人気漫画家の婚活事情。マッチングアプリや結婚相談所に頼れなかったワケ／影木、おひとり様やめるってよ（1）

20～30代は趣味に仕事にまい進し、40～50代でいざ婚活を始めてみたら、周りは既婚者がほとんどで候補となる“お相手”を見つけることすら難しい…というのが婚活のリアル。そんななか、約4年におよぶ婚活を実らせ50歳でめでたく結婚したのが、人気漫画家の影木栄貴さん。「ウィッシュ」でおなじみのミュージシャン・DAIGOさんの姉であり、元内閣総理大臣の竹下登さんの孫としても知られています。

仕事が順調で一人で生きていく分の体力（お金）はある、だけど年齢とともに体調不良も実感する。このまま“おひとりさま”だと迷惑をかける？ 女としてもまだ終わりたくない…そんな影木さんの心の内と婚活事情を赤裸々につづった『50婚　影木、おひとり様やめるってよ』を5回連載でお送りします。今回は第1回です。

※本記事は影木栄貴著の書籍『50婚　影木、おひとり様やめるってよ』から一部抜粋・編集しました。

影木さんが結婚を報告した時の母親の反応は…

婚活のハンデ

今の時代、マッチングアプリで出会うカップルは多いし、そこから結婚に至るケースも増えてきていると思います。だけど、私は家庭環境や漫画家という境遇が邪魔をして、手を出すことができませんでした。

だって、変な男性に当たって「影木栄貴とマッチングアプリで会った」とＳＮＳで拡散されたり、リベンジポルノみたいなことをされたりする可能性もあるわけですよね。名前が知られているだけに、私のリスクが大きすぎる！

あとは、家庭環境を明かしてしまうと、お金持ちなんじゃないかとか、ＤＡＩＧＯや北川景子と家族になれるんじゃないかとか、下心を持って近づいてくる人もいるかもしれない。

かといって、「ＯＬです」と嘘をついて登録するのも、結婚を目的としているならアカンでしょう。そもそもまったく知らない人同士が出会うので、相手が本気かどうか、本当のことを言っているかどうかなんて見分けられない。遊び目的の人もいるでしょう。どう考えてもリスクが高すぎて、とてもじゃないけど私にはできなかったんです。

それなら結婚相談所はどうだろうと考えました。友達の漫画家さんがきちんとした結婚相談所に登録したら、即座に結婚を決めて子どもを産んだりしていて。マッチングアプリよりは、お金を払ってちゃんとした結婚相談所に行くほうが信頼度は高いとは思います。

ただし、結婚相談所側が、紹介してくれる人を知り尽くしているわけじゃないですよね。「結婚相談所に影木栄貴いたぜ」って吹聴する人だっているかもしれない。表の経歴はよくても、内面まで把握してるかどうかはわかりません。

以前、母から「知り合いがいい人がいるって言ってるけど会ってみない？」って言われたことがあります。私があまり結婚に乗り気じゃないときの話。偶然にもその人は私の知り合いの知り合いだったみたいで、「影木栄貴とお見合いする話が来たけど、断ってやったぜ」と言いふらしていたことが、私の耳まで届いてきました。ひどい。教えてくれた知り合いには「母ちゃんから話が来たけど、別にどっちでもいいって答えたやつかな」と反論しておきましたが。

要するに、名前を表に出して仕事をしている人は、そうやって裏で何か言われる可能性があるわけですよ。私も「ＤＡＩＧＯの姉」「北川景子の義理の姉」「竹下登の孫」という肩書きが浸透しきっていたから、そういう面では動きづらいというところはありました。有利というより不利。

そもそも、いきなり知らない人と会うのは怪しすぎて怖いです。優しくて好きだ好きだ言っていた人が、お金目的や詐欺だというのはあり得ることですし。

結局、私がまったく知らないところで出会った人を信じられない。必然的に、マッチングアプリや結婚相談所は婚活の選択肢から外れることになってしまったんです。

著＝影木栄貴／『50婚　影木、おひとり様やめるってよ』