スイーツもおまかせ! いま話題の「ライスジュレ」はグルテンフリーの新食材
小麦アレルギーだから、パンもケーキも控えている――。これからは、こういったガマンも少なくなるのかもしれません。昨年12月12日、ヤンマーが水と米だけで作る新食材「ライスジュレ」の量産に成功したと、朝日新聞デジタルが報じました。
グルテンフリーだけでなく、食品添加物を含まない安全な食材として注目を集めている「ライスジュレ」の特長と、料理への応用の可能性を紹介します。
すでに外食でも採用!ゲル化したお米
新食材「ライスジュレ」とは、端的に言えば米と水だけで作られた「お米のゲル」です。お米由来の粘りが十分に出ているので、増粘剤やゲル化剤などの食品添加物を使わなくても、粘りやコシを出せます。
なにより、米だけで作っているので、小麦アレルギーの原因とされるたんぱく質の一種、グルテンをいっさい含みません。小麦アレルギーでも、「ライスジュレ」で作られたパンやうどんなら安心して食べられるのです。
すでに大阪のお好み焼きチェーン『千房』では「ライスジュレ」を採用し、グルテンフリーのお好み焼きメニューの提供がスタートしているそうです。このように、外食産業でも採り入れられるようになれば、小麦アレルギーの方が食べられるメニューの幅が広がりそうですね。
米粉にはないメリットがたくさん!
米を使ったグルテンフリー食材といえば「米粉」もありますが、今回話題となった「ライスジュレ」は、どこが違うのでしょうか?
一番の違いは「コスト」です。農林水産省でも、「日本人の米離れ」を懸念して、米の新たな利用法として「米粉」の増産に取り組んできました。しかし、ヤンマーの公式サイトに掲載された、ライステクノロジーかわち株式会社の橋本氏、杉山氏のインタビューによると、小麦よりも硬い米の製粉はコストがネックになっていたんだそうです。
その点、「ライスジュレ」はゲル化するだけなので、製粉するよりもコストがかからずに済むそうです。じつは、このゲル化自体も偶然の産物で、インタビューによると「おかゆの米粒を潰すためにフードプロセッサーにかけた」ことが、この画期的な発明につながったのだとか。
コストが低いということは、製品化もしやすいうえに、外食にも採り入れやすいということです。さらに、「ライスジュレ」は米の風味が米粉より少なくて料理に使いやすい、高い保水性のおかげで弾力が維持しやすいというメリットもあります。
米の新たな可能性として、にわかに脚光を浴び始めた「ライスジュレ」。今後の商品展開や食材としての活用法に注目していきましょう。