1年よりも1日の方が長い⁉「水星」の1日は地球時間の176日だった!/人類なら知っておきたい 地球の雑学(9)
地球上で起きていること、どれだけ知っている?
この地球で当たり前に感じていることでも、うまく説明できないことがありますよね。例えば、「青い空が夕暮れに赤く染まるのはなぜ?」「台風が日本列島めがけてやってくる理由は?」
そんな地球に生きる私たちが知っておくべき「理系雑学」をご紹介します。太陽系を含む地球の歴史をはじめ、地球上で成立した大自然や気候、動植物、資源など、地球をめぐる大疑問にスッキリ回答!あらためて考えると、私たちはこの地球にまつわるさまざまなことを、じつはほとんど知らないのかもしれないかもしれません。
※本記事は雑学総研著の書籍『人類なら知っておきたい 地球の雑学』から一部抜粋・編集しました。
1年より1日の方が長い⁉ 「水星」の不思議
1日が24時間で1年は365日というのは、地球では常識だ。しかし、ほかの惑星にいくとそうとはかぎらない。たとえば、太陽系惑星の中でいちばん太陽の近くにある水星。その距離は5790万キロメートルと、地球と太陽の距離の5分の2しかないことから、地球時間の約88日で太陽を1周してしまう。
一方、こうした公転周期の短さに対し、水星の自転は非常にゆっくりとしている。自転の周期は約59日と、1回公転するあいだに1回半しか自転しない。つまり、水星の1日は地球時間の176日なのに、1年は約88日という、不思議な逆転現象が起きていることになるのだ。
また、自転がゆっくりしていることから、88日間にわたって昼が続いたあと、88日間も夜が続く。加えて、熱をさえぎる役目を果たす大気が、水星にはほとんど存在しないため、太陽に照らされる昼はどんどん気温が上昇し、逆に太陽のあたらない夜は急激に気温が下がる。その結果、昼間の気温は320~430℃に達するが、夜の気温はマイナス160~170℃と、太陽系の中でもっとも昼と夜の気温差が激しい惑星となっている。
ちなみに、こうした昼夜の激しい寒暖差があることから、探査機による水星探査は困難をきわめている。これまで水星に近づいた探査機は、アメリカの「マリナー10号」と「メッセンジャー」の2機しかいない。ただ、その2機の観測により、水星の表面には非常に多くのクレーターがあることがわかっており、クレーターそれぞれに、画家のムンクやダリ、小説家のエドガー・アラン・ポー、日本人では松尾芭蕉や井原西鶴といった、文学者や芸術家の名前がつけられている。
著=雑学総研/『人類なら知っておきたい 地球の雑学』
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