体の芯まで温まる入浴は、健康や美容に大変効果的です。でもどんな効果があるの? シャワーではダメなの? と考えてみると、はっきりとした答えは見つかりません。そこで、東京都市大学人間科学部教授で温泉療法専門医である早坂信哉先生に温泉や自宅でできる「正しい入浴法」について詳しく教えていただきました。


高血圧、肩こり、乾燥肌…「気になる不調」別オススメ入浴法 画像(1/2) 40度程度のぬる湯がオススメ。自宅での入浴はこの方法が〇(2)

入浴は40 ℃程度のぬる湯で。長湯の際は半身浴を

入浴には、体を温めて新陳代謝を活発にしたり、体をリラックスさせるなど、さまざまな効果があります。ですが、残念なことに、入浴中の事故で亡くなる人は年間1万9000人にも上ります。原因は明確ではありませんが、脳卒中や心臓発作、熱中症などが主な症状です。


そこで、安全で快適な入浴法を下記にまとめてみました。

「お風呂は、わずかな温度差で効果が劇的に変わります。健康のためには、基本的に40 ℃より低いぬるめの湯がおすすめ。年齢が上がると温度に鈍感になりやすいので、給湯器の温度が40 ℃程度になっているかを確認するようにしましょう。また、湯に長くつかると体温が上がり過ぎるので、半身浴をしたり、浴槽から出たり入ったりを繰り返すなど、体を休ませながら入浴してください」(早坂先生) 。


 


入浴事故防止にも役立つ! 安心安全なお風呂の入り方

(1)脱衣所と浴室を暖める

脱衣所には暖房器具を置き22~23 ℃に設定を。浴室は、浴槽の湯に当たるようにシャワーを3分程度出して暖めておきます。また、浴槽のふたを外して湯を張るのもおすすめ。


(2)水分をとる

入浴前後はコップ1杯の水やお茶を飲みましょう。入浴前に緑茶を飲むとカテキンの吸収量は通常の約7倍に。カテキンには脂肪の吸収を抑える他、抗酸化作用もあります。


(3)かけ湯をする

手や足の先から体の中心部、頭へと、1回ほどに分けて湯をかけます。もちろんシャワーでもOKです。


(4)湯舟につかる

湯につかる際は足先からゆっくり入り、まずはみぞおち辺りまで。その後、ゆっくり肩までつかりましょう。少しずつ体を慣らしていくのが、安全に入浴するコツです。ただし、心臓や肺に疾患のある人、肩までつかると苦しい人は半身浴 (みぞおち辺りまでつかる) にしましょう。


(5)洗い場で 髪や体を洗う

一度、お風呂で温まった後の 方が、毛穴が開いて皮膚の汚れが落ちやすくなります。せっけんを使う場合はよく泡立てて、手で優しく肌をなでます。ゴシゴシとこすりません。


(6)全身浴をする


(7)風呂から出る


(8)水分をとる


(9)休息する

入浴後は素早くタオルで体を拭き、 体が冷えないうちに毛布や布団にくるまって横になり、安静を保ちます。 すると、体温が適正に保たれ、疲労回復効果を期待できます。



高血圧、肩こり、乾燥肌…「気になる不調」別オススメ入浴法 画像(3/2) 40度程度のぬる湯がオススメ。自宅での入浴はこの方法が〇(2)

体のトラブルに合わせた入浴法で体質改善!

入浴には、さまざまな効果があります。そこで、体の痛みやむくみ、肌の乾燥など、普段から感じやすい不調に合わせた入浴法を、早坂先生に教えていただきました。ぜひ、体質改善に役立てましょう。

 


【高血圧】⇒湯の温度:38~40℃ つかる時間:15分

●ぬるめの湯は血管を広げて血圧を下げます。毎日、38~40℃の湯に続けて15分程度つかりましょう。

●脱衣所は暖かくしましょう。寒い脱衣所から42℃以上の熱い湯に入り、また寒い場所に戻ると、血圧が上がり続けます。

●熱い湯は交感神経を刺激して血圧を上げるのでNGです。



【むくみ】⇒湯の温度:40℃ つかる時間:20~30分(汗ばんだら一旦湯舟から出ます)

●40℃の湯をたっぷりと浴槽に張り、合計で20~30分入浴すると、足に水圧がかかり、足にたまった血液や体液が心臓に戻り始めます。すると、血流も良くなってむくみを解消できます。

●お風呂の中で脚の曲げ伸ばしをしたり、足先から心臓に向かって体液を押し流すようにマッサージするとさらに効果的。



【肩こり】⇒湯の温度:40℃ つかる時間:10分

●お風呂に入ることで血流が良くなり、筋肉が弛緩します。肩までしっかりつかる全身浴で温めましょう。

●肩まで湯につかったら、肩や首を回すなどの運動をして、肩の周辺の筋肉をほぐすとさらに効果的です。

●慢性的な肩こりの人は、毎日の入浴で肩こりの緩和を。



【乾燥肌・美肌】⇒湯の温度:38~40℃ つかる時間:15分

●肌の水分は入浴後10分もすると抜けていきます。長湯すると、皮脂が溶けて保湿成分が流出するので避けます。

●体を洗う際は、泡でなでる程度で。ゴシゴシ洗いは禁物。

●お風呂の中で保湿ケアできる入浴剤や保湿パックなど、浴室内保湿剤(インバスケア)を使うと効果的です。

出典:『たった1℃が体を変える ほんとうに健康になる入浴法』(KADOKAWA)



監修=早坂信哉 文=笑(寳田真由美)

※この記事は『毎日が発見』2018年3月号に掲載の内容です。