今回のトークショーでは、韓国観光におすすめの地方都市や、その地で食べるべき必食グルメを教えてくれました。
貴重な名古屋弁に、会場は大盛り上がり!
ステージイベントのMCは、韓国エンタメファンにはお馴染みの古家正亨(ふるや まさゆき) さん。4月に「Zepp Haneda(TOKYO)」で開催された、ナ・イヌさんにとって日本初となるファンミーティングでも司会を務めました。
古家さんが名前を呼ぶと、なんとステージ上ではなく客席側からナ・イヌさんが登場。
一人ひとりに笑顔で手を振りながら、客席通路を歩いていきます。目の前を通るご本人にファンは大興奮! そしてステージに到着すると、『どえりゃあ、大勢、来とるがや』 と名古屋弁で挨拶。サービス精神旺盛な姿に、会場は歓喜に包まれました。
今回のイベントに12,000人を超える応募があったこと、4月に行われたファンミーティングのチケットは追加公演を含めて売り出した瞬間にソールドアウトしたことが紹介されると、『すごいねぇ』『ありがとうございます』 と日本語で答えます。
その様子を見た古家さんに、「まだ一言も韓国語を発していませんね」と指摘されるほど。できる限りの日本語を使い、ファンに寄り添う様子が素敵ですね。
名古屋に訪れるのは、2年前の「2022 Asia Artist Awards」以来、2回目だというナ・イヌさん。印象を聞かれると、『食べ物が、どえりゃあ、おいしいね』 と、またも名古屋弁で回答!
「何を食べましたか?」という質問には、『ひつまぶし、手羽先、きしめん』 と満面の笑みです。実は、前回の名古屋訪問で食べられなかったひつまぶしを、ずっと食べたいと思っていたのだとか。今回は、名古屋メシを満喫できたようですね。
「部長!」の声に応える、ファンミ以来の掛け合い
トークショーの前にステージで演奏された、韓国伝統楽器楽団「ARANG(アラン)」による韓国ドラマOST(オリジナル・サウンドトラック)メドレー。舞台袖で聴いていたというナ・イヌさんは感想を聞かれると、
「旋律があまりにも美しかったので、心がジーンとしました。韓国でも伝統楽器でOSTを聴くチャンスはなかなかないので、本当にすごく素晴らしい公演でした」 と語ってくれました。
そして話題は、ナ・イヌさん出演の韓国ドラマ『私の夫と結婚して』に。
古家さんの「観た人?」という問いかけに、会場にいるほとんどの人が手を挙げる中、どこからともなく「部長!」 という声が。そして、それに笑顔で応えるナ・イヌさん。実はこれ、ファンミで決まったあだ名なのです。
会場から、せーの!で「部長!」と呼ばれると、ファンミと同様、クールな部長モードで『なに?』 と日本語で答えてくれます。ファンミ 以来の掛け合いに大盛り上がりでした。
日本でも一躍脚光を浴びることになったナ・イヌさん。それを実感した出来事があったようです。
それは、渋谷のギターショップに訪れた際、日本のファンに声をかけられたこと。古家さんにうながされて、声をかけてきた可愛らしいファンの方の真似をすると、「日本のファンの特徴をよく掴んでいらっしゃいますね」と古家さん。2人の軽快なやり取りに、会場は笑い声と拍手に包まれました。
昔ながらの雰囲気と美しき自然が楽しめる「丹陽郡」
なごやかな空気の中、今回のテーマである韓国の魅力と地方都市のおすすめ観光地&グルメの話題へ。
『私の夫と結婚して』のほか、時代劇『王女ピョンガン 月が浮かぶ川』 や『哲仁王后(チョルインワンフ)~俺がクイーン!?~』、そして人気バラエティ番組『1泊2日』にもレギュラー出演していたこともあり、地方都市での撮影も多いというナ・イヌさん。
韓国の魅力を聞かれると、
「韓国は伝統と現代的なものが調和されているところが、とても魅力的です。また自然が豊かで、山が多く、四季がとてもきれいなんです。それとともに、地方ごとにとても新鮮で美味しい特産物があります」 と話してくれました。
まず、おすすめの地方都市としてステージのスクリーンに映し出されたのは、『王女ピョンガン 月が浮かぶ川』 の撮影地である丹陽(タニャン)郡の温達(オンダル)観光地 。
温達とは、高句麗の王女・平岡(ピョンガン)と結婚し、貧しい農民の身分から努力の末に将軍として頭角を現した実在の人物の名で、ドラマではナ・イヌさんが演じています。
ドラマセット場をはじめ、温達洞窟や温達山城址があるこちらは、ソウルから車で約3時間の場所に位置します。「昔ながらの雰囲気を感じられる」 のが見どころということでした。
同じく丹陽郡でナ・イヌさんが『どえりゃあ、きれい』 と太鼓判を押すのが、南漢江(ナムハンガン)という川の真ん中にある嶋潭三峰(トダムサンボン) です。
18世紀後期に活躍した天才画家の金弘道(キム・ホンド)も描いた場所だそうです。
そんな丹陽郡のおすすめのグルメはというと、にんにくトッカルビ 。
トッカルビは、粗めに刻んだカルビをミンチにして丸めたもので韓国式のハンバーグです。そこに、丹陽郡の名産品であるにんにくがたっぷり添えられています。スクリーンに映し出された写真を見て、古家さんも「これ、白いの全部にんにくなの!?」と驚くほど。
「丹陽郡はにんにくが有名なんです。これはトッカルビに、にんにくがたくさん入っていまして、とても旨みがあります。焼かれているので、匂いはそれほど強くありません」
歴史と文化の街「安東市」で、世界遺産を巡る
続いて、観光地としても有名な安東(アンドン)市の屏山書院(ピョンサンソウォン) 。朝鮮時代に建てられた書院で、2019年にユネスコ世界文化遺産に指定された9つの書院のうちの一つです。
「時代劇『哲仁王后~俺がクイーン!?~』で、最初に撮影した場所です。屏山書院の近くには川が流れているのですが、そのあたりで、私が演じるキム・ビョンインと友だちが剣術のお稽古をするシーンを撮りました」
そして、河回村(ハフェマウル) は歴史と文化の街として知られる安東市の代表的なスポットと言えます。
「とても伝統的な(景観が残る)写真です。芙蓉台(プヨンデ)という高台がありまして、そこに登って河回村を見渡しますと山に囲まれていて、とても美しく魅力的なところです」
洛東江(ナクトンガン)という川が蛇行する中に、昔ながらの家が残っているのだそう。歴史的にも重要な場所で、2010年にはユネスコ世界遺産に指定されました。「現在も一般の方が住んでいて、本当に美しい場所なんですよね」と、古家さんも絶賛のスポットです。
安東市のホットグルメは?と聞かれると、安東塩サバ と安東チムタク を挙げたナ・イヌさん。
「塩サバは、『1泊2日』のプログラムを通して知りました。塩漬けしたサバを流通するときに、必ず安東市を経由したことから有名になったそうです。チムタクは、醤油がお好きな方は、特に美味しく召し上がれると思います」
チムタクとは、鶏肉・にんじんやタマネギなどの野菜・タンミョン(韓国春雨)などを醤油ベースの甘辛ソースで一緒に煮込んだ料理で、安東市の郷土料理。古家さんいわく、「鶏肉じゃがみたい」なのだとか。
客席にも、食べたことがあるという人の姿がありました。古家さんに日本語を教わりながら、『どうでしたか?』 とナ・イヌさんからの問いかけが! 会場からは、「チンチャマシッソヨ(本当においしい)!」の声が返ってきました。
実は、古家さんの留学時代には安東エリアでしか食べられなかったというチムタク。現在ではソウルなどでも食べられるようで…
「とても現実的な話になってしまいますが、今はフランチャイズ化が進んでいて、名古屋の食べ物を東京で食べられるのと一緒です。(安東エリアでしか食べられなかったのは)僕が生まれる前の話ですね(笑)」とナ・イヌさん。
その言葉に、ジェネレーションギャップを感じる古家さんでした(笑)
まるで絵画のような美しい景色やユネスコ世界遺産に登録されたスポットなど、魅力満載の韓国。行ったことがあるというスポットもあれば、気になっていた、知らなかったという観光地もあったのではないでしょうか。
また一度訪れたことがあるスポットでも、ナ・イヌさんが教えてくれた見どころを意識すれば、新たな発見があるかもしれません。ぜひ、地元グルメと共に満喫してみては。
まだまだ紹介しきれないおすすめスポット&グルメは、後編でご紹介していくのでお見逃しなく!
文=松田 支信