書いたら気持ちがラクになる!〈禅僧の精神科医に教えてもらう〉一日一禅 10日間練習帳 画像(1/9) 書いたら気持ちがラクになる!一日一禅 10日間練習帳

「絵でも、好きなことばでも、自分の名前でも、書いているとなんだか心が落ち着く!」という編集部員の実体験が、今回の企画のきっかけ。

どうせ書くならありがたい文字がいいよね!!ということで、禅僧で精神科医の川野泰周さんに最適な「禅語」を精選していただきました。


今回教えてくれたのは▶︎川野泰周さん/臨済宗建長寺派林香寺住職、RESM新横浜 睡眠・呼吸メディカルケアクリニック副院長。

書いたら気持ちがラクになる!〈禅僧の精神科医に教えてもらう〉一日一禅 10日間練習帳 画像(3/9) 【画像】今回教えてくれたのは▶︎川野泰周さん

なぜ「書くこと」で気持ちがラクになるの?禅と精神と心の関係

書いたら気持ちがラクになる!〈禅僧の精神科医に教えてもらう〉一日一禅 10日間練習帳 画像(6/9) なぜ「書くこと」で気持ちがラクになるの?

「現代の人は、常にあらゆる情報が自分の周りで飛び交い、複数の物事に同時に注意を向けています。

人間が一度に発揮することができる注意力には限りがあることが分かっており、エネルギーを使い切ってしまうと脳疲労を起こすため、上手に使うことが大切」と川野さん。

心理療法として注目されている「マインドフルネス」は、このエネルギーをチャージできるといいます。

「実は、禅の精神そのものがマインドフルネスにつながるんです。

禅は日々の暮らしの一つ一つを大事にし、心のあり方を受け入れること。

書くことに集中することでよけいなエネルギーを使わず、心に余裕が持てるのです」

書いたら気持ちがラクになる!〈禅僧の精神科医に教えてもらう〉一日一禅 10日間練習帳 画像(12/9) おすすめの禅語 1〜3日目

◯ 一日目__ 行住座臥(ぎょうじゅうざが)

「行く」「止まる」「座る」「横になる」の4つの動作。禅は、作務(さむ)をして坐禅をして、寝るという日常生活がすべて修行。常に自分のふるまいに専心することで、自然と心が整ってきます。

『日常生活のすべてのふるまいを意識し、一つ一つ丁寧に行動することが、自分を律する「智ち慧え」の一つ。』


◯ 二日目__ 看脚下(かんきゃっか)

暗闇を歩くときは、つまずかないように「足元をしっかり見て!」という意味。つまり、人生の闇に迷ったときこそ自分自身の足元をしっかり見据え、なすべきことを見極めることが大切です。

『自分が今いる場所をしっかりと見ることも、自己と向き合うための智慧。これまでを見直し、前に進んで。』


◯ 三日目__ 諸行無常(しょぎょうむじょう)

この世界のすべての事物は日々刻々と変わっていき、「今」や「きょう」という時間は二度と巡ってこないということ。だからこそ、心を「今」に置いて味わうことが大切だと教えてくれています。

『変わっていくことを恐れず、「今」を大事にする智慧があれば、不安や悲しみも減り、心が軽くなるはず。』



禅語を書くときの心得五カ条


一、書くためだけの場所をつくる

書くことに集中できるよう、環境を整えることから。

例えば、日の当たる窓際や畳の部屋に机を置き、いつもとは違う空間をつくります。

机の上や周りもすっきりさせて。


二、背筋を伸ばし、深呼吸をする

机に向かい、いすに座るか正座をしたら、背筋を伸ばします。気持ちを切り替えるために、1〜2分、深呼吸を。音楽やテレビの音は消し、スマホからも離れるのがベスト。


三、丁寧に書くことに集中する

自分にとって書きやすいスピードで書いてOK。

ただし、点や払い、止め、伸ばす部分など、文字を書くときのペン先の動きに集中し、丁寧に書くことを意識します。


四、書いた禅語を一日の標語にして過ごす

書くこと自体に瞑めい想の効果がありますが、せっかくなら禅語の意味をしっかり頭に入れて、一日を過ごしてみて。

禅の精神を取り入れることも心を軽くするのに役立ちます。


五、書きたいときに好きなだけ書く

リラックスしたいと思うときに、5分でもよし、20〜30分かけてもよし。

練習帳に書き切れない場合は、別の紙を用意して、自分がすっきりするまで好きなだけ書きましょう。

書いたら気持ちがラクになる!〈禅僧の精神科医に教えてもらう〉一日一禅 10日間練習帳 画像(19/9) おすすめの禅語 4〜6日目

◯ 四日目__ 知足(ちそく)

いくらお金やものをたくさん持っていても、必ずしも心が満たされるとは限りません。「足りていることを知る」という心を持つことが、本当に満たされた人生をもたらすのです。

『いくらお金やものをたくさん持っていても、必ずしも心が満たされるとは限りません。「足りていることを知る」という心を持つことが、本当に満たされた人生をもたらすのです。』


◯ 五日目__ 曹源一滴水(そうげんのいってきすい)

どんな大河も、一滴の雨粒が集まってできています。だからこそ、日頃のささいな物事も軽んじることなく、心を向けて取り組むことが、大きな夢の実現につながっていくのです。

『子どもにかける何気ないことばも今後の人格形成につながるので、一言一言がとても大事。』


◯ 六日目__ 和顔愛語(わがんあいご)

穏やかな笑顔と温かなことばで人に接すること。慈愛に満ちた心を相手に伝えることで、そこから平和の輪が広がっていきます。家族、親戚、ご近所など、まずは身近な人から実践を。

『笑顔で家族にあいさつする、感謝の気持ちをことばにすることが、「慈悲」を他者に返す第一歩に。』


書くことだけでなく、掃除や料理も禅の精神で行なえば心が軽くなる!


〈掃除〉_場を清めることで、心を清める

書いたら気持ちがラクになる!〈禅僧の精神科医に教えてもらう〉一日一禅 10日間練習帳 画像(23/9) 場を清めることで、心を清める

禅の修行の一つでもある作務(掃除)にも「マインドフルネス」の効果が。

「場を清めることで心を清めるという意味があります。

また、散らかっている部屋では注意力を使い過ぎてしまうので、片づけることで脳もすっきり。

自分の手できれいにしたという達成感も生まれ、心のケアに有効なのです」


〈料理〉_鍋をかき回すことで、瞑想ができる

書いたら気持ちがラクになる!〈禅僧の精神科医に教えてもらう〉一日一禅 10日間練習帳 画像(28/9) 鍋をかき回すことで、瞑想ができる

タイの仏教では「手動瞑想」といって、手を動かすことに集中して感覚を研ぎ澄ます修行も。

「これもマインドフルネスの一つ。

例えば、料理中に鍋をかき回したり、包丁で食材を切るなど、1つの動作に集中すればOK。

次第に手を動かすだけで気持ちを切り替えられ、心に余裕が持てるようになります」

書いたら気持ちがラクになる!〈禅僧の精神科医に教えてもらう〉一日一禅 10日間練習帳 画像(36/9) おすすめの禅語 7〜10日目

◯ 七日目__ 喫茶去(きっさこ)

茶の湯の精神においては、相手がどんな人であろうとも、訪れた人は客人であり、一杯の茶を丁寧にふるまう姿勢を重んじます。人を先入観で見ないことの大切さを説いたことば。

『関わりを持つ人には必ず縁があります。いいところを見つけられるように、お茶でもしながら話をしてみて。』


◯ 八日目__ 福聚海無量(ふくじゅかいむりょう)

「観音さまの功徳は、福をたたえた大きな海のように限りない」という意味。さまざまな苦悩や困難も、人生の奥深さを知らしめ、より人間的、精神的に成長させる功徳といえます。

『いいことも悪いことも味わい尽くせば、そこに何かしら幸せの種を見つけることができます。』


◯ 九日目__ 春色無高下(しゅんしょくにこうげなし)

豊かな人にも貧しい人にも、幸せな人にも苦しい人にも、春の日ざしは分け隔てなく平等に降り注ぐという意味。天から与えられた慈悲を受けて、どう成長していくかは自分しだい。

『誰にでも立場や能力の違いはあるもの。他者と比べるだけでなく、自分らしくいることを大切にして。』


◯ 十日目__ 日々是好日(にちにちこれこうじつ)

雨の日も晴れの日も、楽しい日も悲しい日も、毎日が「好日」という意味。どんな日であっても、一日一日をむだにすることなく大切に過ごすことで、人生の大きな糧となります。

『生きていれば悪い日もあります。それでもその一日を耐えて過ごすのではなく、思い切って味わってみましょう。』


そのほかにもおすすめの禅語

書いたら気持ちがラクになる!〈禅僧の精神科医に教えてもらう〉一日一禅 10日間練習帳 画像(45/9) そのほかにもおすすめの禅語

◯ 主人公(しゅじんこう)

自分の人生の主役は自分自身。心のありようで人生はいくらでもよくなると知ることが大切。


◯冷暖自知(れいだんじち)

お茶の冷暖をみずから飲んでみて知るように、何事も実際に取り組むことで、初めて真実が分かるという意味。


◯和敬静寂(わけいせいじゃく)

和らいだ心で相手を敬うこと。相手の個性を認めてともに過ごすと、居心地のよい関係に。


◯清風匝地(せいふうそうち)

この世界には人間が抱える苦しみ、悲しみなどを一掃するようなすがすがしい風が吹き続けている。そこに心と体を委ねよう。


◯独坐大雄峰(どくざだいゆうほう)

あなたがこの世にこうして存在していること自体がすばらしいことであり、奇跡である。



毎日のように絶望感に襲われる私が10日間、禅語を心に刻んだ感想は「見方を変えると心が軽くなることもあるんだな」。___編集部橋本より



【レタスクラブ編集部】