なぜ睾丸はわざわざ体の外に出ているのか 眠れないほど面白い地球の雑学(107)【連載】

#趣味   


◇◇◇

なぜ睾丸はわざわざ体の外に出ているのか


動物の精子は、股間にぶら下がっている陰嚢(いんのう)の中におさめられた精巣という器官でつくられる。そして、人間を含めた哺乳類の精巣は、固い被膜で包まれた丸い形をしていることから、睾丸(こうがん)と呼ばれている。

睾丸は、種を繁栄させる精子のほかにも、男性ホルモンをつくり出すことから、男性が男性であるために必要不可欠な部分といえるが、なぜか無防備に外に飛び出している。脳や心臓などの臓器と同じく、体内におさめて保護したほうがよいと思えるが、あえて体の外にぶら下がっているのには、それなりの理由がある。

じつは、精子は熱に弱い。精巣でつくられるためには、体温よりも低い34~35℃という温度環境が必要で、温度が高くなるほど精子が形成されにくくなる。つまり、体内におさめてしまうと、温度が高くなりすぎてしまうのだ。陰嚢がシワシワになっているのも、同様の理由からである。暑いときには伸びて熱を逃し、寒いときには縮むことで放熱を防ぐという、温度調節の役割を果たしている。

また、陰嚢の中にある二つの睾丸の高さや大きさは、それぞれ異なっている。その理由は、運動時に左右がぶつからないようにするため。あるいは、衝撃を受けた際に力を分散できるよう、位置に差がつけられている。さらに、左右差があることは、睾丸の熱の拡散にも役立っていると考えられている。

精子は射精によって体外に出ると、37℃の温度で24~48時間ほどしか生きられない。ただし、マイナス100℃で凍結すると、何年でも保存することが可能だ。

著=雑学総研/「人類なら知っておきたい 地球の雑学」(KADOKAWA)

この記事に共感したら

Information

人類なら知っておきたい 地球の雑学


人類なら知っておきたい 地球の雑学
思わず誰かに話したくなる「理系のウンチク」が満載! 職場で家庭で、日々の「雑談」に役立つ、動植物・天体(太陽系)・人体・天気・元素・科学史など、「理系ジャンルネタ」が存分に楽しめる必読の一冊です!

▼単行本情報はこちらから

著者:雑学総研
珍談奇談の類から、学術的に検証された知識まで、種々雑多な話題をわかりやすい形で世に発表する集団。江戸時代に編まれた『耳袋』のごとく、はたまた松浦静山の『甲子夜話』のごとく、あらゆるジャンルを網羅すべく、日々情報収集に取り組んでいる。


本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています。

LINEお友だち追加バナー

おすすめ読みもの(PR)

プレゼント企画

プレゼント応募

\\ メルマガ登録で毎週プレゼント情報が届く //