【冷蔵庫おすすめ5選】サイズ、機能、メーカーの特徴を専門家が解説

#くらし   
【冷蔵庫おすすめ6選】サイズ、機能、メーカーの特徴を専門家が解説

どの家庭にもあり、毎日何度も開く冷蔵庫。引っ越したり、家族が増えたり、古くなってきたりと、新しい冷蔵庫を買うタイミングは人によって異なりますが、サイズや機能など多くのチェックポイントがあり、お店で見てもどれを選べばよいか迷ってしまいますよね。

メーカーごとの特徴やおすすめ機能、適切な容量などがわかれば、家族構成やライフスタイルに合った冷蔵庫を選ぶことができます。そこで今回は、キッチンまわり評論家の“さわけん”さんに、冷蔵庫の選び方やおすすめ商品についてうかがいました。

▶︎教えてくれた人
さわけんさん

科学する料理研究家/キッチンまわり評論家・さわけんさん

科学する料理研究家/キッチンまわり評論家
2010年よりキッチンまわり評論家として毎月30品〜50品の食品や調味料を実食検証。「LDK」「MONOQLO」「家電批評」などモノ比較雑誌でさまざまな調理器具、食品類を比較、検証している。
HP:https://s-d-m.jp/talents/sawaken/

冷蔵庫の寿命・買い替え時期は?

長く使い続けるイメージがある冷蔵庫ですが、商品としての寿命はあるのでしょうか。冷蔵庫の買い替え時期について教えていただきました。

「一概には言えませんが、冷蔵庫の買い替え時期は10〜15年くらいです。大体10年が経過したあたりから製氷機が壊れるなどの不具合が出てきます。その他の見えない部分の劣化を考えると、購入後10年過ぎたころから買い替えを検討し始めてもいいでしょう。購入から10年後に買い替えを意識しながら使用感を確かめつつ、15年以内に実際に買い替える、という考え方がちょうどいいと思います」(さわけんさん・以下同)

冷蔵庫選びで押さえておきたい3つのポイント

冷蔵庫を選ぶときはどこに注目すればよいでしょうか。さわけんさんに教えてもらったおすすめポイントを3つご紹介します。

1.大きさやドアの開閉方向といった形状
2.パーシャル室やチルド室の有無
3.必要な機能が備わっているフロアの位置や大きさ

ポイント1【大きさやドアの開閉方向といった形状】

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冷蔵庫の大きさは容量によって変わります。冷蔵庫の大きさの目安は、5人家族以上だと500〜600L台、3〜4人家族だと300〜400L台、一人暮らしや二人暮らしだと300L未満。また、冷蔵庫の容量が同じでも本体の幅が違う場合もあるので、大きさを選ぶ際も注意が必要です。

また、キッチンにあわせてドアの開閉方向を選ぶのも大事なポイント。冷蔵庫のドアタイプには、右開き、左開き、観音開き、両開きがありますが、冷蔵庫が面している壁の位置や調理中の導線などを考えて選びましょう。一般的に冷蔵庫のドアは毎日50回程度開閉されると言われています。使うたびにストレスを感じてしまわないよう、使いやすさを重視して選ぶことが大切です。

ポイント2【パーシャル室やチルド室の有無】

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機能面では、冷凍室と同様に食材を長持ちさせてくれるパーシャル室やチルド室の有無が大切。これらの室温は、冷蔵室よりも低く冷凍庫より高いという特徴があります。

なお、パーシャル室とチルド室は、どちらも冷蔵室より低く、冷凍室より高い温度で食材を保存するための場所。パーシャル室は約-3℃、チルド室は約0℃と、食材を冷凍する手前の微冷凍状態で保存します。パーシャル室は肉類や魚類、加工食品や調理・下ごしらえ済みの食材などの保存向きで、チルド室は冷凍させたくない納豆やチーズ、水分含有量が少ない漬物などの保存に向いています。それぞれのライフスタイルに応じてパーシャル室かチルド室のどちらがあるといいのか選びましょう。

「冷蔵庫は各メーカーとも基本的な機能は備わっている場合が多いですが、冷蔵室、冷凍室、野菜室に加え、パーシャル室やチルド室はあった方がよいでしょう。冷蔵室よりも低い室温で肉や魚の表面を凍らせる、もしくはギリギリ凍らない温度を保ち、食材を長持ちさせてくれます。冷凍庫で保存する食材よりも解凍時間は短いので、すぐに調理できるのも便利です」

ポイント3【必要な機能が備わっているフロアの位置や大きさ】

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適切な形状や必要な機能がわかったところで、次に押さえておきたいポイントは、必要な機能が備わっているフロアの位置や大きさ。自分の生活スタイルによって、どのフロアにどの機能が必要か、そして、その大きさはどれくらいが理想なのかを明確にイメージしておくことが大切です。

「例えば、冷凍品をよく使ったり、食材を冷凍保存することが多いなら、冷凍室が大きいタイプがおすすめ。帰宅後すぐに料理をすることが多いなら、チルド室やパーシャル室が広い方が理想です。また、よく使う食材・食品は中段スペースにあった方が家事ストレスが軽減されるので、例えば野菜を頻繁に使うなら、野菜室は中段にあった方が便利です」

各メーカーの特徴・機能を解説

メーカーによってどのような特徴があるのでしょうか。各メーカーの冷蔵庫の特徴をうかがいました。
※以下、メーカー名の五十音順に紹介しています。

プラズマクラスター搭載で庫内の空気を清潔に保つ「シャープ」

「シャープはプラズマクラスター搭載モデルが特徴で、冷蔵庫の中の空気を清潔に保ちながら食材の鮮度をキープできます。AIoT機能『COCORO HOME』を搭載したモデルもあり、メニューの提案や近所のお店の特売情報などを会話しながら教えてくれます」

『もっと潤う 摘みたて野菜室』で野菜の鮮度を長く保つことができる「東芝」

「東芝は野菜を長期保存する最新機能を搭載した『もっと潤う 摘みたて野菜室』がおすすめポイント。1日20回以上も“うるおい冷気”が野菜室に送り込まれ、野菜から発生し、鮮度が落ちる原因となるエチレンガスを分解します。ほかにも、除菌効果のあるLEDが野菜室内での菌の繁殖を抑えるので、野菜を清潔な状態で保存することができます。さらに、余った野菜をラップをかけずに乾燥や腐敗を防いで保存できる『使い切り野菜BOX』も。これらの機能が搭載された『もっと潤う 摘みたて野菜室』では、野菜の鮮度を約10日間キープできます」

スペースを有効活用できる設計が魅力「パナソニック」

「パナソニックの冷蔵庫は、機能的なアイデアが豊富なのが特徴。例えば、冷蔵庫内を冷やすための圧縮機であるコンプレッサーは庫内の最下段奥にあることが多いのですが、パナソニックの冷蔵庫はコンプレッサーが上部にあります。そのため、上部では手が届きにくいデッドスペースが減り、下段ではスペースを広く有効活用できます。

食材の在庫を重さで管理する『重量検知プレート』もパナソニックならでは。アプリと連動しているので、プレートの上に乗せた食材の残量を外出先でも確認できます」

幅はそのまま容量アップ「日立」

「日立は、本体幅はそのままで容量をアップさせた、大容量の冷蔵庫を多く取りそろえています。庫内の天井も薄壁化しているので、見た目や外寸の幅よりも、実際の容量が大きいのが特徴です。

ドアポケットを除く冷蔵室内をチルドルームに切り替えられる『まるごとチルド』という機能にも注目。通常の冷蔵室よりも低い約2℃の温度設定で、食材の鮮度を保ちます。また、庫内の湿度を高く設定しているので、サラダなどをラップせずに保存することができます。

最近では冷蔵室のドアを開けると冷蔵室内の様子をカメラが自動で撮影してアプリでストックを確認できるモデルもあります」

独自の保冷技術に注目「三菱電機」

「三菱電機は保冷に関する技術が高いのが特徴です。特におすすめの機能が『氷点下ストッカーD A.I.』と『切れちゃう瞬冷凍A.I.』です。

『氷点下ストッカーD A.I.』の温度は-3℃〜0℃。氷点下でも凍らない“過冷却”という現象を応用した独自技術により、食材を凍らせずに保存できます。一般的に冷凍すると風味や鮮度が落ち、変色することがあるのですが、これらの問題を解決しています。

約-7℃の室温で凍らせているのに、出してすぐ包丁で切って使える『切れちゃう瞬冷凍A.I.』もおすすめ機能の一つ。冷凍した食品を解凍する手間を省けるので、調理の時間を短くできます」

大手メーカー以外では、「アイリスオーヤマ」「アクア」「ハイアール」「ハイセンス」なども

「いわゆる大手以外のメーカーの冷蔵庫にも注目です。アイリスオーヤマは大手メーカー品と比べてやや小型ですが、リーズナブルなことが特徴です。アクアはリーズナブルながら容量が大きく、冷凍スペースも広めで、スタイリッシュなデザインを求めるなら選択肢の一つにおすすめ。ハイアールやハイセンスなどの海外メーカーは、デザイン性に優れています」

【500~600L台】5人家族以上におすすめの冷蔵庫3選

500~600L台の冷蔵庫は安心の大容量

ここからは、さわけんさんがおすすめする冷蔵庫を、サイズ別にご紹介。

まずは、5人家族以上におすすめの500L〜600L台の冷蔵庫から。大容量の冷蔵庫は、どのメーカーも収納力と機能面に優れた看板商品が多く登場しています。

ちなみに、冷蔵庫は庫内に冷気を行き渡らせて食材・食品を保存するので、庫内にゆとりがあるほうが、冷蔵庫にかかる電気代を抑えられます。大容量の冷蔵庫だとスペースが広いので、省エネにもなります。5人家族以上でなくても、例えばまとめ買いすることが多い3〜4人家族にもおすすめのサイズです。

鮮度キープで野菜ロスを削減!「VEGETA GR-V510FZ」(東芝)

GR-V510FZ 東芝

野菜室が中央に配置された東芝のハイクラス冷蔵庫には、メーカーの特徴である『もっと潤う 摘みたて野菜室』を搭載。前述のように、使いかけの野菜でも鮮度を約10日間キープしてくれます。チルド室はボタンを押すだけで食材を「スピード冷却」したり「スピード解凍」するモード切り替えも可能。来客時など急な献立変更にも、柔軟に対応できます。

「湿度を保ちながら野菜の鮮度をキープする野菜室の機能が素晴らしいです。食材を急速冷凍する『一気冷凍』も優秀で、独立した冷凍スペースに温かいものをそのまま入れることができます(手で持てない温度<55℃以上>の食品はNG)。総合的に見ても高性能で、おすすめできる冷蔵庫です」

外形寸法(高さ×幅×奥行き):1833mm×650mm×699mm
質量:115Kg
内容積:508L(冷凍室117L、製氷室20L、冷蔵室259L、野菜室112L)
消費電力:265kWh/年


コンパクトだけど大容量! 独立冷却で粗熱取りをサポート「NR-F559HPX」(パナソニック)

NR-F559HPX パナソニック

550Lと大容量なのに奥行きは699mmとコンパクト。最上段は奥行きが浅い設計で取り出しやすくなっています。引き出しは全開できて奥まで使いやすい『ワンダフルオープン』。食材が見当たらなくなったり、奥の食材が取りにくくなるといったストレスを軽減してくれます。ドアポケットの位置が低いので、重いペットボトルも無理なく取り出すことができます。使用者からは「野菜室、冷凍室が容量が多くて、引き出しが全部引き出せて、奥のものまで見えるので、便利です」といった声が。

「奥行きが浅いのに550Lもあること、ワンダフルオープンで引き出しが奥まで引き出せるのが高ポイント。さらに、『はやうま冷却』『はやうま冷凍』では、入れたものに直接冷気を当てて、急速に冷ましたり冷凍したりできます。業務用冷蔵庫を手がけているメーカーだけに、この技術は素晴らしいです。独立スペースになっているため他の食材に影響はなく、例えば、お弁当の粗熱をとるのにも便利です。毎日作っているならこういった機能があると重宝すると思います」

外形寸法(高さ×幅×奥行き):1828mm×685mm×699mm
質量:110kg
内容積:550L(冷蔵室285L、製氷室18L、クーリングアシストルーム、29L、冷凍室、103L、野菜室、115L)
消費電力:289kWh/年


冷凍技術と使い勝手が抜群!「中だけひろびろ大容量 WZシリーズ MR-WZ55J」(三菱電機)

「中だけひろびろ大容量 WZシリーズ MR-WZ55J」(三菱電機)

三菱電機の特徴である『氷点下ストッカーD A.I.』と『切れちゃう瞬冷凍A.I.』を搭載。547Lと大容量なうえにコンパクトで、冷蔵室は棚の高さやドアポケットの仕切りなどを自由にカスタマイズ可能です。例えば、作り置きした料理を小分けにして収納するときは棚の高さを低くしたり、大きな土鍋やホールケーキを収納するときは高くするなど、状況に応じて細かく調整できます。冷蔵室の空間を有効活用できるので、散らかりがちな庫内もスッキリします。実際に購入した方からは「コンパクトで大容量!大満足です」「使いやすい。性能も優れている。大満足です」といった声が上がっています。使いやすさと高機能を兼ね備えた冷蔵庫です。

「チルド室に加えて『氷点下ストッカーD A.I.』と『切れちゃう瞬冷凍A.I.』があるのが魅力です。ワイドな設計でたっぷり入る『氷点下ストッカーD A.I.』では生のまま肉や魚が日持ちするので、例えばいたみやすいひき肉も『今日買ったからすぐ使わなきゃ』ではなく『明後日の夕飯に使おう』など選択肢が増えるので、食材の運用を楽にしてくれます。庫内も広く設計されているので、食材・食品を見つけやすいのもうれしいポイント」

外形寸法(高さ×幅×奥行き):1833mm×650mm×699mm
質量:118Kg
内容積:547L(冷凍室99L、製氷室21L、冷蔵室298L、切替室29L、野菜室100L)
消費電力:266kWh/年


【300~400L台】3~4人家族におすすめの冷蔵庫2選

300~400L台の冷蔵庫は機能面に差が出る

3〜4人家族なら、300Lから400L台の冷蔵庫がよいでしょう。500Lの商品と比べ幅が狭くなるので、限られたスペースでも置きやすく、各メーカーともラインナップが豊富です。

なお、さわけんさんによると、400L台の冷蔵庫が、高性能冷蔵庫とスタンダード冷蔵庫の分かれ道になるとのこと。商品によっては高性能冷蔵庫と比べて機能が省かれているものがあるそうです。400L台の冷蔵庫選びで迷ったら、機能の有無などを比較して選ぶのもよさそうですね。


スタンダードランクでありながら食材の長期保存も可能!「NR-E419EX」(パナソニック)

NR-E419EX パナソニック

コンプレッサーが上段にあるトップユニット方式で、ガラスドアのような“フラットスチールドア”が採用された冷蔵庫。インテリアなどにもなじみやすい、洗練されたデザインです。「上の段の奥という手の届きにくい場所をコンプレッサーにしてその分下の段のスペースを確保するなど、使いやすいデザインになっています」「冷蔵庫容量、冷凍庫容量ともに使いやすくて、頻繁に使う冷蔵庫の高さなどもちょうどいいのでよかったです」など、デザイン性や設計を評価するコメントが見られます。

「スタンダードランクの冷蔵庫ではありますが、約-3℃の『微凍結パーシャル』搭載で、食材を最長約14日間新鮮に保存できます。パーシャル室は出した後すぐ食材を切ったり剥がしたりできるので、押さえておきたい機能の一つ。スタンダード冷蔵庫の中ではおすすめの商品です」

外形寸法(高さ×幅×奥行き):1818mm×600mm×679mm
質量:83kg
内容積:406L(冷蔵室199L、製氷室16L、新鮮凍結ルーム23L、冷凍室79L、野菜室89L)
消費電力:249kWh/年


三菱電機おすすめのサイズダウンしても高機能を搭載「置けるスマート大容量 Bシリーズ MR-B46J」(三菱電機)

「置けるスマート大容量 Bシリーズ MR-B46J」(三菱電機)

幅600mmとスリムながら、455L入る大容量タイプの冷蔵庫。冷凍室が中段にあり、冷凍食品や冷凍で作り置きした料理が取りやすい設計になっています。上段のドアは片開きですが、右開きタイプと左開きタイプがあるので置く場所によって選べます。

「400L台の冷蔵庫ではありますが、三菱電機おすすめの『氷点下ストッカーD A.I.』と『切れちゃう瞬冷凍A.I.』機能がついているのがいいですね。野菜室も高性能冷蔵庫と機能は変わりません。違いはあるものの、高機能を保ったままサイズダウンしている商品です」

外形寸法(高さ×幅×奥行き):1821mm×600mm×699mm
質量:104kg
内容積:455L(冷凍室81L、製氷室22L、冷蔵室239L、切替室26L、野菜室87L)
消費電力:250kWh/年


300L未満の冷蔵庫は一人、二人暮らしに適量で、機能に大きな差はない

300L未満の小型冷蔵庫はわずかなスペースでも置きやすく、一人暮らしや二人暮らしが使いやすいサイズ。リーズナブルに購入しやすい商品も多いようです。一人暮らしの初期費用を抑えたい、二人暮らし夫婦だけれど自宅で料理をする時間がない、などの場合は300L未満の冷蔵庫を選ぶのもよいでしょう。

「300L未満の冷蔵庫になると機能面であまり差はありません。ドアが開く方向やサイズの条件をクリアしていれば、好みのデザインで選んでも後悔することはないでしょう。このサイズであれば、アイリスオーヤマやアクア、ハイアールやハイセンスなどのメーカーも十分選択肢に入ります。値段やデザインなどをふまえて、そのときのライフスタイル合った商品があれば購入してみてはいかがでしょうか」
 

キッチンまわり評論家のさわけんさんから、冷蔵庫を選ぶポイントやおすすめ商品を教えてもらいました。さまざまな機能、商品がありますが、買い替えの際は、選び方のポイントを押さえつつ、ご家庭にあった冷蔵庫を選びましょう。


取材・文=みりた

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