテトを使うことで小麦粉だけでは出せないほどの、驚きのもっちり食感を出せました! そのまま食事として食べても、具を挟んでも美味しいです。こねる力もいらず、成形も手で形をととのえるだけ。かんたんでこの美味しさは、ヘビロテ間違いなしです!
HOW TO BAKE FOCACCIA
目指す食感:ふんわりもっちり
ラクに作れるポイント:
・あまりこねない
・油脂は練り込まず、まぜるだけ
・成形にめん棒を使わない
材料(直径18㎝・2枚分)
強力粉 … 224g
マッシュポテトの素(市販) … 56g
砂糖 … 17g
塩 … 6g
水 … 252g
ドライイースト … 3g
オリーブ油 … 28g
(生地量 … 586g)
その他
ブラックオリーブ(種なし)… 9個
岩塩、強力粉、オリーブ油 … 各適量
memo マッシュポテトの素

もっちり感を出すために使用。フレーク状で扱いやすい。カレーパンでも登場。じゃがいもを加熱して使うと、水分量に個体差があるため調整がむずかしいが、マッシュポテトの素なら水分量が一定なので安心。
準備
・材料をデジタルスケールで量る。(1g単位できっちり量る)
・水は40℃前後に温める。電子レンジ(600W)加熱なら40~50秒が目安。
(イーストが活発に働く温度は32~35℃。生地の温度が冷たいと発酵しにくいため、温めた水を使う。)
作り方
◆生地作り<ボウルの中でまとめる>
1 温めた水にイーストを加えてまぜる。イーストは完全にとけなくてもOK!

2 ボウルに強力粉、マッシュポテト、砂糖、塩を入れる。イーストをまぜた水、オリーブ油を加える。

・イーストを水にまぜる理由
しっかりこねるパンは、粉にイーストをまぜても、こねるうちに自然とイーストがとけますが、フォカッチャはあまりこねないためとけ切らない可能性があります。そのため、最初にイーストを水にまぜて溶かしてからこねます。
3 ゴムべらを使い、ひとまとまりになるまでまぜる。あとでこねるので、この段階では生地の色はところどころまだらな状態でOK!

4 ラップをかけて室温で5分休ませる。時間をおくことで、水分がマッシュポテトにしっかり浸透する。

5分休ませる
・ポテトとオリーブ油でもっちり&さっくり食感を
じゃがいもにはデンプンが含まれるため、生地に加えるともっちり感が出ます(ここでは手軽にマッシュポテトの素を利用)。また、オリーブ油を使うと生地どうしのつながりを邪魔するため、さっくりと軽い食感に。バターと違い、生地に練り込まなくていいのでラクです。
<台の上でこねる>
5 台に生地をとり出す。生地を半分にたたみ、手のひらのつけ根でぐっと下に押し、遠くまでのばす。これを100回くり返す。

100回こねる
6 両手を沿わせ、生地の外側を下に入れ込むようにしながら、丸める。生地の表面は少し荒れた状態。

POINT グルテン膜のチェックは不要
生地どうしのつながりが弱くてよい生地のため、こねたあと伸ばしてもグルテン膜はすぐにちぎれてしまう。だから、100回こねたら一次発酵へ進んでOK!
◆一次発酵
発酵温度 35˚C
発酵時間(オーブン)50-60min
7 ラップをかけて一次発酵させる。オーブンの発酵機能を利用し、35℃で50~60分にセットする。およそ2倍の大きさになるのが目安。

発酵前 ラップをかけて!

発酵後
POINT 時間ではなく生地の大きさで判断する
粉や水の温度、こね具合などで、生地の発酵がゆっくりになることもあるので、時間ではなく、生地が2倍にふくらむことを判断基準にする。ふくらみが悪い場合は、5分ずつ時間をのばす。
<フィンガーテストをする>
8 発酵の状態を確認する。指に強力粉をつけ、生地に差し込んで引き抜く。穴があいたままなら、発酵は完了。

<ガス抜きをする>
9 上からやさしく押さえ、生地の中にたまったガスを抜く。全体をまんべんなく押さえる。気泡がある場合はつぶしてOK!

<分割する>
10 生地を台にとり出す。軽く押さえて広げ、カードでなるべく均等になるよう2分割する。

11 生地の外側を下に入れ込むようにして丸める。裏側はつまんでとじ、とじ目を下にしておく。

<ベンチタイム 10分>
12 ラップをかけて室温で10分休ませる(ベンチタイム)。

◆成形
13 台に打ち粉(強力粉)を振って生地をおき、手で直径15cmくらいに広げる。

14 クッキングシートを敷いた天板にのせる。最終発酵で少しふくらむので、2枚目は間隔をあけてのせる。

・フォカッチャはイタリアのパン
レストランでも提供されることがあるので、ご存知の方も多いと思いますが、フォカッチャはイタリアのパンで、平たく焼くのが特徴。ピザの原型という説もあるそうです。実は、本場イタリアでは四角い形が一般的だそう。
◆最終発酵
発酵温度 35˚C
発酵時間(オーブン)30-40min
15 ラップをかけて最終発酵させる。オーブンの発酵機能を利用し、35℃で30~40分にセットする。ひと回り大きくなればOK。発酵終了後にオーブンの予熱(220℃)を開始する(生地はラップをかけて室温で待機)。

発酵前 ラップをかけて!

発酵後
POINT ひと回り大きく!が目安
成形時の力かげんやオーブンのくせなどによって、発酵が遅くなることも。時間ではなく、ひと回り大きくなることを目安にする。
16 生地の表面にハケでオリーブ油をたっぷりぬる。

POINT したたるくらいにたっぷりと!
表面にオリーブ油をぬることで、焼いた時にその部分の温度が上がり、揚げ焼きにしたようなパリッとした食感が生まれる。したたり落ちたオリーブ油は、焼く時に生地の下にも回るので、多いかなと思うくらい、たっぷりぬってOK。
17 生地に指を差し込み、穴をあける。指3本で同時にあけると、ほどよく等間隔になる。もちろん、指1本であけてもOK!

・生地に穴をあける理由
穴がぽこぽこして、焼き上がりの表情がユニークですが、飾りのためではありません。生地に穴をあけると、焼く時に空気(水蒸気)の通り道ができ、ふくらみ方が均一になります。穴をあけないで焼くと、熱で膨張した空気が生地を押し上げて、高さが出てしまうのです。
18 1枚は穴にオリーブを埋め込む。焼くときに生地がふくらむので、しっかり押し込むのがコツ。2枚とも表面に岩塩を振る。

◆焼成
温度 220˚C
時間 12-15min
19 220℃のオーブンの下段に入れ、12~15分焼く。焼き上がったら、網にのせて冷ます。

・フォカッチャは大きく1枚で焼いても

材料や生地の作り方は、同じ。手順10で2分割せず、手順13の成形で直径25cmくらいに広げる(最終発酵や焼成時にふくらむので、焼き上がりは直径27cmくらいになる)。220℃に予熱したオーブンで、12~15分焼く。
切り方にひと工夫!
横に長くスライスしたり、四角くカットしたりするほか、ケーキみたいに放射状に切り分けても。大きく焼くからこそ、いろいろな切り方が楽しめる。
レシピを参考にするときは
・強力粉は「カメリヤ」、薄力粉は「バイオレット」を使用しています。ほかの商品を使って作る場合は、加える水分量が多少変わる可能性があるので、様子を見てかげんしてください。
・砂糖は「上白糖」を、バターは食塩不使用のものを使用しています。
・生地を発酵させるときは、オーブンの発酵機能を利用しています。
・生地の発酵状態が見えやすいように、一部ラップを外した状態で比較しています。
・オーブンの焼成温度と時間は電気オーブンを基本にしています(ガスオーブンの場合は温度を10℃下げる)。機種によって焼き具合に多少差があるので、レシピの温度と時間を参考に、様子を見て調整してください。
著=完全感覚ベイカー/『はじめてでもコツがわかるから失敗しない パン作りが楽しくなる本』
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