風邪のときの入浴はOK? 加齢臭を防ぐためのシャワーは朝夜どっち? 健康入浴法Q&A

#くらし   

体の芯まで温まる入浴は、健康や美容に大変効果的です。でもどんな効果があるの? シャワーではダメなの? と考えてみると、はっきりとした答えは見つかりません。そこで、東京都市大学人間科学部教授で温泉療法専門医である早坂信哉先生に温泉や自宅でできる「正しい入浴法」について詳しく教えていただきました。

この入浴法で腰痛、眼精疲労、不眠、うつを解消!(3)


慢性的な腰痛対策や快眠のための入浴法も!


前回に続き、不調の解消や質のよい睡眠のための入浴法を早坂先生に教えていただきました。日々の健康管理に役立てましょう。

【腰痛】⇒湯の温度:40℃ つかる時間:15分

●慢性的な腰痛は温めることで痛みを緩和できます。

●入浴すると、浮力によって腰の負担が軽減されます。筋肉による痛みの場合、血流が良くなり大きな効果が見込めます。

●ぎっくり腰などの急性の腰痛の場合は、炎症が起きているので、1週間ほど入浴は避けた方がいいでしょう。

【眼精疲労】⇒湯の温度:38~40℃ つかる時間:15分

●入浴で体を温めることで血流を良くして、目の周辺に酸素を送り込むことで疲労物質を取り除くことができます。

●湯舟で蒸しタオルを目の上に当てるとより効果的。

●目をつむって、42℃のシャワーを目の周囲に当てることでも、目の疲れが取れて眼精疲労が回復します。

【不眠症】⇒湯の温度:40℃ つかる時間:20分(汗ばんだら一旦湯舟から出ます)

●寝る1~2時間前に入浴で体を温めることで、眠りたい時間にちょうど体温が下がっていき、眠りやすくなります。

●脳が興奮して眠れないタイプの人は、ぬるめの湯にゆっくりつかり、副交感神経を優位にして脳を静めましょう。

●不眠の原因となる考え事があるときは、浴室で気分転換を。

【うつ状態】⇒湯の温度:42℃ つかる時間:5分/⇒湯の温度:38~40℃ つかる時間:20分

●何もやる気が起きない、抑うつ状態が強い場合は、42℃程度のお湯に5分ほど入り、交感神経を刺激します。

●イライラや焦燥感がある場合は、38~40℃の湯に20分ほどゆったりと入り、副交感神経を優位にしましょう。

●お風呂に入るのも面倒なほど重度の場合は専門医に相談を。

出典:『たった1℃が体を変える ほんとうに健康になる入浴法』(KADOKAWA)

この入浴法で腰痛、眼精疲労、不眠、うつを解消!(3)-2


風邪をひいているときの入浴は? 加齢臭対策の効果的な方法も!


普段何げなく行っている入浴ですが、意外と知らない事実がたくさんあります。あなたは、何問分かりますか? クイズに挑戦してみましょう。

Q1.健康のために適した入浴温度は?


A 40℃

B 42℃

答え A


お風呂は、わずかな温度の差で体に働く効果がまったく違ってきます。42℃以上の熱い湯に入ると、交感神経が高ぶって興奮状態になるため、血圧が上がり、脈が速まり、汗をかき、筋肉は硬直しますが、胃腸の働きは弱まります。一方、40℃程度のぬるい湯に入ると、副交感神経が優位となり心身がリラックスします。血圧は下がり、汗もかかず、筋肉も緩み、胃腸も活発に働いて消化が良くなります。健康維持のためには、体に優しい40℃以下のぬるま湯がおすすめです。

Q2.コレステロール値が高めの人は?


A 湯の温度を熱めにする

B 湯の温度をぬるめにする

答え B


コレステロール値が高い人は、血管が弱っています。高温の湯につかると、血圧が急に上がり、特に血管に負担をかけてしまいます。そのため、コレステロール値の高い方は、高温の湯につかるのは避けましょう。お風呂の温度は40℃までのぬるめに設定します。つかる時間は長くても15分までと覚えておきましょう。特に寒い時期の入浴は、湯の温度だけでなく、あらかじめ脱衣所や浴室を暖めるなど、十分気を付ける必要があります。

Q3.風邪をひいているときの入浴は?


A 入浴してもいい

B 入浴は避けた方がいい

答え A


37℃前後の微熱であれば、入浴しても問題ありません。ただし、湯冷めには気を付ける必要があります。また、高熱があるときや疲れが激しいとき、体力が落ちているときは、入浴することで体調が悪化する危険があります。そういった場合は、無理に入浴せず安静にしていましょう。体温を上げることで抗ウイルス作用のあるリンパ球が活発に働くという研究もあります。風邪はウイルスの感染により起こるので、予防のためにも、シャワーよりも体温が上がる入浴をするのがおすすめです。

 

Q4.お風呂に入浴剤を入れるときは?


A 目的(期待できる効能)で選ぶ

B 特にこだわらずどれでもいい

答え A


入浴剤はお風呂の効果を高めるもので、積極的に使うことをおすすめします。使用する際は、目的に合ったものを選びましょう。入浴剤には、無機塩類による保温効果の高いもの、植物エキスや油分などによる保湿効果の高いもの、炭酸水素ナトリウム(重曹)による清浄効果の高いもの、色や香りによるリラクゼーション効果の高いものなどがあります。また、お店で購入する際は、効果がしっかりと認められている「医薬部外品」か「浴用化粧品」と記されたものを選べば、間違いありません。

 

Q5.加齢臭を防ぐためには?


A 朝、シャワーを浴びる

B 夜、シャワーを浴びる

答え A


加齢臭が気になる方は、朝の熱いシャワーがおすすめです。加齢臭の原因は皮脂といわれており、加齢に伴って皮脂に含まれるようになる「9-ヘキサデセン酸」が酸化分解してにおいが発生します。対策としては、朝、41℃のやや熱めのシャワーを1分ほど浴びます。これだけで、夕方まで効果があるという研究があります(東京ガス・都市生活研究所ホームページより)。もちろん、夜はゆっくりと湯舟につかり、においの元となりそうな体の部位や頭をよく洗うなど、清潔を保ちましょう。

監修=早坂信哉 文=笑(寳田真由美)

※この記事は『毎日が発見』2018年3月号に掲載の内容です。

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Information

■教えてくれた人:早坂信哉(はやさか・しんや)先生
東京都市大学教授、温泉療法専門医。著書に『たった1℃が体を変える ほんとうに健康になる入浴法』(KADOKAWA)、『入浴検定公式テキストお風呂の「正しい入り方」』(日本入浴協会)など。テレビ、ラジオ、雑誌にも多数登場。

取材・文/笑(寳田真由美)

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※この記事は毎日が発見ネットに掲載された情報です。



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