片づけに何度取り組んでも挫折してしまう……そんな人にこそ試してほしい、最強の片づけ法が生まれました。ズボラなあなたもぐんぐんモチベーションが上がり、エンタメとして楽しむうちに、二度とリバウンドしない片づけが完了します。心にゆとりが生まれ、理想の人生を歩みはじめるきっかけともなる必見の片づけ法です。

※この記事は『なかなか捨てられない人のための 鬼速片づけ』(吉川永里子/アスコム)からの抜粋です。


「思い出ボックス」で「思い入れ」の残量を制限。1年更新で見直して 鬼速片づけ(7)【連載】 画像(1/1) 「思い出ボックス」で「思い入れ」の残量を制限。1年更新で見直して 鬼速片づけ(7)

思い出の品はどうすればいい?

「思い入れ」を整理する、もうひとつの方法が「思い出ボックス」をつくることです。

昔のアルバム、手紙、記念品、思い出の品、愛がいっぱいのモノ。

生きていくためには必要ないけれど、メンタル面で頼りになる、切っても切れない縁を感じる。そういう想いがあるうちは、決着がつくまでそっとしておきましょう。


「ヒモ」と呼ぶのは失礼なので、「幼なじみ」とでも呼びましょうか。輝かしい栄光の歴史があるモノたちなので、殿堂入りの記念館をつくってあげます。

具体的には、箱です。

でも、保留ボックスとは違って、こちらは保存するための箱。


だからダンボール箱はおすすめしません。ダンボールはあくまで梱包材(こんぽうざい)で、湿気に弱く、長期保存に向かないからです。

大事なモノだから、ちゃんとしたところにお休みいただきましょう。


うちではプラスチックのロック付きボックスを使っています。

種類はなんでもいいのですが、私から強くおすすめしたいことがあります。

思い出ボックスは、ひとりひとつ、と決める。


愛のキャパシティは限られています。「愛÷モノの数」で、数が多いと、ひとつに対する愛は小さくなってしまいます。思い出ボックスも、たくさんありすぎて見きれないのでは意味がありません。大きすぎて気軽に取り出せないのなら、残酷な言い方ですが、ゾンビと同じです。


そして、何が入っているか覚えていられる数にする。これがとても大事です。


あまり思い出が多すぎると重荷になって、前に進むパワーが弱まってしまいます。

思い出の役割は、いまの自分に元気や勇気をくれること。そのシンボルとして残しておくモノは、一箱に入る量で十分です。


過去のために、いまを犠牲にするのはやめましょう。

家族全員が平等にひとつずつ。その中身についてはお互いに干渉しません。

家族とはいえ、それぞれ思い入れや大切にしたいことは違います。そこに立ち入るとケンカや不仲のもとになってしまいます。


ある50 歳の男性は、小学生のときに書いた絵日記をずっと持っていました。

初任給からずっと、すべての給与明細を保管している方もいました。

どちらも、「がんばった証(あかし)だから捨てられない」と言っていました。

取っておくことでプラスの気持ちを生むようなモノ、これがあるからがんばれる、幸せを思い出してほっこりできる、エネルギーになる。それは本人にしかわかりません。


この思い出ボックスも、鬼速片づけのスピードをさらに後押ししてくれます。

ある音楽家夫妻は、昔の楽譜やレコードが大量にあり、なかなか片づけが進まないことがありました。もう使っていないモノ、これからも使わないモノがほとんどだけれど、「でもね」「これはね……」と始まって、まったく作業がはかどらないのです。


そこで私は、「『思い出ボックス』をつくりましょう」と提案しました。「思い出ボックス」も、要するに「保留」なのですが、動機がちょっと違います。


保留ボックスに入れるモノは「まだきれいだから」「もったいないから」という理由がほとんどです。ちょっと打算が入っています。


思い出ボックスに入れるのは、「使わないけど好きだから」「思い出だから」という想いです。これがあることで喪失感や罪悪感を感じずに整理を進められます。だから片づけが嫌になりません。


とはいっても、思い出ボックスは、ひとりひとつ。

いずれ満タンになったら、ぜんぶ出しをして整理しなければなりません。

でも大丈夫です。久しぶりに見てみると、思い入れの程度にも温度差が生じているのがわかると思います。やっぱり大事!と思うモノと、もういいと思えるモノ。


昔の彼との思い出の品。「新しい彼ができたのに、やばい!捨てなきゃ」。


小学校1年生のときにつくった作品。「かわいいと思っていたのに、なんだ、これ?」。「こんなモノが入ってた」「そういえばここに入れたんだ」と、つい苦笑いしてしまうようなモノは、幼なじみもそろそろ引退です。


人の心はよくできていて、1年もたてば、たいていのことが新しく更新されて、気持ちは上書きされます。思い出ボックスから過去のモノを取り出すと、もっと大事なモノが、いま、また生まれていることが実感できます。


逆に言うと、いまは手放せないモノも、気持ちも、いつか「もう、いいかな」と思えるときが必ず来ます。だから、いまはいろいろあっても大丈夫。


これからも生きていく限り、思い出のモノは増えていくと思います。

そのたびに、思い出ボックスに入れればいい。

でも、入れるたびにすべての思い出を見直して、気持ちを更新していきましょう。


著=吉川永里子