「脱しんどい片づけ」の3つのコツとは!?「片づけがしんどい」というあなたのための処方箋(3)

毎日、片づけては散らかり…を繰り返し、それでも徐々に汚くなる家にイライラしながら時間ができたら家じゅう片づけよう!と思う(でもそんな日は来ない)。
少しでも快適に、と思うものの正直しんどい。私もそんな一人です。
今回、その思いを受け止めてくれたのは『家事は8割捨てていい』など家事に関する著書を多数出している佐光紀子さん。
小手先の片づけ術ではなく、もっと根本的に片づけをしんどくなくするには、自分自身の意識と、家族との関わり方を変えることでした。
「片づけられない私はダメ人間、と思うのはやめましょう!」ということばを胸に、片づけのしんどさから一緒に解放されましょう。連載第3回目です。
今回助けてくれるのは…
◇佐光紀子さん/翻訳家、ナチュラルライフ研究家◇

佐光さんが実践!「脱しんどい片づけ」のコツあります!
成人した3人のお子さんを持つ佐光さん。
お宅にはお子さんの小さい頃から積み上げた、しんどさ脱却の知恵と工夫があちこちにありました。
具体例とともに3つのコツを佐光さんに教えてもらいました。
コツその1▷“私はこれが苦手”と、家族に知ってもらう
例えば私は「やらないといけないことリスト」が増えていくと、途中から頭の中が崩壊します。
それを家族に伝え続けると、次第に家族も「これ以上はお母さん無理だな」と、自分で動きだします。
〜佐光さんはこうしてます〜
食事の支度・片づけを私任せにさせない「オープン食器棚」を設ける

何品か料理を並行して作りながら、それぞれに必要な食器を出して並べて……。
私は同時にいくつものことができないので、食器を出したりしまったりするのは、家族に任せることにしました。
そのために、食器棚はリビングに。一目で見渡せるように、奥行きが浅いオープン棚を選んだのがポイントです。
私がパスタを大皿に盛って出すと、子どもたちが取り皿を自分で出す仕組みに。
しまう場所が明快なので「片づけお願い」と、手伝ってもらいやすくなりました。

「きょうはスープパスタだから深めのお皿を準備してね!」(佐光さん)
〜佐光さんはこうしてます〜
プリントは各自が引き出しに入れて、連絡をシステム化

子ども3人から同時に学校や習い事のプリントを手渡しされると混乱したので、各自の引き出しを設け、そこに入れる約束にしました。
引き出し内の連絡事項については私が責任を持ちますが、突然「お母さん、なんで用意してくれなかったの?」といわれても引き出しにないものは子どもの責任。
子どもも何度か失敗すると、学んでプリントを入れるようになりました。
今は子ども宛ての郵便物をここに仕分けています。

「学校からのプリントを入れてくれたらお母さん見るよ!」(佐光さん)
コツその2▷よく使うものは使う所に!片づけない置き場をつくる
いざ使うときになって、必要なものがない!と家族が焦っているときこそ、最大のモメるタイミング。
なぜか家族のイライラの矛先は私に向きます。
それが嫌で、誰にも文句をいわれないよう、使う所に置き場をつくりました。
〜佐光さんはこうしてます〜
掃除用具は リビングにつるして誰でも手に取れる状態に

掃除って〝誰がやるんだ問題〟を抱えながら、無言でけん制し合ったりしませんか?
ただでさえ、おっくうになりがちなので、用具をしまい込んだらそのまま放置される危機感もあり、リビングに掃除用具をつるしました。
「ホコリが気になるな」と思った人が、パッと手を伸ばせる領域に掃除用具を置いたことで、部屋がきれいになる達成感を家族みんなが実感できるようになりました。

「廊下に出るついでに、ちょっとホコリ取ってもらっていいかな?」(左光さん)
〜佐光さんはこうしてます〜
“畳む”片づけをなくしたハンガー収納

子どもが小さい頃、息子は畳んである服を取り出し「長袖だった! きょうは半袖着る」と何枚もぐちゃぐちゃにし、娘は何着もファッションショーをして、そのまま。
みんなが登校したあと、1人で服を畳むストレスったら……。
そこで日常着をハンガーに掛けることに。
息子が半袖や長袖を選ぶときも、娘がコーディネイトを決めるときも一目瞭然。畳む負担が消えました。

「きょうは暑くなるから、半袖の服を選ぶといいよ!」(左光さん)
〜佐光さんはこうしてます〜
外で使うものはすべて玄関で一括管理

外で使うものは、玄関に置いています。
一時期、家にビニール傘が増え過ぎて玄関の片づけに行き詰まり、折り畳み傘を持ち歩くようにお願いしました。
紺色で無地のものを数本置いておけば、共通で使っても違和感がありません。
自転車の鍵やポケットティッシュなどもまとめています。
帰宅時にここへ戻すだけなので、リビングが散らかることもありません。

「きょうは雨が降るから、折り畳み傘持っていったら?」(左光さん)
コツその3▷「あれどこ?」と聞かれないように家族共有の保管場所をつくる
「あれどこ?」「あれいつ?」と家族に聞かれても、私はスマホのように何でも答えられません。
そこで、自分で探せるスペースを設置。
また、みんなが共通して持っている分野は持ち寄ることで二重買いが減り、会話も増えます。
〜佐光さんはこうしてます〜
個人所有だったマンガや文具類はリビングに持ち寄る


学校で使う分度器や定規、のり、付箋紙や方眼用紙などはもともと個別に管理していましたが、当時はあれがない、これがないと大騒ぎでした。
あるとき、みんなの手持ちを集めたら、文具類や学校で使う辞書、マンガもカブリが発覚。誰かが欲しいものは、ほかの誰かが持っている場合もあると分かり、リビングに集約しました。
「最新刊を買うので、誰も買わないで」とLINEで連絡し合ったり、感想を話し合ったり、今も会話のきっかけになっています。

「ない!と慌てないでまずここをチェックしてね!」(佐光さん)
〜佐光さんはこうしてます〜
アルバムはいつでも見られるようにわかりやすく並べる

家族の写真は、1年に1冊と決めてアルバムを作っています。
根気のいる作業なので、毎年大好きなテニス中継を見ながらやっています。
リビングにこれがあると、「あれいつだっけ?」と思い出を振り返るときに活躍。
たくさん写真を撮っても、結局スマホやデジカメに埋もれたままというのはもったいないことです。
最近は子育ても落ち着いたので、旅行やイベントごとにフォトブックを作成。
そのあとはデータも消してスッキリさせています。

「2006年の出来事だったかな?アルバム見れば分かるよ!」(佐光さん)
延々と終わらない片づけのアリ地獄……と1人で抱え込む気持ち、よく分かります。
でも結局、片づけは家族全員が快適に暮らすためのもの。
周りの家より少し散らかっていたって、うちはうち。家族がみんなでうちの中をよりよくしよう!と円満に協力し合える仕組みや環境を整えていくことが、未来のあなたをきっと助けてくれるはずです。(左光さん)
次回からのテーマは「片づけのハードルを下げてみよう!」。
どうしても片づかない人へ、ハードルをどんどん下げていく方法を知的家事プロデューサーの本間朝子さんに教わります。
【レタスクラブ編集部】
Information
『「片づけがしんどい」というあなたのための処方箋』▼掲載話一覧
◇佐光紀子さん/翻訳家、ナチュラルライフ研究家◇
翻訳をきっかけに重曹などの自然素材を使った家事に目覚め、研究を始める。以降、講座や執筆活動を展開。
上智大学大学院で日本の家事の在り方を研究し、2016年に修士号を取得。2男1女の子どもたちは、全員社会人に。
著書『家事のワンオペ脱出術』¥1,400 がエクスナレッジから発売中。
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